整形セミナー〜前十字靭帯断裂〜
2023年04月08日
こんにちは、獣医師の江木です!
昨日整形セミナーを受講しました。
テーマは前十字靱帯断裂についてでした。
人ではサッカー選手などスポーツ中の発生が多い障害で、聞いたことがある方もいるかもしれません。
犬では、外傷による直接的な原因の他、肥満や加齢による靭帯変性、筋力低下などが間接的な原因となって発症します。
前十字靭帯は膝が前方へ移動するのを制御している靭帯なので、これが切れると膝が通常より前方へ移動し、関節が不安定になるため跛行がみられます。
今回のセミナーではレントゲン検査で前十字靭帯断裂診断時にチェックすべきポイントを学びました。
確認すべきポイントは、
・関節液が関節包内に貯留することで関節包外にある脂肪が押し出され認められる像(fat pad sign)
・骨棘形成
・脛骨前方変位
で、これにより前十字靭帯断裂を強く疑うことができます。
しかし、腫瘍や膝蓋骨脱臼、免疫介在性関節炎、感染性関節炎などでもこれらのレントゲン所見がみられることがあり診断には注意が必要です。
整形疾患の診断時には、整形疾患以外の疾患の除外と、年齢・犬種・性別、経過、視診、触診がとても大切なので、これからもレントゲン検査所見ばかりに注目しすぎないよう気をつけていきたいと思います。