シニアケア講座
2025年11月16日
こんにちは😌トリマーの猿田です🐒
先日、シニアケア講座を受講しました。
内容は、
1.老化に伴う心身の変化
2.高齢犬、猫の問題行動
3.犬と猫の認知症(認知機能不全症候群)
4.行動変化へのアプローチ方法
老化に伴い、動物たちはどんな心身の変化があるのか、またそれによってどのような問題行動が起こるのか、そして私たちはどのように向き合いアプローチをしたら良いのかを学びました。
1.老化に伴う心身の変化
高齢動物の行動の特徴として挙げられるものには
・呼んでも反応しなくなる
・寝てばかりいる
・怒りっぽくなる
・頑固になる
・すぐに不安になる
・できていたことができなくなる
このようなことが挙げられます。
高齢動物と暮らしたことのある方は、だれもが感じたことのある行動なのではないでしょうか。
高齢になると、足腰が弱くなり思うように歩けなかったり、足を上げて排尿をしたいけれど体勢が整わなかったり、、
動物たちも心と体が一致せず、イライラしたりストレスを感じたりすることも多くなります。
また、目が見えづらくなったり耳が遠くなったりすることによって、不安を感じることも増えてくるため、上記のような行動が見られると考えられます。
2.高齢犬、猫の問題行動
1で挙がった行動の変化により起こる問題行動についてです。
問題行動は、動物たちの心身の変化と生活環境や私たち人の関わり方のミスマッチにより起こると考えられています。
問題行動として挙げられるものには
・家族への攻撃
・同居犬への攻撃
・吠え
・分離不安
などなど…他にもたくさんありますが、多いのは上記のようなことが挙げられます。
3.犬と猫の認知症
問題行動を把握した上で、アプローチ方法を考える前に認知症についても理解することが大切です。
認知症(認知機能不全症候群)の症候として、
・見当識障害
→今いる場所がわからなくなる。物と物の隙間に挟まって出られなくなるなど。
・周囲との関わり方の変化
→飼い主への反応の低下、またはあいさつ行動の増加
・睡眠サイクルの変化
→夜鳴き
・学習行動の変化
→排泄の失敗、できていたしつけができなくなる
・活動の変化
→目的なく、なんとなく歩き続ける
・不安
→落ち着きがなくなる、不安なことが多くなる、トリミングができなくなる
以上のようなことが挙げられます。
4.行動変化へのアプローチ
では、心身の変化を感じ始めた高齢動物たちと快適な日常をおくるために、私たちはどのようなアプローチをしたら良いのでしょうか😌
①身体疾患の識別
高齢になると、やはり身体疾患も増えてきます。
認知症による問題行動だと思っていたことが、じつは身体疾患のサインなんてだった…
こともあるそうです。
たとえば、
認知症による夜鳴きだと思われていた高齢犬。
動物病院を受診するとひどい外耳炎になっており、耳の痒みがあったが思うように四肢を動かすことができず、夜鳴きにつながっていた。
そして外耳炎の治療により、夜鳴きが解決した。という症例もあったそうです。
日々のケアと、定期的な健康診断(12歳以上の高齢犬の場合は年に2回ほど)で、身体疾患がないかこまめにチェックしてあげることが大切です。
②環境や接し方の見直し
〈環境の見直し〉
⭐︎歩行補助
パネルマットで床を滑らないよう工夫したり、滑り止め用の靴下、肉球や爪に直接装着する滑り止め道具など…
高齢犬向けの便利なグッズを使うと、滑ることでの恐怖や不安をケアしてあげることができます😌
⭐︎空間の整備
行動範囲を囲ってあげたり、逆に家具など行って欲しくない場所を柵で囲ったりすることも良いでしょう。
行動範囲を制限するのはストレスになるのではないかと心配になる方もいらっしゃるかもしれませんが、
サークルのような狭いものではなく、百均に売っているような網状の柵を結束バンドなどを使うと好きなように繋ぎ合わせ、広い空間を囲うこともできます😊
そのままでは足を挟んでしまう危険性があるため、タオルなどで角や隙間をふさいであげると安全な空間を作ることができます!
行動範囲が広く、段差やぶつかるものが多い空間だと、逆に不安を感じさせてしまうことも考えられるそうです。
⭐︎トイレの工夫
トイレの位置を寝床から近い位置にしてあげたり、数を増やすことも良いとされています。
猫ちゃんであれば、こちらも百均に売っているような浅いトレーをトイレ代わりにし、入りやすくしてあげることも良いでしょう。
また、自分で動くことが難しい場合はこまめにトイレに連れて行き、排泄を促してあげるのもひとつです😌
⭐︎食事
フード皿は、角があるものだと舐めとりにくいことがあるため、
底が丸くなっているものに変えてあげると食べやすくなります😊
〈接し方の見直し〉
動物たちは、私たち人間の表情をよく見ています😌
ちょっとした感情の変化で匂いが変わり、それを察知するなんていう話も聞いたことがあります。
ですから、大切なのは”笑顔で”😊そしてたくさん声をかけてあげること✨
足を触るときは、触るよ😌と一声かけてから触れてあげたり、パパだよ✨ママだよ✨などと、どんなに細かなことでもたくさん声をかけてあげるだけで、
たとえ耳が遠かったとしても動物たちは感じとり、安心してくれるのではないかと思います😌✨
長々と書いてしまいましたが、まとめると、
・高齢犬、猫の心身の変化を理解する
・認知症について理解する
・問題だと感じる行動について、私たち人間が考え方や環境、接し方を見直しアプローチする
ということが大切になってきます。
今回、このような内容の講義を受け、
当院のトリミングでも10才以上のシニア犬や15才以上のハイシニア犬の子たちがたくさんいるので、
私自身の向き合い方、そしてご家族がペットたちとより幸せな暮らしができるようアドバイスやサポートに役立てていきたいと強く感じました✨
ここに書ききれていないこともたくさん学んだので、どんなに些細なことでも、なにかお困りのことがあればぜひご相談いただけたら嬉しいです😌🙏