眼科セミナー
2024年12月01日
こんにちは、獣医師の佐久間です。
先日、眼科セミナーに参加しました。今回のテーマは角膜潰瘍でした。
角膜は角膜上皮、実質、デスメ膜、内皮の順に表層から構成されており、角膜潰瘍はその深さによって分類できます。上皮に限局したもの、実質にまで及ぶもの、デスメ膜に及ぶあるいは穿孔しているのもに分類されます。
これらを診断するための一般的な検査として、フルレロセイン染色があり、角膜実質を染めます。この染まり方で深さを推測します。
犬の角膜潰瘍は原因別に大きく3つに分類され、外傷性角膜潰瘍、露出性角膜潰瘍、上皮性角膜潰瘍(ボクサー潰瘍)です。露出性角膜潰瘍は短頭種で多く、眼窩が浅い、眼瞼裂が長いなどの理由で眼瞼閉鎖不全となることによるもの。ボクサー潰瘍は角膜上皮と実質の接着異常が原因で起こり、簡単に上皮が剥がれることによるものです。
治療は穿孔している場合を除き、血管新生を促し上皮化させることが原則であり、自然修復を促すことになります。
これらの角膜潰瘍は眼科疾患の中でも一般的なものであり日常でよく遭遇する疾患です。ご家族で気になる症状、異常など見られた場合は相談いただければと思います!