セミナー参加報告

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救急セミナー🚑💨

2025年07月04日

こんにちは!獣医師の山野です!

先日救急セミナーを受講しました🚑

今回のテーマは糖尿病性ケトアシドーシスと高浸透圧高血糖症候群についてでした✍️

 

糖尿病性ケトアシドーシスも高浸透圧高血糖症候群も糖尿病の犬や猫で起こる救急疾患です🚑

食欲が全くなく、嘔吐、ふらつきなどが見られ、重症化すると意識が朦朧としていたりします。

 

まずは糖尿病性ケトアシドーシスの病態から。

そもそも糖尿病とは、インスリンと呼ばれる血糖値を下げるホルモンが欠損していたり、効きづらくなっているせいで、高血糖状態が常に続いてしまう病気です。

糖尿病の治療がされないまま高血糖状態を放っておいたり、糖尿病の状態で他の病気を併発して調子が悪くなってしまうと、元々効きづらかったインスリンが全く効かなくなってしまいます。そうすると、体は糖の代わりに脂肪をエネルギー源として使うようになってしまい、脂肪の老廃物である”ケトン体”というものを過剰に生成してしまいます。この”ケトン体”が多量に出来てしまうと体の血液が酸性化します。この状態を糖尿病性ケトアシドーシスといいます。

血液が酸性化すると心臓や神経伝達の機能が落ち、ミネラルバランスも崩れ、薬も効きづらくなるなど、いい所が全くありません”🤷‍♀️゛

 

次に、高浸透圧高血糖症候群について。

この病気は英語でHyperosmolar Hyperglycemic  Syndromeといいます。Hi-Hi Syndromeとかに略すと可愛いなーて感じなのですが、病態は全く可愛くありません🥲

この病気になると生存率35%と極端に低くなります。糖尿病の患者に極度の脱水が認められることで発症します。基礎疾患として腎不全や心不全があると、見た目には見えないところでどんどん脱水が進んでいます。その結果、排尿量が少なくなり、最終的に尿に糖が排泄できなくなります。そうなってしまうと、体の中は超高血糖状態となり、あらゆる細胞から水を引き込んでしまうので、細胞の機能が落ちてきてしまいます。特にダメージを受けやすいのが脳神経細胞なので、高浸透圧高血糖症候群は昏睡状態に陥ることが多いです。

 

治療は

①脱水を補正するために点滴する

②ミネラルバランスを調整する

③インスリンを徐々に開始する

です。

糖尿病性ケトアシドーシスの治療反応はわりといいですが、基礎疾患に心不全や腎不全があるため高浸透圧高血糖症候群の治療はとっても難しいです😞

 

もし自分のお家の子が糖尿病になってしまい、食欲が全くなくなったり、ぐったりしている場合はかなり緊急度が高いと思っていただければと思います‼️

変だな、と思ったら病院にご連絡お願いいたします🏥

 

 

 

画像診断セミナー

2025年07月02日

こんにちは!獣医師の山野です!
先日X線検査の撮り方について実習を受けました✨️

X線とは、体の中の骨や臓器を写す検査のことです。
X線を撮るといっても場所により様々な撮り方があります👀
動物で1番多く撮るのは胸や腹のX線検査です。
胸を撮る時は心臓と肺をしっかり見たいので、前足をしっかり引っ張って胸に被らないようにして撮ります。この時背が曲がっていると左右対称にならないので前と後ろを引っ張り合うようにして撮影すると正確なX線写真が撮れます📸
また、腹の時は、後ろ足をしっかり引っ張って被らないようにします。このとき骨盤を揃えるようにして撮影すると綺麗に撮れます✨

しっかり綺麗に撮れた写真は正確な評価が出来るので診断に直結します🤩
正確なレントゲン写真が撮れるように頑張ります💪

フード学セミナー

2025年07月02日

こんにちは!看護スタッフの山口です。
今日はペットフード学第3回を受講しました。
手作り食と療法食について学びました。
手作り食をしている方は全体の約5%(犬)、約1.1%(猫)しかいません。しかし、手作り食に興味のある飼い主様は70〜80%ほどいらっしゃいます。ペットフードのメリットは利便性、一貫性、コストに優れていますが手作り食ではペットに愛情表現ができる、不安からの解放、罪悪感からの解放などのメリットがあります。手作り食では栄養がしっかり取れているかなどではかなり難しいところです。もしチャレンジしてみたい方がいらっしゃれば日本食品標準成分表(八訂)と、AAFCOを参考にして栄養バランスを気にして作ってあげてください!
ペットフードでは国が決めたペットフード安全法という仕組みがあるためほとんどが安全で栄養も充分になっています!中には添加物が怖いという方もいますが実際に添加物が添加されないとヒトにおける食品危害の危険ランクでは食品媒介性疾患の相対的リスクが最も高くなり、添加物に関連したリスクの約10万倍となることが明らかになっているため無添加にするのも考える必要があるなと感じました。
日本の療法食では栄養基準は存在せず、また市販製品をチェックする体制も整備されていないが獣医さんたちが効果あると決めて病院で使い始めてやっと療法食として認められるのが日本です。療法食とは栄養成分の量や比率が調整され、特定の疾病又は健康状態にあるペットの栄養学的サポートを目的に獣医医療において獣医師の指導のもとで、食餌管理に使用されることを意図したペットフードであります。
ペットフード、療法食、手作り食など現在たくさんの商品などがあります。そのため種類が多すぎてわからない場合や代替になるものなど提案できるかもしれないためわからないことなどがあれば遠慮なく聞いてください!私たちも気軽に聞いてもらえるような雰囲気作りや勉強を日々していきます!

循環器学会

2025年06月29日

こんにちは、獣医師のあさぬまです。
予防開始のシーズンも佳境になってきました。
皆さん、マダニの予防は始めていますか?
最近、マダニ感染症での死亡例のニュースも多く、他人事でなくなってきました💦
予防できる病気はしっかり予防していきましょう!

さて、土曜、日曜で循環器学会に参加してきました。
最近、外科をテーマとする発表が多かったのですが、今回は、内科をテーマにした発表もあり、聞いていて学び多い学会でした。
今回の学会でも、座長と発表をさせていただきました!

座長では、心不全を早期に検出する取り組みに関する発表と、新規の外科手術法に関する発表がありましたが、
いずれも活発な議論になり、良かったです。

発表では、『部分肺静脈灌流異常症』という稀な病気の新しい診断法に関して発表させていただきました。
部分肺静脈灌流異常症…聞きなれない病気ですよね?
おそらく、獣医師でも、循環器に詳しくないと聞いたこともないような病気だと思います。
人での有病率は0.4~0.7%程度で稀な病気です。
動物での発生率に関しては報告がないですが、人よりは多いかもしれません。
ただ、いずれにしても非常にめずらしい病気であることは間違いないです。

症状が全くない場合もあれば、心不全になってしまうケースもあり、重症度に幅がある病気です。
症状が全くない場合は、健康診断をしないと気づけないのは恐ろしいですね…。

少し難しいかもしれないですが、今回はせっかくなので、部分肺静脈灌流異常症についてすこしだけ紹介します。
そもそも肺静脈とは、肺からの血液が心臓に返ってくるときに通る血管です。
普通は左心房につながっています。
左心房に戻った血液は、そのまま左心室に入り、大動脈から全身に向かいます。
肺で十分に酸素をもらった血液が、全身に運ばれることで、全身に酸素がたっぷり含まれた血液が届けられます。

しかし、この肺静脈が左心房ではなく、右心房などに異常につながってしまう病気が
『部分肺静脈灌流異常症』です。
全ての血管が右心房などにつながってしまうこともあり、そうなると『総肺静脈灌流異常症』と呼ばれます。
犬では肺静脈は4~6本存在するとされているので、
このうち何本が異常につながってしまうか?で、症状の重症度が決まります。

診断は難しく、CT検査やMRI検査が必要なことが多いですが、
今回心エコー検査で検出できる方法を学会で発表しました。
CTやMRI検査は麻酔も必要な高額検査ですが、心エコー検査は何回でも実施できる
動物に優しい検査方法です。
エコー検査で異常な血流をとらえられれば、麻酔や金銭的な負担を少なく、診断することができるようになるので、
今後も症例の蓄積を行い、獣医療の発展に尽力したいと思います!!

この病気と診断されることは少ないと思いますが、
その他に心臓の診断や治療にお困りのことがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください✨

CTセミナー

2025年06月27日

こんにちは、獣医師のサクマです。
先日、院内でCTセミナーを受講しました。今回のテーマは肝胆道系(肝臓・胆嚢・胆管)に関する読影です。

<肝臓>
肝臓は、門脈から約70%の血流を受けており、CTでは動脈相・門脈相・平衡相のいずれか、または組み合わせで評価します。
;評価項目
・腫瘤性病変の有無と数・局在
・内部構造(均一性)
・造影パターン(遅延性造影など)

びまん性であれば脂肪肝、肝炎、肝硬変、リンパ腫を疑います。

<胆嚢>
胆嚢は大きさ・内部構造・壁の厚みを主に評価し、以下のような疾患を疑います。

・胆泥(内部に高吸収の沈殿物)
・胆嚢粘液嚢腫(腫大)
・胆嚢炎(壁肥厚、周囲脂肪の変化)

<胆管>
総胆管(CBD)は肝門部から胃幽門〜十二指腸へ続く管腔構造でCTでは視認が難しいことが多いです。胆管閉塞や炎症がある場合ははっきり描出されることもあります。

胆嚢・胆管においてはCTより超音波検査の方が明瞭に描出できます。

今回のセミナーでは、肝臓・胆嚢・胆管の正常像と異常像を明確に理解する重要性を改めて実感しました。CTは全体像の把握に優れる一方、造影タイミングの違いや構造的な変化を意識して見ていくことが大事だと感じました。

飼い主様セミナー

2025年06月27日

こんにちは、獣医師の今井です。
先日飼い主様セミナーを開催させていただきました。今回のセミナーでは『災害が起きた時、ワンちゃんネコちゃんとの避難 あなたはどうする?』がテーマでした。

◯被災時、避難所への移動や集団生活する際に必要になるクレートについて
・市販されている色々なタイプのクレートから愛犬、愛猫に合ったものを見つけるポイント
・日常的に取り入れられるクレートトレーニング
◯非常用持ち出し袋の中身を考えてみよう!
◯被災時に困らない、済ませておくと安心な犬猫の予防について

上記を小テーマにしてお話しさせていただきました!
いつ起こるか分からない自然災害に備えて、皆様とワークを取り入れながら考えることができて良かったです。
ご参加いただいた皆様、お忙しい中足を運んでいただきありがとうございました。

エキゾセミナー🐹

2025年06月24日

こんにちは、獣医師のあさぬまです。

梅雨に入りましたが、雨も少なく、暑い日が続きますね☀

まだ6月なのに、35度を超える日もあるので、皆さん体調にはお気を付けください。

 

先日、院内で開催されたエキゾチックアニマルセミナーに参加してきました。

今回のテーマは『ハムスターの皮膚疾患』です。

皮膚科の分野では、皮膚は内臓を映す鏡ともいわれ、皮膚には体のいろいろな異常が反映されるとされています。

そのため、犬や猫の皮膚科分野では、単純な絵合わせではなく、

皮膚トラブルの場所や、色、経過などから、どんな疾患群(病気のグループ)かを考え、

そこからさまざまな検査で、病気を絞り込む。ということをします。

 

しかし、エキゾチックアニマルの多くが、かなり小型で、検査が容易でないことが多いので、

エキゾチックアニマルの皮膚科診療は見た目が重要視されます!

しかし、小型の動物であるがゆえに、犬や猫よりは、病気の見た目が特徴的で、見ただけで診断に結び付くものが多いです。

また、詳しい検査にはすべて麻酔が必要になってしまうことが多い。という背景もあり、

まずは見た目で治療を行い、その治療効果を見て診断を確定させていく。という方法が一般的です。

そこで今回のセミナーでは、見た目や症状に特徴があるいくつかの皮膚疾患を学びました。

その代表的なものをご紹介したいと思います!

 

①ブドウ球菌感染症

ブドウ球菌とは皮膚の表面に存在する細菌です🍇。

人ではとびひ、犬で発症すると膿皮症といわれ、犬ではフケを伴う赤い湿疹であることが多く、かゆみを伴います。

ハムスターの場合は、顔面での発症が多く、特に鼻や目の周りに症状が出ます。

症状は痒み、脱毛で、時々少し腫れることもあります。

ハムスターは顔を洗う仕草をよくするので、両方の手の先にも同様の症状が出ることがあります。

両目、鼻の脱毛と腫れがあるとピエロのような顔になってしまうこともありますし、

手が晴れるとボクシンググローブ🥊を付けたように見えることが特徴です。

治療は抗菌薬で行います。

 

②皮膚乳頭腫症

皮膚乳頭腫という腫瘍がありますが、それとはまったく別の病気です。

これは代謝的な問題(高齢、食生活、肥満など)が背景にあることが多い疾患です。

脇のしたなど皺の多い場所に発生することが多い疾患で、慢性的な皮膚の変化であることが多いです。

深くなった皺が痛痒く、なめたり噛んでしまうこともあります。

この病気の厄介なところは治らない。というところです。

皮膚の栄養失調や、加齢に伴う変化が強いことが多く、ある程度は改善できても、完治に導ける可能性は低い疾患です。

栄養価の高いもの(カロリーが高いのではなく、栄養バランスに優れているもの)を積極的にあげつつ

見守っていく必要がある疾患です。

 

③ニキビダニ症

ニキビダニという皮膚に常在するダニによって生じる病気です。

ハムスターには2種類のニキビダニが知られていますが、哺乳類にはそれぞれニキビダニが存在し、実は各動物で異なるニキビダニが発生します。

犬と猫と、人のニキビダニはそれぞれ別々で、異種間で移ることはありません!

ニキビダニは常在しているので完全に消失させることは不可能とされています。

なので、ニキビダニ症は、通常でもいるはずのニキビダニが、何かの原因で著しく増加してしまうことで発生します。

何らかの原因の多くは、動物の免疫力です。

免疫力が低下することで増加するため、加齢、免疫を低下させる疾患(腫瘍、副腎皮質機能亢進症、(犬では)糖尿病など)などが背景にあることが多いです。

そのため、診断された場合は、ただダニを退治すればいいわけではなく、

免疫力を低下させた原因を検査で特定し、治療することが大切です。

治療は背中につけるスポット剤か、内服薬で治療します。通常は複数回の投与が必要です。

 

皮膚は小動物でも見た目で異常に気付かれやすいので、比較的早期に発見される異常の一つです。

しかし、多くの場合、食欲などに影響はないことが多く、病院に来るときに重症化していることが多い疾患です。

早期発見できれば治癒に導くことができるかもしれないので、気になるときはお気軽にお声掛けください✨

野崎さんセミナー

2025年06月24日

こんにちは、獣医師の久米です🐱

 

先日院内にて、新人教育担当者向けのセミナーを受けてきました!

 

今回のセミナーでは、新人社員の良いところや課題を書き出すことで現状把握をしてみました!

それぞれの代で個性があり、昨年に引き続き新人教育を担当させていただいていますが、毎年出てくる課題は違うものだなと、改めて実感しました💡

 

また、目指すべきところ、ミズノ動物クリニックのスタッフとしてどうあって欲しいのか、病院の理念などを積極的に伝えて行く、また自分なりに考えてもらうことも大切だとアドバイスをいただきました!

教育というと、厳しい響きにも感じますが、新人さんに教えることで自分の成長にも繋がり、新たな気づきを与えられることも多く、こう言った立場に立たせてもらえるありがたみを実感しました!

 

今回のセミナーで得た知識を今後の新人教育担当に活かしていきます!

腫瘍科セミナー

2025年06月23日

こんにちは、獣医師の田口です。
先日腫瘍科セミナー「診断学総論」を受講してきました。
腫瘍とは所謂「がん」のことであり、自律的に増殖をするようになった細胞の集団のことで、僅か直径1cmの腫瘍でも約1億個の細胞集団から構成されています。
腫瘍の良性・悪性の判断項目は以下に示す通り沢山あります。これらを総合的に判断することが重要となります。
・周辺の組織との境界は明瞭さ
・発育速度
・転移の有無
・細胞の分化・異型度
・全身への影響
 etc…
さらに悪性腫瘍の場合はTNM分類という診断基準を使用することで、腫瘍のステージを判断して治療計画を立てたり予後を予測します。

腫瘍は早期発見が予後に大きく関わりますので定期的な健康診断をおすすめします。当院ではエコーやレントゲンを内容に含む健康診断を実施していますので、気になる方はスタッフまでお声がけください。

整形外科セミナー

2025年06月15日

こんにちは、獣医師の田口です。
先日整形外科セミナーに参加しました。
今回のテーマは、関節鏡による膝関節へのアプローチでした。
犬の前十字靭帯断裂という疾患では、膝の中にある前十字靱帯という靭帯が切れることで痛みや歩行困難などの症状が出ます。
前十字靭帯の断裂は完全断裂の他に、一部の靭帯繊維のみが断裂した部分断裂という状態があります。
この部分断裂の状態では前十字靭帯断裂の指標となる「ドロワーサイン」というものが検出しづらいことがあります。
しかし、関節鏡という関節内を見るための内視鏡を使用することで、前十字靭帯の部分断裂を早期に発見出来る可能性が高まります。
前十字靭帯断裂を起こした場合8割くらいの症例で半月板という膝のクッションを損傷し、この半月板の損傷が膝の痛みに直結します。
関節鏡の使用はこの半月板の損傷具合も観察することが可能なため、膝関節疾患の診断にはとても有効的な器具です。
前十字靭帯断裂の症状は以下の通りです。
・突然の跛行(びっこを引くこと)
・膝の痛み
・関節の腫れ
・膝を動かした時にポキッと音がする(クリック音)
膝関節の疾患では前十字靭帯断裂に似た症状を示す疾患も多いです。このような症状が見られた場合は当院スタッフまでご相談ください。