セミナー参加報告

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口腔外科セミナー

2025年07月11日

こんにちは、Dr.スゴウです。今月も口腔外科のセミナーを受講しました。

今回は歯周病を知るというテーマでした。

皆さん、突然ですが2歳以上のワンちゃん、ネコちゃんの何%が歯周病を持っているかご存知ですか?

「2歳以上の犬の80%」「2歳以上の猫の70%」は歯周病になっているというデータがあります。

つまり、2歳以上のワンちゃん、ネコちゃんは歯周病になっていると思って向き合う方が間違いがないです。

皆さん、自宅のわんちゃん、ネコちゃんのお口を見て思うかもしれません。

「いや、口の中綺麗だけど」「ご飯もよく食べるし問題ないでしょ」

歯周病は沈黙の病気と言われていて気づいた時には手遅れになってしまう病気です。

歯は綺麗に見えても歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)から歯周病は始まるため、見た目だけでは正確な判断が困難です。

麻酔下で歯周ポケットの深さを測る、歯科レントゲンで歯槽骨(歯を支えてる骨)の破壊がないかの確認などを行い始めて評価が出来ます。

無麻酔で歯石をとることは時々耳にしますよね。見た目は綺麗になって大丈夫な気がしますが…..

麻酔下でないと歯周ポケットの評価、処置を行えないので歯石を取るだけでは歯周病は進行します。

麻酔下での歯科処置は歯周病の発見、進行の抑制には重要ですが、最も大切なのは

「毎日のホームケア」

です。

歯科処置で綺麗になった状態をホームケアで維持することで歯周病の進行を抑えることが出来ます。

 

ということで次回は自宅でのホームケアについて学びますのでブログを楽しみにしててください。

コーミングセミナー

2025年07月09日

こんにちは☺️トリマーのとっとりです。

 

先日コーミングセミナーに参加してきました。

コームの種類によってどんな犬種にどう選択するのか、どのタイミングで、どの角度でコームを入れるのかについて学びました。

 

今までは何度も何度もコームを入れて、毛を立たせて切らなくてはいけないと思っていましたが、カットする際に潰れた毛をもう一度立たせるという意味で使うといいという事を知りました。

 

また、やわらかい毛質の子に苦手意識がありましたが、その子にとっての最適な長さで切ってあげることがベストな対策だということも知りました。

 

たくさんのコームを手に取ってどの毛質にどのコームでどんな使い方がベストなのか、研究しながら使っていきたいと思います!

 

皮膚科セミナー

2025年07月06日

こんにちは、看護師のなわいです!

 

先日村山先生の皮膚科セミナーを受講させていただきました。

 

症例の相談を始め、問診の取り方や新薬のご紹介、院内感染を防ぐための清掃方法などを教えていただきとても勉強になりました!

 

中でも去年発売された犬のアトピー性皮膚炎に使用されるゼンレリアは、投薬初期から1日1回で内服できることが特徴との事!

 

アポキルだけでは痒みがコントロール出来なかったり、1日2回の投薬が難しい場合などご検討いただくことが多いようです。

 

最近気温も上がり、皮膚のトラブルが増えてくる頃かと思います💦何かお困りのことなどあればスタッフにお気軽にご相談ください!

救急セミナー🚑💨

2025年07月04日

こんにちは!獣医師の山野です!

先日救急セミナーを受講しました🚑

今回のテーマは糖尿病性ケトアシドーシスと高浸透圧高血糖症候群についてでした✍️

 

糖尿病性ケトアシドーシスも高浸透圧高血糖症候群も糖尿病の犬や猫で起こる救急疾患です🚑

食欲が全くなく、嘔吐、ふらつきなどが見られ、重症化すると意識が朦朧としていたりします。

 

まずは糖尿病性ケトアシドーシスの病態から。

そもそも糖尿病とは、インスリンと呼ばれる血糖値を下げるホルモンが欠損していたり、効きづらくなっているせいで、高血糖状態が常に続いてしまう病気です。

糖尿病の治療がされないまま高血糖状態を放っておいたり、糖尿病の状態で他の病気を併発して調子が悪くなってしまうと、元々効きづらかったインスリンが全く効かなくなってしまいます。そうすると、体は糖の代わりに脂肪をエネルギー源として使うようになってしまい、脂肪の老廃物である”ケトン体”というものを過剰に生成してしまいます。この”ケトン体”が多量に出来てしまうと体の血液が酸性化します。この状態を糖尿病性ケトアシドーシスといいます。

血液が酸性化すると心臓や神経伝達の機能が落ち、ミネラルバランスも崩れ、薬も効きづらくなるなど、いい所が全くありません”🤷‍♀️゛

 

次に、高浸透圧高血糖症候群について。

この病気は英語でHyperosmolar Hyperglycemic  Syndromeといいます。Hi-Hi Syndromeとかに略すと可愛いなーて感じなのですが、病態は全く可愛くありません🥲

この病気になると生存率35%と極端に低くなります。糖尿病の患者に極度の脱水が認められることで発症します。基礎疾患として腎不全や心不全があると、見た目には見えないところでどんどん脱水が進んでいます。その結果、排尿量が少なくなり、最終的に尿に糖が排泄できなくなります。そうなってしまうと、体の中は超高血糖状態となり、あらゆる細胞から水を引き込んでしまうので、細胞の機能が落ちてきてしまいます。特にダメージを受けやすいのが脳神経細胞なので、高浸透圧高血糖症候群は昏睡状態に陥ることが多いです。

 

治療は

①脱水を補正するために点滴する

②ミネラルバランスを調整する

③インスリンを徐々に開始する

です。

糖尿病性ケトアシドーシスの治療反応はわりといいですが、基礎疾患に心不全や腎不全があるため高浸透圧高血糖症候群の治療はとっても難しいです😞

 

もし自分のお家の子が糖尿病になってしまい、食欲が全くなくなったり、ぐったりしている場合はかなり緊急度が高いと思っていただければと思います‼️

変だな、と思ったら病院にご連絡お願いいたします🏥

 

 

 

画像診断セミナー

2025年07月02日

こんにちは!獣医師の山野です!
先日X線検査の撮り方について実習を受けました✨️

X線とは、体の中の骨や臓器を写す検査のことです。
X線を撮るといっても場所により様々な撮り方があります👀
動物で1番多く撮るのは胸や腹のX線検査です。
胸を撮る時は心臓と肺をしっかり見たいので、前足をしっかり引っ張って胸に被らないようにして撮ります。この時背が曲がっていると左右対称にならないので前と後ろを引っ張り合うようにして撮影すると正確なX線写真が撮れます📸
また、腹の時は、後ろ足をしっかり引っ張って被らないようにします。このとき骨盤を揃えるようにして撮影すると綺麗に撮れます✨

しっかり綺麗に撮れた写真は正確な評価が出来るので診断に直結します🤩
正確なレントゲン写真が撮れるように頑張ります💪

フード学セミナー

2025年07月02日

こんにちは!看護スタッフの山口です。
今日はペットフード学第3回を受講しました。
手作り食と療法食について学びました。
手作り食をしている方は全体の約5%(犬)、約1.1%(猫)しかいません。しかし、手作り食に興味のある飼い主様は70〜80%ほどいらっしゃいます。ペットフードのメリットは利便性、一貫性、コストに優れていますが手作り食ではペットに愛情表現ができる、不安からの解放、罪悪感からの解放などのメリットがあります。手作り食では栄養がしっかり取れているかなどではかなり難しいところです。もしチャレンジしてみたい方がいらっしゃれば日本食品標準成分表(八訂)と、AAFCOを参考にして栄養バランスを気にして作ってあげてください!
ペットフードでは国が決めたペットフード安全法という仕組みがあるためほとんどが安全で栄養も充分になっています!中には添加物が怖いという方もいますが実際に添加物が添加されないとヒトにおける食品危害の危険ランクでは食品媒介性疾患の相対的リスクが最も高くなり、添加物に関連したリスクの約10万倍となることが明らかになっているため無添加にするのも考える必要があるなと感じました。
日本の療法食では栄養基準は存在せず、また市販製品をチェックする体制も整備されていないが獣医さんたちが効果あると決めて病院で使い始めてやっと療法食として認められるのが日本です。療法食とは栄養成分の量や比率が調整され、特定の疾病又は健康状態にあるペットの栄養学的サポートを目的に獣医医療において獣医師の指導のもとで、食餌管理に使用されることを意図したペットフードであります。
ペットフード、療法食、手作り食など現在たくさんの商品などがあります。そのため種類が多すぎてわからない場合や代替になるものなど提案できるかもしれないためわからないことなどがあれば遠慮なく聞いてください!私たちも気軽に聞いてもらえるような雰囲気作りや勉強を日々していきます!

循環器学会

2025年06月29日

こんにちは、獣医師のあさぬまです。
予防開始のシーズンも佳境になってきました。
皆さん、マダニの予防は始めていますか?
最近、マダニ感染症での死亡例のニュースも多く、他人事でなくなってきました💦
予防できる病気はしっかり予防していきましょう!

さて、土曜、日曜で循環器学会に参加してきました。
最近、外科をテーマとする発表が多かったのですが、今回は、内科をテーマにした発表もあり、聞いていて学び多い学会でした。
今回の学会でも、座長と発表をさせていただきました!

座長では、心不全を早期に検出する取り組みに関する発表と、新規の外科手術法に関する発表がありましたが、
いずれも活発な議論になり、良かったです。

発表では、『部分肺静脈灌流異常症』という稀な病気の新しい診断法に関して発表させていただきました。
部分肺静脈灌流異常症…聞きなれない病気ですよね?
おそらく、獣医師でも、循環器に詳しくないと聞いたこともないような病気だと思います。
人での有病率は0.4~0.7%程度で稀な病気です。
動物での発生率に関しては報告がないですが、人よりは多いかもしれません。
ただ、いずれにしても非常にめずらしい病気であることは間違いないです。

症状が全くない場合もあれば、心不全になってしまうケースもあり、重症度に幅がある病気です。
症状が全くない場合は、健康診断をしないと気づけないのは恐ろしいですね…。

少し難しいかもしれないですが、今回はせっかくなので、部分肺静脈灌流異常症についてすこしだけ紹介します。
そもそも肺静脈とは、肺からの血液が心臓に返ってくるときに通る血管です。
普通は左心房につながっています。
左心房に戻った血液は、そのまま左心室に入り、大動脈から全身に向かいます。
肺で十分に酸素をもらった血液が、全身に運ばれることで、全身に酸素がたっぷり含まれた血液が届けられます。

しかし、この肺静脈が左心房ではなく、右心房などに異常につながってしまう病気が
『部分肺静脈灌流異常症』です。
全ての血管が右心房などにつながってしまうこともあり、そうなると『総肺静脈灌流異常症』と呼ばれます。
犬では肺静脈は4~6本存在するとされているので、
このうち何本が異常につながってしまうか?で、症状の重症度が決まります。

診断は難しく、CT検査やMRI検査が必要なことが多いですが、
今回心エコー検査で検出できる方法を学会で発表しました。
CTやMRI検査は麻酔も必要な高額検査ですが、心エコー検査は何回でも実施できる
動物に優しい検査方法です。
エコー検査で異常な血流をとらえられれば、麻酔や金銭的な負担を少なく、診断することができるようになるので、
今後も症例の蓄積を行い、獣医療の発展に尽力したいと思います!!

この病気と診断されることは少ないと思いますが、
その他に心臓の診断や治療にお困りのことがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください✨

CTセミナー

2025年06月27日

こんにちは、獣医師のサクマです。
先日、院内でCTセミナーを受講しました。今回のテーマは肝胆道系(肝臓・胆嚢・胆管)に関する読影です。

<肝臓>
肝臓は、門脈から約70%の血流を受けており、CTでは動脈相・門脈相・平衡相のいずれか、または組み合わせで評価します。
;評価項目
・腫瘤性病変の有無と数・局在
・内部構造(均一性)
・造影パターン(遅延性造影など)

びまん性であれば脂肪肝、肝炎、肝硬変、リンパ腫を疑います。

<胆嚢>
胆嚢は大きさ・内部構造・壁の厚みを主に評価し、以下のような疾患を疑います。

・胆泥(内部に高吸収の沈殿物)
・胆嚢粘液嚢腫(腫大)
・胆嚢炎(壁肥厚、周囲脂肪の変化)

<胆管>
総胆管(CBD)は肝門部から胃幽門〜十二指腸へ続く管腔構造でCTでは視認が難しいことが多いです。胆管閉塞や炎症がある場合ははっきり描出されることもあります。

胆嚢・胆管においてはCTより超音波検査の方が明瞭に描出できます。

今回のセミナーでは、肝臓・胆嚢・胆管の正常像と異常像を明確に理解する重要性を改めて実感しました。CTは全体像の把握に優れる一方、造影タイミングの違いや構造的な変化を意識して見ていくことが大事だと感じました。

飼い主様セミナー

2025年06月27日

こんにちは、獣医師の今井です。
先日飼い主様セミナーを開催させていただきました。今回のセミナーでは『災害が起きた時、ワンちゃんネコちゃんとの避難 あなたはどうする?』がテーマでした。

◯被災時、避難所への移動や集団生活する際に必要になるクレートについて
・市販されている色々なタイプのクレートから愛犬、愛猫に合ったものを見つけるポイント
・日常的に取り入れられるクレートトレーニング
◯非常用持ち出し袋の中身を考えてみよう!
◯被災時に困らない、済ませておくと安心な犬猫の予防について

上記を小テーマにしてお話しさせていただきました!
いつ起こるか分からない自然災害に備えて、皆様とワークを取り入れながら考えることができて良かったです。
ご参加いただいた皆様、お忙しい中足を運んでいただきありがとうございました。