内科セミナー
2024年12月14日
こんにちは、獣医師の今井です。
先日、内科セミナーを受講しました。今回のテーマは犬の血小板減少症でした。
一次止血に関与する血小板は1μlの血液中に通常20万〜50万存在し、5万を切ると出血傾向が見られます。キャバリアやチワワ、ノーフォークテリアは先天的に血小板のサイズが大きく数が少ない傾向にありますが、量は維持されているため治療の必要はありません。
血小板減少症の原因としては感染症や腫瘍、免疫介在性疾患(以下IMTP)、アーチファクトが挙げられます。IMTPではより重度の減少がみられます。IMTPは幅広い年齢の雌に発症することが多く、歯肉や皮膚における出血や血便などの兆候を示します。予後は良好ですが30%程の症例で再発が見られます。
血小板の減少を認めた時は
・血小板の他の血球系に異常はないか?
・出血によるものではないか?
・産生の異常or消費の亢進、いずれかを起こす病因が存在するか?
などを念頭にアプローチする必要があります。
今後、血小板減少を認める動物が来院した際に鑑別を立てられるよう、知識を整理していきたいと思います。