CTセミナー
2025年09月28日
こんにちは、獣医師のサクマです。
先日、院内でCTセミナーを受講しました。今回のテーマは泌尿器に関する読影でした。
<腎臓>
腎臓の造影は皮質相(30〜80秒)、腎実質相(90〜130秒)、排泄相(3〜5分)で評価することもでき、腎動静脈の評価・腫瘍の血流評価・腎盂伸展の評価をします。腎機能が落ちていると実質相・排泄相でも造影増強が低下します。
腎嚢胞性腫瘤はBosniak分類に従って評価しました。単純な嚢胞(Bosniak分類:Ⅰ)であればCT値は20HU以下であり、境界明瞭・辺縁平滑・造影増強がないという特徴があります。
<尿管>
尿管は走行を追うことの難しい臓器です。拡張していれば確認することは容易になりますが、遠位に閉塞物があることを示唆します。CT値によって閉塞物を推測することができ、結石・腫瘍・血塊の分類を行います。さらに、結石はCT値で成分まで予測することが可能です。
<膀胱>
CTよりエコー・膀胱鏡が有用であり、膀胱頚部の観察に有用です。撮影時、膀胱を膨らませておくことによって粘膜面の評価がより正確になります。
腎臓や尿管は日常診療でCTを撮影する機会が多く、今回のセミナーで学んだ知識は非常に実践的であると感じました。さらに理解を深め、今後の診療に活かしていきたいと思います。