どきどき心電図検査
2023年09月01日
こんにちは、獣医師のあさぬまです。
とうとう9月ですね💦
2023年度も後半戦に入ろうとしています。
夏休みが終わって、心機一転頑張る方もいるのでしょうか?
まだまだ暑いですが、お体に気を付けてくださいね✨
さて、今回は犬と猫の心電図の話を少しさせてください。
一応、循環器学会の認定医ですし、実は今心電図のセミナー依頼を受けて資料を作成中なので、
たまには心臓についてお話しさせていただきます。
みなさん、心電図についてどのような印象をお持ちですか?
人間の場合は、心電図検査はとても重要な検査ですよね?ですが、それには理由があります。
「心筋梗塞が多いから」
です。
心電図検査は、その名の通り、心臓を走る電気の流れを記録する検査方法です。
その原理や解釈はとても難しくて、人では、心電図検査だけで学会が一つあります💦
獣医師でも苦手とする人が多く、もちろん飼い主様に説明することもとても難しいものの一つです。
誤解が多いですが、心臓の「電気の」動きしか検査できないため、心臓が「動いているかどうか」はあまり関係ありません。
基本的には、心電図の波形がある=心臓が動いている。ですが、心肺停止状態でも、心電図の波形はきれいに確認できることもあります。
ドラマなどで、心電図の波形が出なくなる=心停止のイメージがあるかもしれませんが、実は間違いです。
もちろん、動物が意識があって、動いているのであれば、間違いなく心臓が動いているので、心臓が動いているかどうかの判断は、
機械ではなく、動物を見て行うことが推奨されています。
また、同様に誤解されることが多いですが、
動物の場合は、心電図検査で、詳細は評価はまず不可能です。
時折、「心電図で心拡大といわれて薬を開始しています」というケースに遭遇しますが、多くの場合不十分な検査です。
確かに、心電図検査で、心臓が大きい可能性があるかどうか?はわかります。
しかし、程度や原因を確認できるわけではないので、精度は非常に悪いです。
心電図検査で異常が見つかった場合は、心エコー検査がセットで必要になります。
そんな心電図検査ですが、とても有効な場合があります。
それは、不整脈の診断です。
不整脈の診断は、心電図検査でしか行うことができません…。
動物の症状で不整脈を疑う症状は、『失神』です。
・元気だったのに突然ふらつき、それが数秒で改善する場合
・突然、叫んで倒れて、しばらくすると起き上がる場合
などが失神の典型的な症状です。
しかし、中には発作と区別が難しい場合もあるため、しっかりとした判断には、獣医師の診察が必要です。
その場合、失神あるいは発作中の動画が非常に役に立つことがあるので、可能であれば撮影をお願いします。
不整脈や心電図の異常は、必ずしも病気の子で認められるわけではありません。
健康な子でも時折、心電図異常を認めることはあるため、
心電図で異常が見つかっても過度な心配は不要です。
ただし、精密検査が必要なサインではあるので、必ず、近いうちに検査を受けてくださいね❕
かくいう私も、毎年の健康診断で心電図検査にひっかかります💦
健康な人でもたまにいる心電図異常をもっているのですが、
その形状は心筋梗塞でもでる心電図異常なので、毎年詳しく症状や、生活習慣について聞かれます…。
適度な運動(できていないですが)を心掛け、
健康的な生活を送ろうと(その時だけは)思っています。
写真は先日、セミナーの懇親会で食べたお刺身です✨
魚はきっと健康にいいはず!と、いうわけでもりもり魚をたべて頑張りました😊