橈尺骨整復外科実習
2023年07月17日
こんにちは!獣医師の市川です!
本日は『トイプードル犬種の橈尺骨整復術』をテーマに実際の骨折を想定してコンデュラープレートの設置法に関して学んでいきました。
トイプードル犬種は小さな体ゆえに若齢期での骨折が非常に多い上に、骨径も非常に小さく、プレートの設置に対する治療許容度が非常に小さいため、適切なプレートの設置やピンニングが再発予防の上でも大切になります。
骨折する場所によっても設置できるプレートの種類が異なり、今回は橈尺骨遠位骨幹端骨折を想定して、鶏の骨を用いてコンデュラープレートの設置を実施しました。
通常プレートの強度を維持する上ではプレートに対して2つのスクリューを設置しないといけないのですが、骨幹端骨折に対してストレートプレートでは十分な足場を確保できません。
一方でコンデュラープレートは先端がY字状になることで、2列並行でスクリューを設置できるため、骨幹端骨折のような足場が限られる骨折に対しては適応になります。
また骨癒合に対しても骨を物理的に圧迫させる直接的癒合と骨と骨の不安定から自分の力で再生させる生物学的癒合(間接的癒合)の2種類があり、整形学的には間接的癒合が推奨されています。
骨折端に対してスクリューの位置が近いほど骨は不安定性が減るので新しい化骨が形成されず、直接的癒合に近い状況が作られるのですが、コンデュラープレートは骨折端からの遠位端スクリューまでの距離が確保できる上でもより生物学的癒合を促すことができます。
今回の実習で設置のポイントを細かく教えていただきましたので、実際の症例でもより丁寧な治療が提供できるのではないかと思います。