こんにちは、獣医師の久米です🐱
先日、院内セミナーで内科学セミナーを受講しました。
今回のテーマは犬の内分泌でした。
犬の内分泌疾患はたくさんありますが、今回は遭遇頻度の高く、疾患同士の関連度の高い、糖尿病、クッシング症候群について学びました。
犬の糖尿病の診断は空腹時血糖が高血糖であること、あるいは透過タンパク質の高値であることが条件となります。
糖尿病の診断後は、飼い主様と症例のQOLを相談しながらタイトコントロール(血糖値を細かく管理していく)、またはルースコントロール(臨床症状の改善)を目標に管理していきます。
2つのコントロール方法にはそれぞれメリットデメリットがありますが、症例の性格や飼い主様のライフスタイルに応じて、提案できる治療を増やすことが大切であることを改めて学びました。
糖尿病の併発疾患として多いのがクッシング症候群です。
併発しており、コントロール不良の場合はそれぞれ単体で発症している症例と比べ予後が悪いとされています。
クッシング症候群では多飲多尿や多食、皮膚の菲薄化のような症状を示すことが多いです。
病気自体が直接的な死因になることは少ないですが、治療介入しない場合は健康な犬と比べて生存期間が短いことがわかっています。
診断には合致する臨床症状、血液検査、尿検査、画像診断、ホルモン検査などの各種検査を用いて行いますが、疑うべきものがない状態で検査を実施すれば過剰診断になってしまう可能性があるため検査の実施奨励には注意が必要です。
内分泌疾患は治療を始めると基本的に生涯続けなければいけないものが多いので、診断や検査をしっかり見極め必要な治療を実施する必要があることを再認識しました。
これからの診断治療に活かしていくべきことをたくさん聞かせていただいたので、実践していきたいと思います!