CT実習研修 第3回目
2021年08月28日
こんにちは、獣医師の足立です🐰
先日、画像診断医の嶋崎先生によるCT実習研修を受講させていただきました。今回から、臓器別読影のポイントに入り、今回は鼻腔と胸部の読影ポイントを教えていただきました😀
鼻腔内の病変は、外見からは分からないことが多いです。鼻血が出る、片側から鼻水がよく出る、などの症状からCT検査をすると、腫瘍が見つかったり、鼻炎による鼻の内部の細かな骨が溶けてしまっていたりと、いろんな病変が見つかることがあります。中には鼻の病気かな?と思っていたら、歯の病変だったということもあります。歯からの炎症が鼻腔内にも到達し、鼻血や鼻水が出るということも結構多いです。鼻腔のCT検査では、鼻の骨がどれだけ破壊されているか?病変は両方の鼻か、それとも片側か?造影剤が強く反映されているか?などをベースに、どのような病気が考えられるかや重症度を見ていきます。腫瘍が疑われる場合や細胞診をしたい場合、どこを刺せばしっかり診断できるか?というのもCT検査で分かります。
胸部のCT検査は、あらゆる呼吸器疾患が適応となります。腫瘍の転移の有無を知りたい場合や、レントゲン検査で異常があるが不明な点がある場合、呼吸困難や気道内異物などの迅速に治療方針を決定したい場合など、さまざまな状態で適応となります。病変が孤立しているのか?多発しているのか?や、肺の血管と空気の見え方から、さまざまな病気や状態を判断していきます。病変の正確な位置や周囲組織との関係、腫瘍の転移の有無などの情報を得ることができ、CT検査後の生検や手術の支援、また予後の推測ができます。
鼻腔と胸部のCT検査では、確定診断まで持っていくことは難しいとのことでした。ですが、確定診断まで持っていける生検をどこで行うべきかを見ることができ、より正確な診断に持っていけることや、手術の支援、予後評価をすることができるため、大切な診断ツールだということを改めて知ることができました。CT検査は撮影ポジションが診断精度を左右するため、1回目と2回目で習った基礎をしっかりベースとしなければいけないなと思ったので、日々精進していきたいと思います✨
動物のCT検査は人と違って麻酔が必要となりますが、症状や疑われる病気によってかなり有益な情報を得られることが多い検査です。CT検査について質問がある場合、遠慮なくスタッフにお声かけくださいね!