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ワクチンについて

2024年04月23日

こんばんは、Dr.スゴウです。4月に入り狂犬病の予防や混合ワクチン接種で来院される方が増えてきたのでワクチンについて少しお話しします。
まずはワクチンの歴史について。
ご存知の方もいるかと思いますが、ワクチンはイギリスの医師エドワードジェンナーが天然痘に対するワクチン接種を行ったことが始まりです。

天然痘は死亡率が高く、恐れられていました。ただ天然痘に一度かかると二度とかからないということが知られていました。
また天然痘よりはるかに死亡率がひくい牛痘(乳牛から乳搾りを行う人にうつり手に痘疱ができる)にかかった人は天然痘には罹りにくいことも知られていました。
このことに着目したジェンナーは牛痘患者の疱疹の漿液を傷口に塗る牛痘種痘法を確立しました。
その後、雑菌の混入や他の感染症の伝播、継代による効力低下などの問題に対して改良が重ねられつつ世界中に広まり、1980年にはWHOが天然痘の世界根絶宣言をするに至ります。
19世紀後半、ルイ・パスツールが病原体を動物の体で継代して人工的に弱毒化させる弱毒生ワクチンを開発しました。その後、病原体を無毒化する、より安全な不活化ワクチンがイギリスで開発され、20世紀には孵化鶏卵培養法や細胞培養法、遺伝子組み換え法といった様々なワクチンの製造法が考案されました。

次にワクチンの目的についてです。
大きく分けて2つの意味があります。
1つはワクチンを接種することでその個体が病気にかからなくなり、健康な生活を送れるようにすることです。
2つめはより重要な集団免疫を獲得するという目的です。
 集団内の動物の免疫が70%(10頭のうち7頭)以上になるとその病気は流行しないという法則があります(シャルル・ニコルの法則)
この法則に従い、ワクチンの接種率を上げることでその病気に罹る個体を減らし病気の根絶に近づくことができます。

現在は以上の理由からさまざまなワクチンの接種が行われています。

先日伊豆に出かけてきました。渋滞がひどくゆっくりは出来なかったですが天気に恵まれ楽しい旅でした。