救急セミナー
2023年04月25日
こんには。看護師の田村です。
2か月に1度開催していただいている救急セミナーに参加させていただきました。今回は輸液についてです。
輸液を行う目的として、
・水分バランスの是正
・電解質バランスの是正
・酸/塩基平衡の是正
・血圧や組織灌流の是正
が主に挙げられます。電解質の濃度によりどのように調整するのか、どのように水分のバランスを調整するのかで輸液の決定を行います。
体内の60%は水分でできていますがその内訳は、細胞内40%、間質15%、血管内5%と分けられ、間質液と血管内液は細胞外液に分類されます。体内では細胞内液と細胞外液の間に血漿浸透圧、間質と血管の間にある膠質浸透圧によりバランスが保たれています。
浸透圧とは、半透膜の両側で2つの物質の合計濃度が等しくなるように水分だけが移動する原動力のことを言い、低い側から高い側のみに移動します。体内では細胞膜が半透膜に分類されます。この働きが上手くできなくなることにより浮腫を起こしたり、電解質異常、脱水などを引き起こします。
輸液にはいくつか種類がありますが、細胞外補充液が動物病院では主に使用されます。
生理食塩水、リンゲル液、乳酸リンゲル液、酢酸リンゲル液などがあり、電解質濃度が体内との濃度と近いため等張液に分類されます。
また低張液に分類される輸液製剤には5%ブドウ糖やソルデムがあり電解質濃度が低く細胞内外に補充されます。5%ブドウ糖には電解質を含まず、大部分はすぐに細胞内に取り込まれ水分のみが残るので水分補給として投与されます。
輸液を行うにあたりその子の状態を把握した上での設定が必要になります。必要な輸液剤、輸液量をしっかりと理解し、今後の業務にも取り組んでいきたいと思います。