こんにちは、獣医師のあさぬまです。
早いものでもうすぐ2024年も終わりですね。
今年は年男でしたが、龍のように飛躍できたか悩む一年でした💦
ですが、終わりよければすべてよし!皆さんもやり残したことはないですか?
2024年のことは年内に丸っとおいてこられるように、私もあと数週間より一層頑張ります!!
そんな年の瀬ですが、大阪で行われた獣医循環器学会に参加してきました。
今回はコロナ禍以降、初の地方開催✨
全国から多くの先生方が大阪に訪れました。
今回は久しぶりに学会で発表をさせていただきました。
また初めて、座長の大役をいただき、両方とも無事に終えることができました。
ひとえに、ご指導いただいた先生や、快く学会に送り出してくれるスタッフあってこそですね!
循環器学会はほかの学会のように毎回テーマが決まっているわけではないので、さまざまな情報が集まります。
しかしそんな今回の学会でも、目玉だったトピックは『僧帽弁閉鎖不全症』です。
『僧帽弁閉鎖不全症』は、小型の高齢犬で非常に一般的な病気で、
このブログを読んでくださっている方の中にも、愛犬が『僧帽弁閉鎖不全症』と診断され、治療を受けられているかたもいると思います。
報告にもよりますが、小型犬の約2頭に1頭、チワワでは、約5頭に4頭が診断される病気です。
一般的には内科治療を選択されることが多く、ステージ(病期)により治療法が国際的なガイドラインで決まっています。
ただし、もちろん病状は十人十色ですので、決まった治療で安定している子もいれば、
標準的な治療では進行を食い止められない子がいることも事実です。
『僧帽弁閉鎖不全症』は僧帽弁という弁が粘液水腫様に変性することで生じることが一般的です。
『粘液水腫様』???
と思われるかもしれませんが、簡単にいうと、弁(やその周囲組織)がボコボコ、水膨れのように変化してしまう。
ということです。
弁の形態的(形そのもの)な異常による病気なので、根本的な治療は内科療法ではなく、外科手術です。
日本では幸い、複数の素晴らしい施設が、僧帽弁閉鎖不全症に対する手術を実施してくれています。
これは世界的にみても非常に幸運なことで、ここまで精度の高い手術ができる国は日本以外にほとんど存在しません。
ただし、各施設である程度独自の方法で手術をしているので、毎回学会でも、どの手術方法がより優れているのか、
議論が重ねられています。
今回の学会では、そんな僧帽弁閉鎖不全症の手術を第一線で行っている先生方が一堂に会して、
お互いの方法のいいとこどりをしようとする試みが持たれました。そんな試みをオープンな場で行い、
広く知ることができたことは、内科治療しかできない一次診療の獣医師にとっても非常に有意義なものとなりました。
「自分が行わないことは知らない」という状態では、多様化する飼い主様のニーズにうまく答えることができません。
こういった内容を知ることで、より適した患者様を、より適したタイミングでご紹介ができるようになります!!
もう一つ、新しい情報として、
今、『僧帽弁閉鎖不全症』で使用されることが最も多い薬剤についてです。
今まで錠剤しかなかったですが、なんと液剤(シロップ剤)が発売されるようです。
前々から話はあったのですが、開発途中とのことで、限られた先生にしか知らされていなかった情報でした。
それがいよいよ来年に発売になるとのことでした。
投薬が難しいわんちゃんの手助けになればいいですね✨
特別に発売前にサンプルをいただけるかもしれない!
というお話もいただきましたので、またご紹介できる機会があれば、ぜひ知っていただければと思います。
会場の近くの御堂筋はきれいにライトアップされていました🎄
印西の千葉ニュータウン中央駅の駅前もきれいにライトアップされていますよね🌟
時には寒いなか出歩いてみるのもいいな。と思いました。