セミナー参加報告

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麻酔セミナー💨

2022年09月18日

こんにちは!獣医師の山野です!

先日、麻酔セミナーを受講しました。今回のテーマは“ETCO2”についてでした👩‍🔬

ETCO2は呼気終末二酸化炭素濃度と呼ばれるもので、その名の通り、呼気中の二酸化炭素濃度を表しており、酸素と二酸化炭素の交換をちゃんと行えているかの指標です。麻酔中に必ずモニターする項目であり、犬の正常値は3545mmHg、猫は2535mmHgと言われています。

このETCO2ですが、単なる換気モニターだけではありません😳 他にもとても重要な役割があります!

まずは酸素がどのように体内を巡るのかについて説明します🌀🍃 新鮮な酸素は肺へ送り込まれたあと、赤血球によって全身の臓器や組織へ運ばれます。全身の臓器や組織では酸素はエネルギー源として利用され、二酸化炭素と交換されます。この二酸化炭素は最終的にまた肺へもどって呼気として体外へ出ていきます。ETCO2は最終的に体外へ出ていく二酸化炭素の量を表しており、すなわち臓器や組織が産生した二酸化炭素の量と言い換えることができるのです🙆‍♀️

さて、麻酔モニター中にETCO240mmHgから30mmHgに下がった時、体の中でどのような変化が起こっていると考えられるでしょうか?原因は3つほど考えられます🤔💡

①肺が過換気状態で二酸化炭素濃度が低くなっている可能性があります。

②心臓の血液を送り出す力が弱っていることが原因で、全身の臓器や組織に酸素が行き届かず、二酸化炭素が産生されなくなり、最終的に肺に戻ってくる二酸化炭素濃度が減少している可能性があります。

③体温が低いことが原因で、全身の臓器や組織が機能せず、酸素は行き届いているものの二酸化炭素と交換できないため、最終的に肺へ戻ってくる二酸化炭素濃度が減少している可能性があります。

このようにETCO2は換気モニターだけではなく、全身の循環動態の指標としても活用できるのです✨️✨️

今回はETCO2というモニター項目の1つに絞った内容でしたが、とても奥が深く勉強すべきことはまだまだ沢山ありました📖 これからも安全な麻酔管理ができるように勉強していきたいと思います✍🏻💭