内科学アカデミー(JCVIM)
2025年02月21日
こんにちは、獣医師のサクマです!
先日、日本獣医内科学アカデミー(JCVIM)に参加してきました。3日間行われたこの大会は様々なセミナーが行われ、自分の好きな分野を聞くことができるものでした。今回は消化器、病理、神経、皮膚、画像診断のセッションを聞きました。
その中で、神経のセッションを紹介したいと思います。
今回のテーマは抗てんかん薬の使い分けでした。
今回のセッションで紹介されていた抗てんかん薬の第一選択は以下の4つです。
・ゾニサミド(ZNS)
・フェノバルビタール(PB)
・レベチラセタム(LEV)
・臭化カリウム(KBr)
大脳皮質の過興奮を抑える機構は様々ですが日本で多く使われているのはZNS、海外ではPBがよく使われています。効果と副作用の強さは以下のように紹介されていました。
有効性;PB>KBr>ZNS=LEV
副作用;LEV>ZNS>PB=KBr
PBやZNSは肝臓に障害を引き起こすことがあり、PBは骨髄抑制や甲状腺機能の低下もあります。KBrは腎機能の低下や猫の喘息・肺炎、ZNSは消化器症状が起きる可能性があります。LEVはかなり副作用が少なく、20倍量まで安全性があると言われています。
単剤でコントロールできない場合は以下の併用の方法も紹介されていました。
・PB+ ZNS
・PB/ZNS+ KBr
・PB/ZNS+ LEV
いずれの抗てんかん薬も個犬・猫差があったり、副作用があったりと定期的なモニタリングが大事であること、エビデンス・有効性・費用・安全性を考慮し選択していくことが大事であると感じました。