予防医療のお話 ~ノミダニ編~
2020年03月02日
こんにちは、獣医師の黒河内です!
ここのところ少しずつ気候が暖かくなり、春が近くなるのを感じる今日この頃です。
しかし花粉もバリバリ飛び交ってますね。くしゃみが止まりません。困っちゃう。
先日の休みの日も暖かく良い天気だったので、折角なんで少し外出してみようかと思いまして、
ただ特別行きたいところもないしどうしようかなぁと思ってまして、
とりあえず海、行って来ました。
スカイツリー、見えました。
条件が良ければ富士山も見えるそうなのですが、今回は雲が霞んでいて見えませんでした。無念。
あと船の往来が多かったです。
更には日没前だったので流石に寒かったです。
そんな休日でした。はい。
さて、春といえば予防シーズン。
狂犬病予防接種や混合ワクチン、フィラリア予防のため、多くの方々が来院される時期となります。
当院では予防医療として、
①ノミ・ダニ予防
②フィラリア予防
③狂犬病予防接種
④混合ワクチン
⑤寄生虫定期駆虫
⑥避妊・去勢手術
の実施を推奨しております。
何かと覚えることが多くて難しい予防医療ですが、少しでも皆様の理解の一助になるようなお話を
今後ブログ記事を通してできたらなぁと考えております。
ということで、今回は①ノミ・ダニ予防のお話を。
〇ノミ・ダニとは?
ノミやダニは外部寄生虫と呼ばれ、体表や皮膚の表層に寄生する節足動物です。
ノミはジャンプによって動物に飛び移ることで感染し、吸血を行います。
吸血による痒み、唾液によるアレルギー性皮膚炎などの皮膚症状を引き起こすほか、
瓜実条虫という腸管内寄生虫を媒介します。
ダニは植物の葉裏に潜伏していることが多く、動物の体温や二酸化炭素を感知して感染、吸血を行います。
体表に寄生するもの(マダニetc)、皮膚内部に寄生するもの(ヒゼンダニ、ニキビダニetc)などが存在し、
種類によって感染部位や症状が多少異なります。
ノミ同様痒みやアレルギー性皮膚炎を引き起こすほか、ライム病、野兎病、SFTSなど、
ヒトにも感染しうる様々な感染症を媒介します。
〇どこにいる?
ノミの生息地としては山や公園の草むらですが、繁殖力や移動性が非常に高いため、
服や体に着いたノミを家に持ち帰ってしまった場合に家で繁殖・定着してしまうこともあります。
動物の体表に寄生する期間は成虫の時のみで、卵・幼虫・蛹として過ごす時間の大半は周辺の環境内に生息しています。
マダニの場合は生息地はノミと同じく草むらで、前述の通り葉の裏に隠れて動物が接近するのを待ち構えています。
寄生後は数日間かけて吸血し、十分吸血すると身体から落下します。
ノミとは異なり幼虫から成虫まで大きく姿は変わらず、蛹にならないまま成長していきます。
ヒゼンダニなどの皮膚内部に感染するタイプのものは接触による感染とされ、元々感染している子と接触することで
広がるといわれています。猫で問題となることが多く、多頭飼いや外に出ることがある場合は注意が必要です。
ニキビダニは生来持っていることが多く本来はあまり問題にならないのですが、免疫力の低下や皮膚環境の悪化などにより
異常繁殖することで皮膚病として発症すると考えられています。
〇予防は?
月に1回の薬剤投与が主流となり、大きく分けて
・身体に垂らすスポットタイプのもの
・おやつ・錠剤タイプで経口投与するもの
の2種類があります。
製品によってフィラリア・腸内寄生虫駆虫を兼ねたものや3ヶ月に1回の投与で済むものなど、様々なものがあります。
本人の好みや投薬の続けやすさ、それぞれの予防との兼ね合いなどで様々な投薬の組み合わせパターンがありますので、
ご不明な点がございましたらご遠慮なくご相談いただければ幸いです。
ということで、ノミダニ予防のお話でした。
予防医療でお悩みの方にとって少しでも助けになれば幸いです。
これからどんどん暖かくなり、花粉の散布量もどんどん増えていく時期になりますが、
皆さん花粉に負けずに頑張りましょう!
僕も鼻づまりで心折れないように頑張ります!!!