こんにちは、獣医師のあさぬまです。
だんだん秋めいて、朝晩はだいぶ涼しくなってきましたキラキラ
いい季節ですが、風邪をひかないように気を付けてください。
今月から院内の装飾も少しかわりました。
お気づきの方もいるかもしれませんが、
ハロウィンと、紅葉をテーマにした装飾です。
紅葉をテーマにした装飾は、一枚一枚、カエデやイチョウを切って、貼った超大作?です。
みなさんぜひ、お待ちいただいている間に、そんな院内の装飾をご覧ください。
さて、先日院内で循環器のセミナーを行いました。
2か月に一度、院内に循環器専門医の先生をお招きして、循環器診療の向上に努めています。
今回のテーマは「猫の血栓症」でした。
血栓症とは、体の中で発生した血の塊(血栓)が、体のいろいろな血管に詰まる結果起こる病気です。人の方でなじみのある病気だと、心筋梗塞、脳梗塞、エコノミークラス症候群などがそれにあたります。
猫の場合、心筋症により、心臓の動きが悪くなり、血液のうっ滞が生じます。
特に、大きくなった心臓の上の部屋(心房)で血栓が初めにつくられることが多いです。
血栓は、心臓の中にあるときは大きな問題を起こしませんが、
いざ、その血栓がはがれて、全身を流れ始めると大問題です
脳に詰まれば、脳梗塞を引き起こし発作を起こすかもしれません。
腎臓に詰まれば、急性の腎不全を引き起こします。
しかし、血栓の詰まる場所として最も多いのが…
「鞍部(あんぶ)」と呼ばれる、後ろ足に向かう動脈の分岐部です。
大動脈という体の中心を流れる太い大きな動脈は、
左右の足と、尻尾に血液を送るため、下腹部(膀胱の付近)で3本に枝分かれします。
その枝分かれの部分に心臓からはがれた血栓が詰まり、
その結果、左右の後ろ足に血流がいかなくなり、後ろ足が動かなくなります。
強い痛みを伴い、後ろ足は冷たくなります。
両方の後ろ足が全く動かない子の死亡率は50%以上になるともいわれ、
非常に治療が難しい病気です。
たとえ、うまく治療ができたとしても、その後も抗血栓療法を続けねばならず、
治療を続けても半年以上生きられる子は半分程度しかいないとも言われています。
そのため、猫の場合、
心雑音が聞こえる、不整脈がある、高齢である
など、心臓病をもつ可能性がある子は、定期健康診断できちんと心臓の超音波検査をしてあげることが大切です。
心臓病の症状は末期にならないとわからないことが多いので、
元気だから…ではなく、元気なうちに検査をしてあげましょうね。
最近、マクロレンズを買ったので、
うちの子たちの写真をやたら接写でとることにはまっています。
マクロはピント合わせがシビアでまだまだ上手に撮れませんが、
寝ていればこっちのもんです。


これからもドシドシ撮っていきます。