安全な場所🐶
2023年02月26日
こんにちは、獣医師のあさぬまです。
そろそろ2月も終わりに近づいてきて、暖かい日も増えてきましたね。
桜の開花予想が始まり、春本番がもうすぐそこです🌸
さて、今回は『狂犬病』の話をしようと思います。
狂犬病予防接種は年1回の接種が義務づけられていますが、年度の切り替えは3月2日からです!
もうすぐ年度切り替えということで、今一度狂犬病についてご説明します。
まず、狂犬病はラブドウイルスと呼ばれるウイルス感染によって引き起こされる感染症です。
銃弾型と言われる変わった形をしているウイルスで、名前の由来にもなっています。
狂犬病ウイルスは、ウイルスを保有する動物にかまれたり、なめられたりすることで
唾液に含まれるウイルスが体内に入ると感染します。
犬の場合の潜伏期間は数週間程度です。
全ての哺乳類に感染する病気ですが、感染経路になりやすい動物は犬や猫で、
ほかにもキツネやコウモリなどが感染源になることがありますが、いずれにしても人と近い距離にいる動物が感染源になることが多いようです。
アジア圏では狂犬病の発生が多いとされています。
しかし、日本は世界でも数少ない現在狂犬病が発生していない国です。
他には、イギリスやニュージーランドなど世界でもごく少数の島国は清浄地域とされています。
つまり、日本から動物を連れて行こうと思った場合は、比較的簡単に出国できますが、
いざ海外から入国しようと思うと、様々な検査を受ける必要があるため、
事前に確認しておく必要があります。
実際、感染し発症した場合の死亡率はほぼ100%という恐ろしい病気です。
人では、流行地に渡航する際にはワクチン接種が推奨されています。
また、万が一狂犬病ウイルスを保有する可能性のある動物にかまれた場合でも、
すぐにワクチン接種を行うことで発症を防ぐことができる。という珍しい特徴を持っています。
とはいえ、海外では不用意に犬やその他の動物に近づかないことが一番の予防になります!
日本が特別に安全な場所であると改めて認識させられますね…。
日本での狂犬病ウイルス感染リスクは限りなく低いかもしれません。
しかし、世界ではまだまだ年間6万人近い人が亡くなる怖い感染症です。
今後もこの安全を守っていけるように、予防接種はきちんと受けてください✨
ただし、病気治療中の子や、接種に不安がある場合は、きちんと獣医師に相談していただければと思います🐶
写真は、先日飛行機の上から撮影した写真です。
最近研修などで飛行機に乗ることが増えつつあります。
広い世界には色々な考え方や、常識があって、今の環境が決して当たり前ではないと感じます。
飼い主様や、動物の不安が解消できるように、何事も相談できる
心理的安全性の高い病院をスタッフ一同目指していきたいと思います!!