内科セミナー
2022年02月25日
こんにちは、獣医師のあさぬまです。
最近少しづつ暖かくなってきたように感じます。
去年と比べるとまだまだ寒い日が続きますが、春が近づいてきているようでうれしいですね🌸
さて、先日内科セミナーに参加しました。
今回は、実際の症例を参考に、診断が難しかった症例や、少し珍しい症例の講義でした。
そのうち一つの症例は、長期にわたる食欲不振の高齢猫の症例でした。
まず、食欲不振の動物を診察する際に重要な点は身体検査です。
特に、心臓、口腔内、整形疾患は血液検査で異常が見つかりづらいですし、
自分で症状を訴えられない動物の場合、異常がとらえづらい部位です。
次に、臨床検査として、血液検査を行います。
血液検査では、各臓器の機能や貧血、炎症所見の有無を確認します。
しかし、腫瘍や消化器疾患では血液検査で異常が出づらいです。
最後に画像検査を行います。
レントゲン検査や超音波検査で、臓器の形や位置の判断をしていきます。
肺や骨の状態をチェックしたり、素早く体全体の評価をする場合、レントゲン検査が有効です。
一方、特に腹部の臓器や、心臓の形や動きを評価するためには超音波県検査が重要です。
しかし、この症例の場合は、どの検査にも異常は見られませんでした。
そこで最終的に判断しなければいけないのは、脳の異常です。
脳の問題は普通の検査で異常は見つけづらく、MRIなどの高度画像検査で初めて発見されることも多いです。
この症例も脳、下垂体腫瘍でした。
脳腫瘍と聞くと、発作やけいれんのイメージがあると思いますが、
猫の場合は発作がない症例も珍しくなく、30~50%の症例が神経症状(発作や意識障害)を示さないといわれています。
診断や治療が難しい場合もありますが、原因がわかれば対処法がわかることもあります。
ただ、もちろん食欲不振の動物の多くが脳腫瘍。というわけではありません。
そういった症例もいますよ…。。と比較的珍しいケースです。
すべての症例で麻酔を必要とする高度検査が必要なわけではなく、
まずは、麻酔を必要としない一般的な検査をしっかり確実に行うことが必要です。
食欲不振でお困りの場合は、お気軽に相談してください!