セミナー参加報告

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内科学セミナー

2025年09月02日

こんにちは。獣医師の山崎です。

今回は内科学セミナーでタンパク漏出性腸症( PLE)と呼ばれる病気について学びました。

 

タンパク漏出性腸症は原因として感染症や異物、寄生虫、びまん性腸疾患、腫瘍、右心不全、門脈高血圧症などにより蛋白が漏出することでタンパク、とくにALBの低下がおこる病気です。

その中でも原因として多いのが炎症性PLEと呼ばれる慢性腸症、リンパ管拡張症、腸炎によるタンパクの漏出です。

犬種として柴犬、フレンチブルドッグ、ダックスフンド、トイプードルなどが好発犬種になりますが、様々な犬種でみられます。

 

主に血液検査、超音波検査、内視鏡生検により診断を行い、食事療法やプレドニゾロン、クロラムブシルなどにより治療をおこないます。

合併症として血栓塞栓症、肉芽腫性リンパ管炎、低コバラミン血性がみられるのでそちらも注意が必要です。

 

CT画像診断セミナー

2025年08月31日

こんにちは。獣医師の山﨑です。

今回はCT画像診断セミナーで胃、腸について学びました。

主に胃腸疾患では超音波検査やレントゲン検査が麻酔をかけずにする検査として一般的です。しかし胃腸にガスがたまっている場合や体が大きな動物など診断が難しくなることがあります。そのような状況でも腹腔内のガスや異物の誤食などを3次元で評価することができます。しかしCT検査を行う場合、基本的には全身麻酔が必要になりますのでそれぞれの検査の特徴をしっかり理解して使い分けることが大切です。

救急セミナー 8/25

2025年08月29日

こんにちは!看護師の岩國です。

先日行われた救急セミナーについて報告致します。

今回のタイトルは「トリアージ」。

フランス語で選別を意味し、本来はコーヒー豆やブドウなどの品質を選り分けることに使うものだったそうです。医療的な位置取りは、緊急度評価とされています。

当院でも、問診の内容や動物の状態を評価し場合によっては早期対応の処置をとる場合があります。

今回の論点になるのは、正確なトリアージができているかどうか。実際のミストリアージを参考に評価の見直しをおこないました。

トリアージにおける主な着眼点は元気、食欲、嘔吐、下痢の体調変化に加え、体温、呼吸数、脈拍など視診、触診によって評価していきます。ここで課題となるのが、動物の種類や個体差です。

同じ犬であっても若齢犬と成犬、大型犬か小型犬かでも基準となる数値が変わってきます。また、その子の環境や活動性にも左右されます。

立ち会った際の状況や問診を通して、普段はない違和感に気づけるかが重要になります。

また、トリアージは電話の中でも行います。先にあげたように、動物の種類や年齢、性別(避妊去勢の有無)により、疑われる病気や状態が絞られるため、少しでも早期の対応のため問診を行います。

また、到着までの時間を伺い処置の準備とスタッフ間共有を行います。

痙攣や意識低下、呼吸器系など特に救急度の高いと判断されるものもありますが、来院するべきかどうかの判断は難しい内容も多いです。如何にささやかな変化であっても、確実に大丈夫だと判断するには直接診察をしなければ判断出来ないことが多いです。

そんな中、特に要注意な3選は

・事故などの高エネルギー外傷

・妊娠、出産関係

・中毒物質の摂取     との事です。

いずれも状況の急変の可能性が高く、症状の有無や反応が軽微であっても素早い対応を必要とします。これらの相談があった際には、トリアージのレベルは高く見積もる必要があります。

トリアージは短時間で必要な情報を集め、早期の判断、処置を行う上で不可欠な方法です。正しく見積もる、あるいはそれ以上に警戒して評価を行い対処する必要があります。そのためにも、普段のその子について知ることと、基準となる指標を明確に覚えて判断できるよう努めたいと思いました。ただし、いざ自分がその場に立ち会った際に冷静に分析する余裕はあまりないと思います。状況に応じ、スタッフやオーナー様方含め病院が一丸となって救急対応に望むことができればと思います。

今回も講師として杉浦先生に来ていただきました。とても貴重な現場でのお話、ありがとうございました。

8月飼い主様セミナー🩺

2025年08月28日

こんにちは、看護スタッフの山下です🐶

先日飼い主様セミナーを行いました!

今回のテーマは動物病院体験ということで、お越しいただいた飼い主様ご家族に、病院で行っている検査などを体験していただきました🌟

内容としては、エコー検査・TPR測定(体温・脈拍・呼吸数)・傷口の糸の結び方・手術で使用する器具の展示を行いました。

私はエコー検査の体験ブースを獣医師の森本と担当させていただきました!

ミックスゼリーや自分の首周りにエコーを当てて、何がどのように見えるのか観察したり、最後に実際にわんちゃんの体にエコーを当てて心臓を見てみる貴重な体験も行いました😳

心臓の位置を一発で当てる飼い主様もいらっしゃり、エコーセンスが輝いてました✨😄

短い時間ではありましたが、皆様楽しまれている様子で、動物医療に興味を持ってくださっているお子様もいらっしゃり、やり甲斐を感じました✨

ご参加いただきありがとうございました🙇

 

POCUSセミナー

2025年08月24日

こんにちは、獣医師の森本です!

先日、横浜で行われたPOCUSのセミナーに参加しました✏️

POCUSとは救急医療や集中治療など行う、見るところを絞ったエコー検査のことで、患者さんの状態を短時間かつ簡潔に把握する検査です。

元々、人医療で使用されていた検査方法を動物用に内容を変えて、近年注目されている検査方法です。

検査の内容は心臓の周り、胸の中、お腹の中に水が溜まっていないかの確認や、肺の状態を把握するなど様々な目的があります。

今回は海外の救急医療の専門医の先生が来日し、自分たちにレクチャーをしてくれました✨

とてもフレンドリーかつ丁寧に基礎からしっかり教えてもらい、すぐにでも実践できそうなレベルまで技術を習得することができました💪

今回学んだことを実際の現場でも活用し、治療にいかせればと思います!

セミナー会場が横浜ということもあり、セミナー後に近くの有名なラーメン屋の「浜虎」さんで一杯食べてきました🍜

家系ラーメンではないですが、評判通りとても美味しかったです✨

麻酔学校🏫.*

2025年08月23日

こんにちは、看護師の泉山です。
今回の麻酔セミナーでは手術前に必要な検査やそれを行う意味について学びました。

手術前の検査として、血液検査、レントゲン検査、凝固検査が重要であり、その中でも血液検査で最低限見ていきたい項目を説明します。

 

①ヘマトクリット(ヘモグロビン)
赤血球に含まれるヘモグロビンという酸素を運ぶために必要な成分の値を測ります。麻酔をする際、この値が低いと体中に酸素を運ぶことが困難になります。

 

②グルコース
体の機能を正常に動かすためにはグルコースと酸素が必要です。この2つが組み合わさることにより、ATPというエネルギーの供給源が出来上がります。その材料であるグルコースが少ないとATPも作られなくなり、最終的には内臓などの機能停止に繋がるのです。

 

③電解質
血液中にあるミネラルを意味し、その中でもナトリウム、カリウム、クロールが重要になります。更にカリウムの数値が高いと「高カリウム血症」となり、心停止のリスクを高めてしまいます。

 

④BUN、CRE
腎臓の数値を表す項目で、この数値によっては※NSAIDsの薬を使用するかしないかの判断材料となります。

 

⑤ALB
酵素やホルモン、薬などと結合することによって、それぞれ必要な部位へ運搬する働きがあります。しかし、数値が低いと運搬する能力が低下し内分泌や代謝などのバランスが崩れ、体の調節機能や免疫能力が低下してしまいます。また、血栓リスクも上がります。

 

⑥ALT、AST
手術後の管理として、念の為に測っておきたい項目で、肝臓に関係しています。手術前と手術後で明らかに数値に差がでた場合は、肝臓に異常があることを気づくことができます。

 

⑦凝固
凝固、・血液が固まる仕組みの異常が無いかを調べる検査です。異常があると、止血に時間がかかり出血しやすくなるなどの症状が現れます。

 

手術前に血液検査をするだけでも、多くのことを知ることができます。患者が今どのような状態なのかを知ることで、麻酔中、麻酔後のベストな管理や治療に繋がります。
今回学んだことを意識して手術前の検査を行っていきたいと思います。

マネジメントセミナー

2025年08月23日

こんにちは。看護師の田村です。

先日、動物病院マネジメントのセミナーに参加させていただきました。「伝わる病院はチームが育つ」をテーマに実際の動物病院での事例発表や、動物病院専門の経営コンサルタントの方の講演を受講させていただきました。

最初に他企業の事例紹介から動物病院で実際に行う仕組みについてお話しいただきました。

動物病院内でのコミュニケーションの現状としてよくある課題として、・会議で決めても実行されない・同じ議論が何度も繰り返される・情報が一部のスタッフで止まる、ことが挙げられます。また、そこから目指すべき姿として、・決めたことが確実に実行される・会議が効率的に進行する・情報が全員に共有される、ことが挙げられ、「決めたことを確実に共有する」ことがゴールとして取り組んでいく必要があります。

動物病院によって人数の規模が異なり、その人数に合わせた会議などでの運営方法を決定していく必要があります。当院での規模としては幹部にあたるリーダー層でのミーティングの運営をしていきます。ミーティングを行う上での5つのステップを紹介していただきました。

① 広げる:全員が必ず発言する(批判禁止で量を重視)
② まとめる:3~5束に分類し、似た意見をグループ化する
③ 決める:基準を明確化にして最優先の一点を決定
④ 具体化:5W1Hで明確に誰が何をいつまでに
⑤ 確認:読み上げ確認、決定事項を掲示

全てを実行していくことが目標にはなりますが、この中で①の意見を出すことについてまず最初に実践していきたいと考えました。あるテーマについて2~3人組でのグループでの議論をしてもらい、グループごとに発表していきます。今までは個人での意見の発表をしていましたがなかなか意見が出ないこともあり進行が難しいと感じていました。この方法を活用しスムーズかつ、意見の出しやすいミーティング進行を身につけられたらと思います。

実際に動物病院での事例発表を聞いたり、動物病院スタッフ同士での交流が持てたり、とても有意義な時間となりました。院内スタッフのコミュニケーションの質を更に高められるように日々努力していきたいと思います。

エキゾセミナー‪‬🐥⸒⸒

2025年08月22日

こんにちは!看護師の前寺です!

 

先日、院内にて霍野先生のエキゾチックアニマルセミナーに参加しました。

 

今回は小鳥さんの飼育方法について学びました。

種類によって特徴も異なるので、その子に合った飼育方法を見つけてあげることが大切です。

例として、ケージの大きさをあげてみます。管理が大変にはなりますが、基本的には大きいほど良いとされています。また、何羽で飼うのか、放鳥するのか、クリッピング(翼の一部を切って飛行能力を制限)をするのかによっても適切なサイズが変わってきます。

止まれ木は、木製をオススメします。フィンチは三前趾足なので、ホッピング(ジャンプするように移動)で移動し、どんな枝でも止まることができます。ただし、ケージの金網を移動することができないので止まれ木の太さを変えたりなどの工夫が必要です。

餌入れは鳥の性格や汚れ具合で決めます。ダイエットや衛生管理では浅くて小さいものが良いです。

部屋の温度は25~30度くらいが適切です。

 

まだまだ知らないことが多いですが、これからも積極的に学び知識を増やしていきたいです。

VOA第1回

2025年08月20日

こんにちは看護スタッフの榎澤です。

先日整形VOAのセミナーに参加をしました。

第1回だったのでまず整形の手術で気をつけること、基本の骨や筋肉の動きを理解するところから学びました。

整形の手術で一番大切なことは感染を起こさいないこと!整形は体内にプレートやぴんを入れることで骨の固定をする手術があり、そこから感染が起きることがあります。そのため術中の雑と滅を徹底します。術者だけでなく外回りの看護師も気をつけたい所です。

そして術後の管理も慎重に扱うことも大切だと学びました。

 

次に整形では骨や関節の働きをしっかり頭に入れる必要があります。

骨関節は、骨と骨が連結している部分で、可動性や安定性を担っています。骨と骨が繋がるだけではすぐ外れてしまうため関節を保護するため関節包があり、動きを滑らかにするため滑液などがあります。また骨と骨を繋ぐ役割をしている靭帯もありそれぞれの役割によって、関節の動きや衝撃吸収、安定性が保たれています。

運動に大切な筋肉は骨についてありその部分を腱と言います。

どの部分にどんな筋肉が繋がっているかで運動の可動域、姿勢の維持など役割が決まってきます。

 

次回は症例別でどの部位に対する手術かなど学ぶ予定なので関節の動きや仕組みを復習し頭で想像しながらセミナーを聞けるようにしたいです。

外科セミナー

2025年08月18日

こんにちは獣医師の田口です!
先日、消化管吻合手術に関するセミナーを受講しましたので報告させて頂きます。

消化管吻合手術とは、腸や胃など消化管の一部を切除し、健康な部分同士をつなぎ合わせる外科手術のことです。この手術は以下の様な状況で適用されることがあります。
・消化管の壊死・・・腸重積や異物による腸の閉塞で、血流が阻害され壊死した腸管は切除する場合があります
・腫瘍・・・消化管に生じた腫瘍を切除します
・消化管穿孔・・・何らかの損傷で穿孔した消化管は切除する場合があります。

消化管吻合手術は、犬や猫の命を救うために不可欠な外科手術です。
ただし手術そのものも大変ですが、術後管理や合併症対策が成功のカギとなります。特に消化管吻合部位の離開は、細菌性腹膜炎などの致命的な合併症を引き起こす可能性があるので、こまめな管理とモニタリングが重要となります。

今回は消化管吻合手術に関するセミナーでした。今後の診察に行かせる様に、よく復習したいと思います!