こんにちは、獣医師のあさぬまです。
2024年が始まりました。少し遅いですが、本年も皆様のお役に少しでもたてるよう、また、皆様のご不安を少しでも解消できるように、スタッフ一同尽力していこうと思います。
何かお気づきの点がございましたら、お気軽にお申し付けください。
私事ですが、今年は年男なので、竜のように飛躍できる年にしたいと思います🐉
さて、2024年最初の外部セミナーは、大阪での外科実習でした。
今回は、昨年まで行っていた外科セミナーのアドバンス編ということで、より発展的な手技を学んでいます!
初回のテーマは「消化器」。
消化器の中でも、今回は特に、胃腸をテーマにセミナーおよび実習を受けてきました。
胃腸は栄養吸収にとても重要な役割を担っているので、病気があると、栄養状態が悪くなり、
薬も効きにくくなり、体力が落ちてしまいます。
病気の症状としては、嘔吐、下痢、食欲不振など眼に見えやすい症状なので、気づかれることは多いですが、
病気によってはゆっくり進行するため、重症化してから発見されることもすくなくありません。
また、症状は胃腸に特徴的なわけではなく、肝臓や腎臓病など、他の病気でも同じ症状になるため、本当に胃腸の病気なのかを判断することが難しいこともあります。
また、胃腸の病気はかなり進行しても、血液検査で大きな異常を認めないこともあり、エコー検査などの画像検査が
とても重要です。
今回は、主に「胃」の病気をお話ししたいと思います。
①胃排出障害
胃から食べ物が出ていきにくくなる病気です。
一過性の変化では、急性胃腸炎や膵炎などの病気で胃や腸の動きが低下し、胃排出に異常をきたします。
また、胃の出口(幽門)が狭くなることもあります。幽門狭窄は、先天性(ボクサー、フレンチブルドッグ、ボストンテリアなどの短頭種や若齢で多い)と、後天性(シーズー、マルチーズなどの高齢犬種で多い)があります。
症状は慢性的な嘔吐、体重減少です。
診断はエコー検査や内視鏡検査で行い、重症の場合には手術で治療します。
②胃潰瘍
胃に潰瘍ができる病気です。
動物の場合は、気道閉塞や投薬(ステロイド系、非ステロイド系)や中毒が原因となることが多いです。
最悪の場合、胃腸に穴が開き、緊急手術が必要になることもあります。
症状は食欲不振や嘔吐のほかに、便の変化(黒くなる、下痢する)が起こることもあります。
治療は内科治療と外科治療(手術)です。
③胃の腫瘍
胃の腫瘍は1%程度と言われており、比較的珍しいです。
その内悪性腫瘍では胃腺癌(いわゆる胃がん)が最も多いとされています。
胃腺癌の多くが見つかった時点で転移しており、寿命も平均6カ月とされています。
早期発見であれば手術ができることもあります。もし手術でとり切れれば、一時的に症状が緩和できることはあります。
一般的に繰り返し症状がある場合、体重の減少がある場合は重症度が高い可能性があります。
その場合、あまり様子は見ずに早めに検査することをお勧めします。
検査内容や金額などわからないことがあれば、ご連絡ください。