こんにちは。看護師の田村です。
先日、小笠原先生のリハビリセミナーを受講させていただきました。
前回の肥満のお話の続きで、まず食欲を抑制する働きのホルモンとして、インスリン、コレシストキニン、レプチン、YYペプチドとグルカゴン関連ペプチドが挙げられ、逆に食欲を亢進するものとして、グレリンが挙げられます。
脂肪細胞の一種のアディポネクチン(アディポカイン)は犬にたくさんあると言われています。インスリンの感受性を高めてくれる細胞でこれが維持されるとⅡ型糖尿病になりにくくなります。犬はⅠ型糖尿病が多いと言われていますが、アディポネクチンが少ないと肥満傾向になりやすいのと同時に糖尿病にもなりやすくなります。
同じく脂肪細胞の一種のレプチンには摂食機能への働きがあります。脳内にあるレプチン受容体に反応し食べるのをやめる指令が脂肪細胞に向けて出ます。しかしPTPRJという酵素の発現により食欲の抑制指令を阻害し肥満が進行します。ちなみに避妊、去勢手術後に太りやすいと言われているのは、このレプチンの発生が減り食欲が増えることによるものです。
参考として、AAFCO(米国飼料検査協会)が制定している減量食の栄養基準として、
脂肪:10%以下がほとんど(最低5%以上)
タンパク質:30%推奨(2g/㎏)高タンパク食が筋量維持には必要になります。
食物繊維:5~20%カロリーが無く、量増しができ、満腹感が得られますが嗜好性が低めです。
残りの栄養素を炭水化物で与えます。
このようなバランスを意識して減量の栄養管理を一緒に相談しながら考えていきましょう。