こんにちは、獣医師のあさぬまです。
昨日は、立春でしたね🌸
しかも、今日は観測史上最速で春一番が吹いたそうです!
心地よい季節がすぐそこまで来ているような気がしますね✨
さて先日、臨床病理のセミナーに参加しました。
臨床病理学とは…?
と思った方かもいるかもしれませんが、簡単に言うと、血液や、細胞からえた情報を評価、判断して、
体で何が起こっているか?を見極めようとする学問です。
つまり…?
「肝臓の数値が高いですね。肝炎かもしれません。」
みたいな説明は、臨床病理学に基づいて話しているということです。
今回の臨床病理学では、各病院で遭遇した難しい症例や、悩んだ症例を検討、相談する勉強会でした。
テーマに挙がった病気は、「貧血の猫」です。
猫で貧血は、比較的よく認められる異常の一つです。
病気の原因も多岐にわたりますが、大きく区別する方法の一つが「再生性」か「非再生性」か
というものです。
血液(特に赤血球)が何かの原因で減少する病気が、貧血です。
減少した赤血球に対し、体が反応し、新しい血液を作れるタイプのものが「再生性」
作れないタイプのものが「非再生性」です。
当然、通常再生性のものは、免疫異常や、感染症、出血などで認められます。
治療がうまくいけば、メキメキ改善するので、元気になることも多いです。
しかし、再生性にもかかわらず、どんどん悪化する病気の場合は、頻回の輸血が必要になる可能性や、
他の薬剤の追加など、積極的な治療を組み合わせる必要があり、反応も悪いです。
特に、猫の血液に関しては、顕微鏡だけで異常を特定することが難しい場合もあるため、
遺伝子検査や外注検査を組み合わせる必要もあり、診断に時間とお金が必要になる傾向にあります。
貧血の症状はわかりにくいものが多いため、何か元気がない…。食欲が落ちてきた…。のような
非特異的な症状でも続く場合は、病院にいらしてくださいね!