こんにちは、獣医師のあさぬまです。
皆さん、夏休みを満喫できましたか?
今年は海外旅行などに行かれた方もいるのではないでしょうか?
最近、空港や駅でも外国からの旅行客を目にすることが増えましたね🧳
時々戸惑うこともありますが、日本文化にかける情熱が日本人以上で驚かされることもありますよね!
さて、先日院内で実施された画像診断専門医の先生によるセミナーに参加しました。
隔月で画像診断専門外来がありますが、外来がある日はおもに症例検討会を実施しています。
レントゲンやエコー画像からわかることをディスカッションしながら、最新の知見を学ぶことができるとても大切な機会です。
エコー検査は非常に主観的な検査です。そのため、
①正しい臓器を正しい方法で描出すること
②正しい画像を残すこと
③画像から得られる正しい解釈をすること
④すべての臓器をきちんと描出すること
が客観的な評価には必要不可欠です。
エコー検査は検査中に描出できていない部分は、絶対に評価できません。
当たり前だと思うかもしれませんが、きちんとすべての臓器を描出することは実は非常に難しいです。
例えば、食事を食べてきている。尿や便が大量に溜まっている。毛が多い、あるいは硬い。じっとできない。
など様々な理由により、腹部の臓器を完全に描出するためには、経験や技術が必要ですし、
動物側の要因も多く存在します。
そのため、日や動物の状態、検査者が変われば、わかる情報は大きく変わります。
エコー検査の利点は動物に対する侵襲(痛い、放射線被ばくなど)がない。という点なので、
場合によっては繰り返し検査をすることで、多くの情報が得られ、正しい診断や治療に役立てることができます。
今回のディスカッションテーマに、臓器のエコー源性というものがありました。
各臓器には特有の画像パターンがあります。その一つにエコー源性があります。
エコー源性とは画像上で、臓器がどのくらい『白いか、あるいは黒いか』というものです。
身体の中にあるもので黒い順番は、尿⇒腎臓髄質⇒腎臓皮質⇒肝臓⇒脾臓⇒前立腺⇒骨です。
この色が変化することは、各臓器になんらかの異常が起こっていることが推測されます。
例えば、肝臓が脾臓より白くなる(エコー源性が逆転する)場合、肝臓に脂肪や線維が沈着することを意味します。
そのため、脂肪肝、肝リピドーシス、肝炎などが疑われます。
このエコー源性の評価にも多少の慣れが必要ですが、これらの画像検査所見と、血液検査、動物の体調や、
飼い主様から教えていただいた経過などを総合し、可能性が高い疾患を判断することが私たち獣医師の役割です。
エコー検査は身体に負担なく、いろいろな臓器の状態を知ることができるとても重要な検査です。
気になることがなくても、特にシニア期になった子は、
健康診断として、ぜひエコー検査を最低年に1回は行うことをおすすめします❕
詳しく知りたい方は、スタッフまでお声掛けくださいね✨