セミナー参加報告

seminar

整形外科セミナー

2025年06月15日

こんにちは、獣医師の田口です。
先日整形外科セミナーに参加しました。
今回のテーマは、関節鏡による膝関節へのアプローチでした。
犬の前十字靭帯断裂という疾患では、膝の中にある前十字靱帯という靭帯が切れることで痛みや歩行困難などの症状が出ます。
前十字靭帯の断裂は完全断裂の他に、一部の靭帯繊維のみが断裂した部分断裂という状態があります。
この部分断裂の状態では前十字靭帯断裂の指標となる「ドロワーサイン」というものが検出しづらいことがあります。
しかし、関節鏡という関節内を見るための内視鏡を使用することで、前十字靭帯の部分断裂を早期に発見出来る可能性が高まります。
前十字靭帯断裂を起こした場合8割くらいの症例で半月板という膝のクッションを損傷し、この半月板の損傷が膝の痛みに直結します。
関節鏡の使用はこの半月板の損傷具合も観察することが可能なため、膝関節疾患の診断にはとても有効的な器具です。
前十字靭帯断裂の症状は以下の通りです。
・突然の跛行(びっこを引くこと)
・膝の痛み
・関節の腫れ
・膝を動かした時にポキッと音がする(クリック音)
膝関節の疾患では前十字靭帯断裂に似た症状を示す疾患も多いです。このような症状が見られた場合は当院スタッフまでご相談ください。