セミナー参加報告

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整形外科セミナー

2025年03月31日

こんにちは、Dr.スゴウです。
先日整形外科のセミナーに参加しました。
今回のテーマは中手骨、中足骨骨折でした。
どこの骨かと言いますと人で言う手の甲、足の甲の骨です。
それぞれ第一から第五まで(親指から小指まで)それぞれの前肢、後肢に左右5本ずつあります。

日本では小型犬が多いので飼い主さんが間違えて足を踏んでしまったり落としてしまうことで骨折が起こることが多いです。
猫は後肢側に体重をかけるので中足骨の骨折が多いを言われています。

歩く時には負重指(趾)と言って体重をかける指が決まっています。基本的に前後とも中心である3,4番目の指に体重をかけて歩きます。
骨折が起こった時、治療はギブスなどで足を動かさないようにして自然に治るのを待つ内科治療と骨折した骨同士をプレートとスクリューで固定するプレーティングもしくは骨片同士を鋼鉄製のピン(先が尖っていて骨の中に入れて使う)を用いてつなげるピンニングなどの外科治療に分かれます。
一般的に内科治療の適応は
・負重指の骨折がない
・1指のみの骨折
・骨折した骨の変位(ズレ)が少ない
などです。
ただこれに当てはまる場合も痛みが続いたり肢をつかないなど症状が改善しない場合は手術が適応になります。
以前はプレートのサイズに小さいものがなかったためピンを入れる方法しか選択ができず、体の小さい子だとピンを入れるスペースすらない子がいて治療が困難でした。
最近はより小型のプレートが使えるようになったため以前に比べると手術の選択肢がふえ、治せる子が増えてきました。

骨折に限らず、足を挙げる、震えて元気がない、段差を嫌がるなど体の痛みのサインがある場合は当院スタッフまでご相談ください。

画像診断セミナー

2025年03月31日

こんにちは、獣医師の今井です。
先日画像診断セミナーを受講しました。今回のテーマは消化管(空腸、結腸)でした。

消化管のスクリーニングを行う際には
・層構造(消化管は5層構造!肥厚している層がないか?構造の消失は認めないか?)
・病変の分布(全周性、偏心性、全周かつ偏心性)
・病変の増殖方向(求心性、遠心性)
・病変の長さ(例えば…腸腺癌は短く、リンパ腫は長めの傾向)
・病変の局在(孤立性、多発性、びまん性)
・消化管拡張の有無

これらのポイントを押さえながら観察することが重要になります。
また、消化管のスキャンを行う際は
①上部:胃〜十二指腸
②下部:結腸〜盲端、回盲部付近を下から上に追う
③その他:①②でスキャンしていない部位
この3箇所に分けて観察することで病変の見落とし防止や効率的なスキャンができることを学びました。

自分の技術を磨けるよう経験を積んでいきたいです!

CTセミナー

2025年03月30日

こんにちは、獣医師の今井です。
先日CTの実習研修を受講しました。今回は2回目の受講で、撮影の基礎を座学で学んだ後、実際に機器を使って撮影を行いました。

 

CTを撮影する際には
・動物の正確なポジショニング
・検査目的に合わせた撮影方向の決定
・呼吸による体動で画像がブレないよう、適切なタイミングでの息止め
・金属によるアーチファクトを防止するためのモニターの付け外し

 

など、正確に撮影画像を評価するために気をつけるべきポイントが沢山あります。
パソコン操作で覚えることも多く慣れるまで時間がかかりそうですが、実践と復習で習得できるように頑張ります!

循環器セミナー

2025年03月30日

こんにちは。獣医師の山崎です。

 

今回は循環器セミナーで不整脈誘発性心筋症について学びました。

 

主に猫ちゃんでみられる病気で頻脈性の不整脈やリズムの不整によって左室の機能不全を呈する心筋症です。

 

症状としては突然落ち着きがなくなる、突然じっと動かず元気がないなどわかりにくい事が多く、症状や心臓の超音波検査、心電図検査により診断していきます。

 

治療としては心臓の脈のレートコントロールとリズムコントロールに分かれ、主に抗不整脈薬を使用して治療をおこないます。頻脈がある場合はその治療をすることで心臓の機能は回復しますが、一部は再発を繰り返すことが知られています。

 

もしお家で猫ちゃんが普段しないような行動や動きを繰り返し、突然じっと動かなくなるなどがあれば動画でとって頂き、当院にご相談ください。

 

歯科セミナー🦷

2025年03月28日

こんにちは!獣医師の山野です!

今回はタイで抜歯の実習に行かせてもらいました!

日本ではなかなか出来ない、生体を使った実習でした。1日目は犬で2日目は猫で行いました。

犬も猫も3種類の歯があります。1番手前にある小さい歯を切歯、牙を犬歯、犬歯より奥の歯は臼歯といいます。

犬は切歯が12本、犬歯が4本、臼歯が26本と歯の数が多いです。ちなみに人間は本です。

切歯と犬歯は根っこが1本である単根歯、臼歯は2根歯と3根歯にわかれます(猫は単根歯もあります)。特に抜歯が難しいのは歯根が深い犬歯と3根歯の臼歯です。

犬歯の歯根はすごく深く、見えている部分より、歯肉の中に隠れている部分の方が2倍くらい長いです。

そのためまずは犬歯周囲を覆っている歯肉を剥がし、歯が埋まっている歯槽骨(顎の骨)の1部を削ります。歯槽骨を削ると歯根が見えてくるので、その状態で歯槽骨から犬歯を剥がして抜歯します。

抜歯後はぽっかり穴が空いた状態になるので、周囲の歯肉同士を縫って穴を防ぎます。

難しいポイントは歯槽骨をどのくらい削るかどうかの判断です🤔

歯槽骨を削れば削るほど抜きやすくはなるのですが、顎の骨をすり減らすことになり、顎骨折のリスクがあがります🦴この塩梅がすごく難しかったです😌

臼歯は2根歯、または3根歯であることが多いので、まずは機械を使って歯を割ります。

2根歯であれば1分割、3根歯であれば2分割して、単根歯にしてから抜歯します。

歯根はハの字に生えているのでそのままでは引っかかってしまい抜歯できないからです。

難しいポイントは特に猫は歯が小さく脆く、適切に切って、歯根が生えてる方向に沿って抜歯しないと、すぐ割れてしまうことです。出来るだけ割れないように綺麗に抜くことがポイントです😌

専門の先生に実際の抜歯してるところを指導してもらい、すごく勉強になりました!

明日から診察で生かせていきたいです✨️✨️

歯科セミナー in バンコク

2025年03月24日

こんにちは、獣医師の森本です!

先日、タイのバンコクで開催された口腔外科実習のセミナーに参加させていただきました🇹🇭

今回の実習では犬と猫の抜歯についての手技を学びました🦷

実習内容は犬と猫の検体を使用し、自分達が実際に抜歯を行っているところを講師の先生に見てもらいながら指導をしていただくといった形式でした。

抜歯に関しては普段の診療でも多く行っている手技でしたが、今回指導していただいた講師の方の手技と自身の手技を比べると、まだまだ技術的に足らない箇所や綺麗に抜歯するための細かなポイントがあるのだなと痛感しました。

今回の実習で様々な抜歯の技術や考え方を身につけることが出来たので、今後の日々の診療にも活かしていきたいと思います✨

写真は実習の会場として使用させていただいた大学の受付にいた猫ちゃんです!

毎日、違ったコスプレでお出迎えしてくれました❗️

皮膚科セミナー

2025年03月15日

こんにちは、看護スタッフのこんです。

先日、皮膚科セミナーを受けました。

看護師、トリマー向けにセミナーを開いていただきました。

 

今回は、ニキビダニ症、膿皮症、皮膚糸状菌症、疥癬症の疾患に関して説明してくれました。

 

ニキビダニ症は、痒み、身体中に赤くぶつぶつとした紅斑、脱毛などが症状。

疥癬症(ヒゼンダニ)は、肘、腹部、耳などにフケや脱毛、激しい痒みがあらわれます。

 

対処法として、

ニキビダニ症や疥癬症は、フィラリア予防薬(抗菌薬)が効果を示してくれます。

投与して、症状出てから1ヶ月後はとても綺麗な健康な肌に治っていました。

予防薬でとても綺麗になることを学べて良かったです!次回も楽しみです!

 

このような症状が出たり、普段と様子が違うなど、些細なことでもお悩みがありましたらご相談ください!

口腔外科セミナー ~抜歯~

2025年03月15日

こんにちは、獣医師の江木です。

先日、口腔外科セミナーを受講してきました。

今回のテーマは歯周病の抜歯治療についてでした。

 

抜歯は、歯周疾患があり内科治療で回復が望めない場合に適応とされます。

 

今回は歯周病診断とステージ分類、各々のステージに必要な治療方法、スケーリング・抜歯実施に使用する器具と使い方を学びました。

 

歯周病は放置しておくことで腎臓病や心臓病など他の疾患にかかりやすくなると考えられており、抜歯は口腔内の痛みを取り除くだけでなく、健康寿命にも関与しているといわれています。

 

歯周病だけでなく、破折歯や乳歯遺残など各々の歯の状態を正確に診断し、抜歯が必要であればそのこたちの口腔内を今までよりもより一層綺麗に治してあげられるよう、トレーニングを積んでいきたいと思います。

 

次回は実際の抜歯実施時に必要な知識・手技と合併症についてです、楽しみです!

 

 

整形・神経外科実習

2025年03月15日

こんにちは、獣医師の江木です。

先日、バンコクで行われた整形・神経外科セミナーに2日間参加してきました。

昨年は猫について、今年は犬についてで、実際に献体を用いて手術手技を学ばせていただきました。

 

1日目のテーマは整形外科でした。

・膝関節内側・外側アプローチ

・大腿骨外側アプローチ

・骨盤骨折アプローチ

・肩関節アプローチ

・上腕骨外側・内側アプローチ

・肘関節アプローチ

を学びました。

これらは骨折整復や関節脱臼整復、前十字靱帯整復、膝蓋骨脱臼整復などを行う際に必要になる手技です。

 

2日目のテーマは神経外科でした。

・片側椎弓切除術

・ベントラルスロット術(腹側減圧術)

を学びました。

片側椎弓切除は胸腰部の椎間板ヘルニアに対し脊髄減圧を行う際、ベントラルスロット術は頸部椎間板ヘルニア整復やウォブラー症候群に対し脊髄減圧を行う際に実施する手術です。

 

今回の実習経験を生かし神経疾患や整形疾患で困っている動物たちを救えるよう、今後も正確な診断とそれぞれの患者さんにとって最善の治療をご提案できればと思います!

亜熱帯地域らしい日本では見たことのない植物が沢山生えてました🌿

眼科セミナー

2025年03月13日

こんにちは、獣医師のサクマです!

先日、眼科セミナーに参加してきました!今回のテーマは緑内障です。

 

緑内障とは眼圧上昇に伴う一時的、永久的な視神経障害のことです。人では正常眼圧緑内障が多いですが、犬猫では報告されていません。なので高眼圧≠緑内障ということです。

 

動物では原発性の緑内障は少なく、ぶどう膜炎や水晶体脱臼などによる続発生の高眼圧によるものが多いとされています。遺伝的に多い犬種として柴犬、アメリカンコッカー、シーズーが挙げられています。一般的に中〜高齢に多く、症状として充血、流涙、羞明が認められます。

 

緑内障の治療は2つで、“眼房水の産生を減らす“もしくは“眼房水の流れを良くする“ことです。基本的には点眼治療になりますが、外科的な介入が必要になることもあります。

外科的治療には半導体レーザーを用いて眼房水の排泄を促進するもの、排泄ドレーンを設置するもの、義眼やシリコンインプラントで置換する方法があります。

 

病院に来院されるほとんどが慢性的な緑内障であり、初期の緑内障をご家族が気づくことは難しいことが多いです。柴犬、コッカー、シーズーさんはもちろん、中齢を迎え眼が開けづらそう、眼が赤いなどの症状があればすぐにご相談いただければと思います。