エキゾセミナー🐢②
2023年12月25日
こんにちは、獣医師のあさぬまです。
年の瀬ですね。
2023年も早いもので、あっという間に終わってしまいそうです💦
先日、院内で開催されたエキゾチック動物のセミナーに参加しました。
今回のテーマは、前回に引き続き「カメ」です。
前回の話から進んで、今回はカメの雌雄と、生活を学びました。
まずはカメの雌雄判別から。
カメの雌雄判別の最初のステップはサイズです。
基本的には、カメはオスが小さく、メスが大きいという特徴があります。
メスは卵を産む必要があるので、体格が大きいようです。
他には、尻尾のサイズで判断可能です。メスは短い尻尾ですが、オスは大きく長い尻尾を持ちます。
時として甲羅に入りきらず、横向きに収納する様子が見られます。
最後に爪です。
特にミシシッピアカミミガメに特徴ですが、オスは爪を使った求愛ダンスを行うので、
長い爪をしています。
家で飼育するために長い爪は邪魔になるかもしれませんが、爪切りはカメにとって魅力を半減させる行為なのかもしれません💦
そして、飼育環境です。
まず前提として、カメは外気温動物(以前は変温動物と言われていました)です。
つまり外気温に自分の体温が左右されます。
動物の体には様々な酵素があり、新陳代謝や生命活動に役立っています。
酵素などの物質には、ある特定の温度域で活性が最大になる。という特徴があります。
そのため、カメも自分の体温をしっかり適温にしないと、暑すぎても寒すぎても十分に活動できません。
丁度いい体温のことを、至適体温といいますが、それを作り出すために最良の外気温を至適環境温度範囲といいます。
カメを自宅で飼育するためには、その至適環境温度範囲を作り出す必要があります。
そのため、ミズガメでも、リクガメでも、
①ホットスポット:体温をあげるための場所(自然界では日なた)
が必要です。
また、甲羅の発育には紫外線が欠かせません。そのため
②紫外線ライト
も必要です。
基本的には、①、②は別々に必要ですが、一つのライトで二つの機能を併せ持つライトもあります。
また、飼育環境の中に温度勾配が必要なので、全面に①のライトが当たるようでは、暑くなりすぎてしまいます。
一部に①を当て、それ以外の場所には、水をいれる(ミズガメ)、シェルターを作る(リクガメ)ことが必要です。
他にも必要なものはいくつかありますが、長くなりそうなので、ここで区切りにしたいと思います。
カメはとても長寿な動物ですが、
生活環境のトラブルによって寿命がとても短くなることが多いです。
代謝が遅いため、一度病気になるとなかなか治らないという問題もあります。
当院では、月に一度エキゾチック動物専門外来を設けております。
カメなど専門性の高い動物の診療も受け付けておりますので、ご心配な場合は、お電話でご連絡をお待ちしております。