オゾン療法

動物におけるオゾン療法

小動物におけるオゾン療法はまだ始まったばかりですが、国内の動物病院でも多くの動物にオゾン療法が実施され、その有用性が示されています。
注腸法(肛門からオゾンガスを注入)で行うことが多く、全く痛みや不快感が無いのが特徴です。この他関節炎などの痛みには皮下注射、皮膚疾患にはオースリー油の利用、膿瘍の洗浄にはオゾン水の利用、オゾン自家血液療法等で免疫調整を引き出し、動物自身の自己治癒する力を引き出す治療方法です。したがって、副作用が極めて少ない治療法です。
特に免疫力の低下している高齢のワンちゃんネコちゃんにはお薦めの治療です。オゾン療法を受けた飼い主様からは、「なぜだか元気になる!」という評価を多く頂きます。
また、アレルギー疾患などで「ステロイドを避けたい」あるいは「ステロイドの量を減らしたい」場合などにも一度お試しすることをお薦めします。

オゾン療法の主な適応

① 免疫細胞活性化作用

ガン細胞の抑制、抗ガン治療の副作用の軽減

② 抗アレルギー作用

アレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息などの緩和

③ 消炎鎮痛作用

筋肉、神経、関節などの痛みの軽減

④ 創傷治癒の促進

皮膚炎、褥瘡などの改善

⑤ アンチエイジング

血行改善作用

オゾン療法の推奨される疾患

皮膚疾患、老齢性疾患、腫瘍、外耳炎、疼痛を伴う運動機能疾患(関節炎、椎間板ヘルニアなど)、各種感染症、アレルギー疾患、自己免疫性疾患など

他の治療との併用療法、またはオゾン単独療法の選択は、動物の症状や病気の種類によって異なります。また、オゾン療法は万能ではなく、著明な効果が現れる場合や効果が不明瞭な場合もあることを理解してください。少なくとも動物のQOL(生活の質)を高めるために有効だと考えています。

オゾン療法の注意点

① オゾンガスを吸引しない事
② 甲状腺機能亢進症の動物には使用しない事

オゾン療法で用いる機械

オゾン療法では、下記の機械で生成されるオゾンガスを注射器に入れ、それをお尻から注入します(注腸法)。安全性が高く、痛みも発生しないため動物に負担が少ない治療法です。その子の体重にあわせたオゾンガスを注入します。処置の時間は2〜3分です。

オゾン療法で用いる機械