眼科セミナー
2022年05月08日
こんばんは!獣医師の山野です。
先日、眼科セミナーを受講しました。今回のテーマは猫の結膜炎についてでした。
結膜は眼の白い部分を覆う透明な膜とまぶたの裏を覆う膜からなります。結膜には血管やリンパ管が走行しており、眼球の動きを円滑にしたり、角膜の感想を保護したり、異物や細菌から眼を守る働きをしています。この結膜が炎症を起こした状態を結膜炎といい、結膜浮腫や結膜充血、流涙、目やになどの症状が見られます。
猫の結膜炎の原因の大部分は感染症です。今回はその中でも猫ヘルペスウイルス1型感染症についてご教授いただきました。猫ヘルペスウイルス1型感染症の特徴的な症状として、結膜浮腫、充血、角膜炎、食欲不振、くしゃみなどが挙げられます。特に他の結膜炎を起こす病気との鑑別点として、①角膜炎を併発していること、②過去にも同じ症状を繰り返していること、③最近同居猫が増えたなどの環境の変化があることがあります。ヘルペスウイルスは神経に隠れて感染するので、1度症状が治まったとしても、ストレスなどで本人の免疫力が弱まると神経に隠れていたウイルスが増殖して症状を引き起こします。人のヘルペス性口内炎も体が不調になると大人でも発症しますよね😖猫ちゃんも同じ原理で発症しています🐱
眼の充血、まぶたが浮腫んでいる、眼が全体的に白っぽく濁って見える、目やにや鼻水が出るなどの症状が何回も見られるようなら、猫ヘルペスウイルス1型感染症の可能性が高いです。これらの症状に関わらず何か普段と変わったことがあればぜひご相談ください。