セミナー参加報告

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CTセミナー

2025年06月27日

こんにちは、獣医師のサクマです。
先日、院内でCTセミナーを受講しました。今回のテーマは肝胆道系(肝臓・胆嚢・胆管)に関する読影です。

<肝臓>
肝臓は、門脈から約70%の血流を受けており、CTでは動脈相・門脈相・平衡相のいずれか、または組み合わせで評価します。
;評価項目
・腫瘤性病変の有無と数・局在
・内部構造(均一性)
・造影パターン(遅延性造影など)

びまん性であれば脂肪肝、肝炎、肝硬変、リンパ腫を疑います。

<胆嚢>
胆嚢は大きさ・内部構造・壁の厚みを主に評価し、以下のような疾患を疑います。

・胆泥(内部に高吸収の沈殿物)
・胆嚢粘液嚢腫(腫大)
・胆嚢炎(壁肥厚、周囲脂肪の変化)

<胆管>
総胆管(CBD)は肝門部から胃幽門〜十二指腸へ続く管腔構造でCTでは視認が難しいことが多いです。胆管閉塞や炎症がある場合ははっきり描出されることもあります。

胆嚢・胆管においてはCTより超音波検査の方が明瞭に描出できます。

今回のセミナーでは、肝臓・胆嚢・胆管の正常像と異常像を明確に理解する重要性を改めて実感しました。CTは全体像の把握に優れる一方、造影タイミングの違いや構造的な変化を意識して見ていくことが大事だと感じました。