セミナー参加報告

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研修医腫瘍学セミナー

2022年12月06日

こんにちは、獣医師の井上です🐈

先日、母校である酪農学園大学の鳥巣先生腫瘍学のセミナーをzoom にて受講しました。

今回は腫瘍の中でも大きく分けて、口腔内と体表の腫瘍でした。

体表の腫瘍でよく診察で脂肪腫と診断された子もいるんじゃないかなと思います。そんな脂肪腫の中でも良性と悪性が有ります。多いのは良性のものですが、良性の中にも種類があります。単純性の脂肪腫、筋間脂肪腫、浸潤性脂肪腫です。この中で浸潤性脂肪腫は悪性のように大きくなる為勘違いされることも多いです。

脂肪腫でも麻酔をかけるタイミングがあれば、一緒に取って病理検査に出し、しっかり診断してあげるのも一つなのではないでしょうか。

うまた、犬の皮膚に多い腫瘍だと肥満細胞腫や皮膚組織球腫と呼ばれるものがあります。前者はチワワやパピヨンなどの短頭種に多く悪性度でグレード分類がされています。後者はとても多いですが、自然に無くなったり外科手術で完治が目指せます。このように、腫瘍一つとっても出来方や動きによって成り立ちが変わってくる為、身体にあるできものが気になった時はすぐに獣医師にご相談してみて下さいね。

麻酔セミナー

2022年12月05日

こんにちは、獣医師の井上です🐈

今回は院内にて麻酔科の石塚先生による麻酔セミナーを受講して来ました。

今回は昇圧剤(血圧を上げる薬)がテーマでした。

 

麻酔をかける時に起こる有害事象として低血圧は一番のリスクになって来ます。動物は血圧を正常に保つことで血液を全身に送り循環を保っています。また、それぞれの臓器には血圧の自動調節能があり、臓器ごとにも必要な血圧があります。

つまり血圧を正常に保つことは循環や臓器を正常に保つことと同義になります。

麻酔薬や麻酔維持薬、出血により血圧は下がってしまいます。そこで、基準よりも下がってしまった子に関しては昇圧剤が必要になってくるのです。

しかし、昇圧剤には種類がありそれぞれの血圧、心拍数、心臓の状態や麻酔時間etcにより使い分ける必要性があります。そこで、麻酔科医による昇圧剤の考え方や使い分けを丁寧に解説してくださいました。論文だけでは分からない実践麻酔による講義は獣医師のみならず看護師さんにもとても有意義な時間になりました。

日々の手術、麻酔または入院管理においても活かしていきます。

麻酔のリスクがとても心配な患者さんの為に、当院は麻酔科の先生が月に1、2度来ているため、麻酔に関してもご心配なことがありましたらお気軽にご相談下さい。

 

 

 

 

循環器セミナー

2022年11月28日

こんにちは!獣医師の山野です。

先日循環器セミナーを受講しました。

今回のテーマは猫の肥大型心筋症でした🐱

本題に入る前に心臓の流れについて簡単に解説します🤔

体の中を巡った血管は大静脈となって、大静脈▶︎右心房▶︎右心室と流れたあと、肺を経由し、左心房▶︎左心室▶︎大動脈となって、再度体の中を循環します🫀

心筋症とは、心臓の筋肉である心筋に異常が出る病気で、その中でも肥大型心筋症では左心室の筋肉が分厚くなります。心筋が分厚くなる原因はあまり解明されてはいませんが、猫特有の遺伝子変異かもと言われているそうです😳
心臓は心筋の拡張と収縮を繰り返すことで、全身に血液を送り出すポンプのような働きをしています。左心室の心筋全体が肥厚し、硬くなったり伸縮性が低下したりすると、左心房から流れてくる血液が左心室内に流れにくくなります。左心に鬱滞した血液は左心内圧を上げ、左心室から左心房へ逆流するという悪循環を辿ります。左心内圧が上がってもある程度までは心臓や肺が無理に働くことで、症状を伴うことはありません。しかし病状の進行とともに心臓や肺で補える限度を超えると左心房に鬱滞した血液が心臓や肺の血管内にとどまっていられなくなり、肺水腫、胸水貯留などを認めるようになります。いずれの場合も、心不全の進行は呼吸機能を著しく傷害し、治療が遅れれば死に至るため一刻も早い対処が必要となります。

今回は猫ちゃんの肥大型心筋症を診断するための超音波アプローチを教えていただきました 今回の学びを糧に心臓病を診断できるように頑張ります🔥

画像診断セミナー

2022年11月27日

こんばんは、獣医師の井上です🐈

恒例になっている画像診断セミナーで、今回はzoomにて画像診断医の石川雄大先生にご教授いただきました。

今回はレントゲンと超音波検査の使い分けや膵炎に対してのアプローチ等の内容でした!

レントゲンと超音波検査でどう使い分けてるの?!と思う方も多くいらっしゃると思います。

検査というのは使い分けて見ることもあれば合わせて見ていくこともあるので、片方だけ行うこともあれば、両方行うこともあります。

実際の使い分け例としては、全てではないですが、x線検査は呼吸器や骨、ガスや閉塞による急性腹症(胃捻転など)、x線不透過性物質、胸部疾患、動的変化や、力をかけて行うストレス撮影などなどに多く使われます。

超音波検査では、嘔吐下痢などの消化器症状や消化器閉塞、腫瘍などの塊状病変、リンパ節、心臓の内部構造や流れ、多くの腹腔内疾患などなどに多く使います。

これらの使い分ける疾患や、臓器ごとのサイズや診断手順等を画像診断医に教わるとても有意義な時間でした。

しっかりと使い分けをしつつ、日々の診療での早期の病変発見へとつなげれるようにしたいと思いました😌

椎間板ヘルニア実習

2022年11月27日

こんばんは、獣医師の井上です。

先日、椎間板ヘルニアの手術実習に参加して来ました。

ダックスやコーギーに多い椎間板ヘルニアに対して、手術時のアプローチ方法と流れを椎間板の骨模型や実際手術で使用する道具をメーカーさんにお借りし実践しました。

骨を割ったり、ドリルを使って骨を掘削していくのですが、力加減やアプローチ方法はとても難しいのですが、ミズノにきて頂いている小林先生をはじめ豪華な講師人のもと丁寧にご教授いただきとても勉強かつ、コツを掴むことができました。

ヘルニアは椎間板物質が出て来てしまった場所や方向によっても手術方法が変わります。それにより、アプローチの仕方も変わってくるのですが、今回は片側椎弓切除術(ヘミラミネクトリー)という、関節突起や副突起という骨を砕いて穴を開けアプローチする方法と、副突起のみを開けて小さい穴からアプローチするミニヘミという手術を教わりました。椎間板ヘルニアの中では治療成績の良い手術になっています。

 

ヘルニアは急にキャンと鳴いたり、後ろ足がフラフラしたり、腰を触ると痛がったり、尿が出なくなったり、便をするのに時間がかかったりすることがあります。このような症状が出た時は早めに診察に来ていただき、診断次第では早めのMRIと手術が必要になることがあるため、違和感を感じたら来院していただけたらと思います。

 

 

とても難しい手術ですが、マスターし、急に痛がってしまったり、歩けなくなってしまったワンちゃんを助ける手助けになればなと考えていますので、お気軽にご相談下さい。

インプルーブ外科セミナー

2022年11月26日

こんにちは、獣医師のあさぬまです!

突然ですが、サッカーワールドカップが開催中ですね。

先日日本代表がドイツに見事勝利していましたが、たまたま帰宅してテレビをつけたら、後半40分くらいで、ハラハラしながら見入ってしまいました💦

勝利しても驕らず、ロッカールームをきれいにして帰った日本代表に、ネットでも称賛の声が多かったようです。

どんなに一流でも常に感謝を忘れず。

その姿勢を見習いたい!と思いました✨

 

さて、先日大阪に外科セミナーを受けに行ってきました。

今回のテーマは整形外科。

特に骨折の分類や、治療の原則を学んできました。

整形外科の手術は一見経験に左右されそうですが、(もちろんその側面はありますが···)実はとてもロジカルな分野です。

骨折のタイプを分類し、それにあった固定方法を選択する。

またそれぞれの固定方法の利点、欠点を理解して、患者さんにとって最良の方法を実施する。

外科手術はどれも手を動かす部分以上に、頭を使う部分が多いことに毎回驚かされます。

今回は骨折治癒に関わる2つの治り方を紹介します!

1つ目は、解剖学的治癒。

これは骨折した骨と骨の間にほとんど隙間がなく(1mm以内)、また骨同士にひずみや動きがほとんどない場合。つまりかなりしっかり固定されている場合に生じます。

骨同士はそのままくっつくようにきれいに早く治ることが特徴です。

2つ目は、生物学的治癒。

これは反対に骨同士の隙間が大きく(2mm以上)、ひずみや動きが多い場合の治り方です。

骨の周りに血腫や、繊維、軟骨などがつくられ、仮骨という骨の元みたいなものが集まり、くっつきます。骨は一時的に太くなります。その後ゆっくり時間をかけて、また細く戻っていきます。

骨を折ると強くなる!と聞いたことありませんか?まさにその治り方です。

早く治るなら、最初の方がいい!と思うかも知れません。ただし、交通事故など大きなダメージによる骨折は、粉砕骨折など、骨同士をピッタリ合わせられないこともあります。

その場合、2つ目の方法をうまく使って治す必要もあるので、どちらも知っておくことは大事です。

いずれにしても骨折は骨だけでなく、全身を強く打って、他の臓器に影響がでることもあります。

なるべく早めに病院を受診してくださいね!

 

もうすぐ?クリスマス🎄

空港もホテルもセミナー会場もどこもかしこもクリスマスムードです❄

リハビリセミナー

2022年11月23日

こんにちは。看護スタッフの田村です!

リハビリ専門外来でお越しいただいている小笠原先生のセミナーに参加させていただきました🐶

今回は趾関節についての講義と実習を行いました。趾関節は指先の関節を指します。

指先を曲げる筋肉(屈曲させる筋肉)には浅趾屈筋、深趾屈筋があります。

反対に指先を伸ばす筋肉(伸展させる筋肉)には長趾伸筋があります。

指先が地面にしっかり着かなくなる状態が見られると、筋肉が固まってしまっているそうです。アジリティーをやっているワンちゃんはこの関節が外れて固くなってしまっている子もいるそうです。

そのようなときはマッサージをしてほぐしていきます。今回は角川さんのボクちゃんにもお手伝いいただき、実際にマッサージしました。まずは指先全部の曲げ伸ばしをして固まっていないか確認します。固い箇所があれば指先一本ずつに対し関節を伸ばす、曲げるをゆっくり行なっていきます。合わせて赤外線も当てるとより効果が発揮されます。

また人の指先も同じく固まった箇所にはマッサージを行い、その変化を体験しました。

今後色々な子の足先を確認し、その感覚をしっかり覚えていきたいと思います。

 

院内皮膚科セミナー

2022年11月23日

こんにちは!獣医師の山野です!

先日村山先生による院内皮膚科セミナーを受講しました。

今回のテーマは猫のかゆみ行動についてでした🐱

猫ちゃんの皮膚病は難しいと言われています😳 わんちゃんは皮膚病に対して特徴的な皮膚病変が見られるのに対して、猫ちゃんの皮膚病の特徴的な皮膚病変は限られていて、特定の臨床徴候しか見られません。例えば、わんちゃんの場合は食物アレルギーによる皮膚病変と菌が感染してできる皮膚病変は見かけで区別できることが多いですが、猫ちゃんの場合は食物アレルギーの皮膚病変も感染症の皮膚病変も同じような症状を示してしまうことが多く、さらには皮膚病変ができる体の部位も一緒だったりするせいで、原因がよく分からないことがあります😖

今回は猫ちゃんでよく見られる特徴的な皮膚病変のひとつである頭頸部掻把痕を紹介したいと思います。頭頸部掻把痕とは頭部は首を掻きむしることが原因で脱毛、皮膚の赤み、フケなどが生じる症状のことをいいます。猫ちゃんでは痒みを起こす細胞が頭や首に多く分布しており、他の部位に比べて痒みが悪化しやすいと言われています。また、猫ちゃんの頭や首は脂腺の分布も多いため、夏の暑い時期になると一時的に痒みが発生する場合があります⚡️

頭頸部掻把痕を生じる疾患としては、食物アレルギー、ノミアレルギー、猫アトピー性皮膚炎、猫疥癬、耳疥癬、皮膚糸状菌症、顎ニキビ、精神的な要因などがあります。頭頸部掻把痕だけで考えられる原因がこんなにあるんです😨 実際の診察ではこれら11つの原因を除外していきながら本当の原因を探っていきます👀🔎📰

改めて猫ちゃんの皮膚病は難しい💦と思いましたが、とっても勉強になるセミナーでした☺️ 猫ちゃんの皮膚でお困りのことがあればぜひご相談ください

1on1セミナー

2022年11月22日

こんにちは、看護スタッフの石井です🐈

先日渡邊先生による1on1セミナー第2回を受講しました。

今回は、前回1年目のスタッフに協力してもらい1対1で話した内容のフィードバックを行いました。実際に1対1で話すと自分の思っていたペース、回答ではなかったりとうまく話を広げたり、深掘りするのが難しいなと感じました。他の人のやり方を見るとすごく話の展開のつくりかたが上手く、自分も真似してやってみようと思いました。

 

病院では新規の方や、始めてお会いする方もいるのでその方ともスムーズな会話、聞きたい情報を聞き出せるようにコミュニケーション能力を高めていきたいと思います。

皮膚科セミナー

2022年11月22日

こんにちは!獣医師の山野です!

先日、皮膚科セミナーを受講しました。今回のテーマは精神の関連する皮膚病変でした。

心と体は表裏一体とよくいわれていますね😌 本当にその通りで、動物にも精神が関わる皮膚病というものが存在します。

精神が関わる皮膚病変は、精神的なことが原因で自分で舐めたり掻いたりすることでできる皮疹(外的要因の皮疹)と、精神的なことが原因で神経や内分泌系に支障がでることでできる皮疹(内的要因の皮疹)2つに分類されます。

外的要因の皮疹は自分で舐めたり噛んだりできる場所に限局しています。わんちゃんだと前足の足先、腹部、鼻周り(壁に擦りつけます)、爪(自分で噛みます)が多く、猫ちゃんだと腹部、顔周り、首が多いです。内的要因の皮疹は発汗、猫ニキビ、円形脱毛症などがあげられます。

また精神が関わる皮膚病を診断するには、皮疹の判断に加えてわんちゃんや猫ちゃんがどのような行動をしているかがとても重要になってきます。①皮疹を気にする行動に規則性があるのか、 ②不適切排尿、誤食、急に吠えるようになった、挙動がおかしいなどの行動が見られるか、 ③生活環境の変化などのライフイベントがあるかどうか などをよく問診して原因を探っていきます。

精神が関わる皮膚病の1番難しい所は、皮膚の症状はお薬で治療できたとしても、原因となる精神が解決しない限り再発を繰り返すところです。何かお困りのことがあれば病院までご相談ください☺️