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感染性胃腸炎🏥

2025年03月26日

こんにちは、獣医師のあさぬまです。

先日雹と雪が降りましたね⛄

季節外れの天気にびっくりしましたが、最近は温かくなってきて気持ちがいいですね!

 

さて、今回は感染性胃腸炎についてお話ししようと思います。

最近、人の方で感染性胃腸炎が流行しているようです…。

皆さんは大丈夫ですか?

 

犬や猫でも、突然の下痢や嘔吐を起こすことがあります。

私たちは動物の下痢や嘔吐に遭遇した時に、いくつかのグループに分けて考えることが多いです。

一つ目は急性か慢性か?

二つ目は小腸性か大腸性か?

 

急性か慢性かの区分は2~3週間です。

2~3週間以内に始まった下痢や嘔吐は急性のもので、原因が一過性のものが多いのが特徴です。

症状が軽ければ、下痢止めや整腸剤などの対症療法で自然に治ることが多いです。

一方で、2~3週間以上の下痢は慢性的なもので、体に大きな問題が潜んでいることが多いです。

慢性的なものは命にかかわる原因や、自然治癒しないものが多いので、

血液検査やエコー検査などを実施する必要があります。

 

また、小腸性か大腸性かの区別はいくつか特徴があります。

・小腸性

下痢の回数は少なく、大量の便をたくさんする。

嘔吐を伴うことがある。

食欲の低下を認めることがある。

便に出血がおこった場合は、黒色になることが多い。

・大腸性

下痢の回数は多く、頻回。

嘔吐を伴うことは少ない。

食欲低下は起こりにくい。

便に出血が起こる場合は、鮮血便になることが多い。

粘液便がつくこともある。

 

急性か、慢性か、小腸性か大腸性かの合計4パターンで原因となる病気を考えていきます。

犬や猫でも感染性胃腸炎になる子はいますが、

感染性胃腸炎は一般的に急性の小腸性あるいは大腸性下痢になることが多いとされています。

 

犬や猫の感染性胃腸炎は、『感染』と名前がついていますが、

抗菌薬を使用しなくても改善することが知られています。

むしろ、食事を変更したり、消化性の高いフードに切り替えることで、より早期に治ることが知られています。

そのため、抗菌薬投与は行わないことが推奨されています。

また、犬猫では感染性の証明が難しく、ウイルス、寄生虫、原虫感染以外の細菌性胃腸炎(食中毒なども含む)はほとんど証明されません。

ただ、同居の子が次々下痢になったりすることもあるので、

念のため、同居の子が下痢をしている場合は、排泄物を早く片付けるなどの工夫をしてみてくださいね!

 

春は下痢が少し増える季節なので、

気を付けつつ、何かあればご連絡ください!

また、慢性的な下痢や嘔吐でお悩みのことがあれば、当院は内視鏡もあるので、ぜひご相談くださいね✨

 

写真は病院の駐車場で見つけた咲🌸です。

たいぶ春のめいてきましたね✨