こんにちは!獣医師の山野です。
先日研修医セミナーを受講しました。今回のテーマは“消化管“でした。消化管は食べ物が入って出るところまでの通り道のことで、食道、胃、腸管が含まれます。ここでは消化器症状である、吐くことと下痢をテーマを絞ってお話したいと思います✨️
まずは“吐く“という症状。吐くという動作は“嘔吐“または“吐出“のどちらかに分類されます。吐出は食べ物や飲み物が胃に入る前に排出されてしまう現象です。原因となる部分は胃より前に存在する食道、喉頭、咽頭であることが多いです。嘔吐は食べ物や飲み物が胃や腸に入ったあとに排出されてしまう現象です。原因となる部分は胃より後の消化管である、胃、小腸、大腸であることが多いです。嘔吐と吐出を見分ける1番のポイントはお腹が波打つかです。嘔吐の場合、お腹をヒクヒクしながらウッウッと声に出して吐くことが多いですが、吐出の場合は前兆なく突然吐きます。吐くという動作だけで嘔吐なのか吐出なのかを見分けることが重要になります😎
次に下痢について。下痢はうんちの回数や量、性状などから小腸に原因があるのか、大腸に原因があるのか分類することができます。
大腸は水を吸収し、うんちをコーティングする役割があります。大腸に問題があった場合、水の吸収とうんちのコーティングが出来なくなってしまうので、水下痢のようになって我慢することができなくなり、少量頻回の下痢をしたり、コーティングを失敗した粘液のようなものがうんちに混じります。またその他に大腸から血が出ていると真っ赤な血が混じったうんちが出たりします。
小腸は栄養分の吸収が主な役割です。小腸に問題があると、栄養分の吸収不足で体重が減少することがあります。大腸がちゃんと動いている場合は水分の吸収はされるのでうんちの頻度はあまり変わりません。また小腸から血が出ていると最初は赤かった血が大腸を経由しているうちに赤黒くなるため、うんちに黒っぽいものが混じったりします。
このようにまずは症状から原因部位を推測してさらに精査する作業が重要になってきます😎
まだまだ他にもたくさん教えていただきました😤 この学びを活かして診察に役に立てていきたいと思います✨️