再生医療

KC療法

血液中のわずかなナチュラル・キラー細胞(NK細胞)を2週間ほどかけて培養、増殖し、体内に戻す治療法です。
NK細胞はリンパ球に含まれる免疫細胞の一種で、文字通り生まれつき(ナチュラル)外敵を殺傷する(キラー)能力を備えています。NK細胞は全身をパトロールしながらがん細胞やウイルス感染細胞を発見すると真っ先に単独で攻撃を仕掛けます。T細胞、B細胞といった他の免疫細胞もがん細胞などに対して攻撃を仕掛けるのですが、他の免疫細胞からの攻撃指令がないと動けません。このため、試験管内の研究ではこれまでの活性化リンパ球よりも強い抗腫瘍効果があることが確認されています。

なお、KC治療単独では腫瘍を縮小させる効果が小さいため、他の治療法との併用で効果を発揮します。

KC療法で期待される効果

1. 生活の質(QOL(クオリティーオブライフ))の向上

ガンが進行すると痛みや貧血などペットにとって辛い自覚症状が伴いますが、免疫療法にはこうした苦痛を和らげる作用があります。ガンが体内に残っている状態でもペットの食欲の向上、体重の増加が期待できます。

2. 副作用がほとんどない

免疫療法全般に言える事ですが、ペット自身の細胞を使うため拒絶反応などの重篤な副作用の心配がほとんどありません。

3. 延命効果が見られる

免疫療法を行なっているペットの中には末期ガンと呼ばれる段階の子もいます。なかには体がよわりきっていたり、ガンの転移が広範囲に及んでいたりして、外科治療、放射線治療などの選択ができない子もいます。抗ガン剤などで身体を痛めつけるのではなく、なるべくガンを大きくしない事に主観をおいた治療法になります。

4. 活性化リンパ球療法よりも抗がん作用が期待できる

NK細胞は他の免疫細胞と異なり、単独でガンを攻撃することが知られています。試験管内の研究ではこれまでの活性化リンパ球療法よりも強い抗腫瘍効果があることが確認されています。

活性化リンパ球療法

体には自己を守る防御機構が備わっています。これは免疫機構と呼ばれ、体内にできたがん細胞や体の中に侵入した細菌やウイルスを攻撃をして排除する為に働いています。腫瘍に対する従来の治療法は手術による切除や放射線療法、化学療法(抗がん剤)が3大治療と呼ばれていましたが、近年はこれとは別に自分の体に生まれつき備わっている免疫の力を利用したり、免疫の力を強めたりすることで癌の発症や進展を抑えようとすることが試みられています。これが免疫療法呼ばれているものです。
当院で行っている活性化リンパ球療法は本人の血液(10~12cc)から血中に存在しているリンパ球という免疫細胞を大量に増殖させてから血液中に戻す治療法です。
リンパ球を大量に戻す事で体の免疫機構を刺激し、抗腫瘍効果を発揮します。

活性化リンパ球療法

活性化リンパ球療法の4つの特徴

活性化リンパ球療法は、大きく4つの特徴があります。

1. 副作用がほとんどない

自らのリンパ球を増殖して投与するので、拒絶反応などの副作用の心配がほとんどありません。なのでどのような段階のがんであっても、また体の衰弱が激しくても長期にわたって安心して使うことができます。

2. 延命効果が見られる

抗がん剤などで体を痛みつけるのではなく、なるべくがんを大きくしないことに主眼をおいた治療法になります。

3. QOLが上がる

ガンが進行すると痛みや貧血など、患者さんにとって大変つらい自覚症状が現れますが、免疫療法にはこうした苦痛をやわらげる作用があります。

4. 他の療法との相乗効果が期待できる

手術後の再発予防のみならず、他の治療方法との併用による相乗効果が期待できます。
化学療法、放射線療法、さらには漢方療法、温熱療法などの様々な治療法との併用で効果を上げている症例があります。他の療法による副作用の軽減といった効果も期待できます。

※活性化リンパ球療法は「T リンパ球」というグループの細胞を増殖・活性化して行う治療法なので、治療適応外となる病気があります。

脂肪幹細胞を用いた再生医療

体は小さな細胞が何十兆も集まって出来ています。その細胞により脳、心臓、腎臓などの臓器や器官が構成されています。脳には脳細胞、心臓には心筋細胞といったようにそれぞれの臓器や器官に特有な細胞が存在しています。
脂肪幹細胞は皮下脂肪中に存在している幹細胞で、当院ではこの脂肪幹細胞を採取(麻酔が必要になります)、増殖させて体内に戻す治療を行っています。
この治療法は以下の様々な病気に効果を発揮します。

脊髄損傷

椎間板ヘルニアや交通事故などが原因で脊髄に損傷が起き四肢の麻痺が起きた場合、この治療により幹細胞が神経細胞に文化することで麻痺の改善が期待出来る。

骨折の癒合不全

未処置、再骨折などの理由で骨折が治らない場合、この治療により幹細胞が骨細胞や血管の細胞に文化し骨を修復し、骨折の治癒が期待出来る。

関節炎

関節炎が重症になると関節軟骨が減少して骨同士がこすれ炎症が起こり痛がるようになります。この場合、幹細胞が軟骨や骨膜に分化する事で炎症が治まり、痛みの改善が期待出来ます。

脂肪幹細胞を用いた再生医療

幹細胞療法について

皮下脂肪を採取し、脂肪幹細胞を培養し静脈点滴又は注射にて体内に投与します。投与した幹細胞はサイトカイン(※)を分泌し、様々な働きをします。
(※)体内で作られる薬のようなもので免疫バランスの調整を行ったり、炎症を抑えたり、組織修復(血管新生の促進)などを行います。