こんにちは、獣医師のあさぬまです。
先日の台風は皆さん大丈夫でしたか?
久しぶりの豪雨で少し焦りました…。
これから台風の季節なので、しっかり備えていきたいですね。
先日、大阪で行われた外科のセミナーに参加してきました。
今回のテーマは「整形外科」です。
整形外科とは、骨折や脱臼などの手術を行う分野です。
整形外科疾患は多くの場合に、命にはかかわらないですが、その子の運動機能など、
一生を左右するとても大切な分野です。
他の手術に比べ、手術の成功が見た目ではっきり表れてくる分野でもあり、
軟部外科(骨や関節以外の手術)と異なる理論があり、非常に緻密な手術分野です。
今回は、プラスチックや骨の模型を用いて、
実際のプレートやピン、ワイヤーなどの基礎的な手術手技から、
実際によく遭遇する疾患にあわせた手術方法の習得まで3日間みっちり勉強してきました。
実際手を動かして練習することも大切ですが、
病気や治療の理論をきちんと学ぶことも大切なので、実習の前には軽く講義もありました。
良く遭遇する病気を一つだけ紹介します。
「膝」の病気です。
膝蓋骨脱臼という病気をご存知ですか?
俗にパテラとも呼ばれますが、膝のお皿の骨である膝蓋骨がその名の通り脱臼してしまう病気です。
成長期の小型犬に多く、多くは2歳までに症状が出ます。
脱臼、と聞くと大病をイメージするかもしれませんが、実は比較的よく遭遇する病気です。
また、脱臼していても必ずしも症状があるわけではなく、全く問題なく歩いたり、走ったりする子もたくさんいます。
一方で、跛行、痛み、運動を嫌がるなどの症状がある場合は、内科的治療はあまり効果的ではなく、
手術が必要となる可能性が高い疾患です。
また、高齢になると、関節炎や靱帯損傷を合併し、跛行を起こすこともあり、
その場合は、ただの膝蓋骨脱臼とは全くことなる治療方針が必要になることも少なくありません。
特に脱臼に関しては、症状のある、なしがはっきりしていることが多く、
突然痛がったかと思えば、仮病のように全く症状がなくなることもあります。
高齢になってからの膝蓋骨脱臼は
他の疾患との合併の可能性もあるので、スタッフまでお声掛けくださいね!