セミナー参加報告

seminar

JBVP

2025年09月30日

こんにちは獣医師の田口です!
先日、日本臨床獣医学フォーラム(JBVP)の年次大会に2日間参加させて頂きましたので、特に興味深かった講義を深掘りしてセミナー報告をさせて頂きます。
【1日目】
泌尿器疾患への抗菌薬使用についてのセミナーです。
泌尿器への抗菌薬使用で重要なポイントは以下の3つです
①尿路に移行しやすい抗菌薬か?・・・尿路排泄されやすい抗菌薬を使用することでより効果的に尿路に抗菌薬を作用させることができます。
②副作用は許容できるか?・・・抗菌薬によっては腎臓や肝臓に負担をかけるものも存在します。腎機能や肝機能が低下した動物にはこのような抗菌薬の使用は避けます。
③抗菌スペクトルは適切か?・・・抗菌スペクトルが広ければそれだけ効果範囲も広いですが、不用意な広域スペクトル抗菌薬の使用は耐性菌を出現させるため注意が必要です。

【2日目】
呼吸器臨床徴候についてのセミナーです。
①呼気時の頬部拡張・・・主に鼻腔閉塞により口から空気が漏れ出る。重度閉塞の場合、咽頭周囲も拡張して頸が膨らんで見える
②スターター・・・口を閉じて「スースー/ブーブー」鳴る。主に外鼻孔や鼻腔が狭窄することで鼻咽頭が狭窄する際に生じる音
③逆くしゃみ・・・鼻咽頭に刺激が加わった際に生じる反射のこと。若齢では鼻咽頭の刺激感度が増加するため生理的に起きやすい。鼻咽頭内異物などでも生じる。
④ストライダー・・・口を開けて吸気時にガーガー。軟口蓋過長・喉頭虚脱、気管虚脱、喉頭麻痺など喉頭〜気管にかけて異常が生じると発生する。
⑤嗄声・・・かすれた声のこと。炎症性喉頭疾患や喉頭麻痺で生じる

日頃の診察に活かせるよう、よく復習します!