獣医師の足立です。
先日、インフルエンザにかかってしまいました。本当にご迷惑をおかけしてしまい、すみませんでした。予防接種受けてても、かかるものですね。でも予防接種のおかけで、症状は軽症でした。猛威をふるって流行っているみたいなので、みなさんもお気をつけくださいね。
『猫の腎臓病に対する診断・治療法の実際』というテーマの勉強会に参加させていただきました。猫ちゃんの腎臓病はよくみる病気の1つです。その原因・背景をしっかり理解した上で診断・治療を進めて行く大切さを学んできました。
腎疾患とは、腎組織が障害を受けて機能が低下していくことを言います。急性と慢性とに分けられます。急性のものでは、一時的な症状のこともあれば慢性に移行することもあります。慢性のものでは不可逆的な病態であるため、一度失った機能は元に戻りません。
慢性腎臓病とは、3ヶ月以上持続する腎障害または3ヶ月以上持続する糸球体濾過量の低下と定義されています。また慢性腎臓病は、糸球体疾患と尿細管間質性疾患とに分類されます。
犬では糸球体疾患も認められますが、猫ではほとんどが尿細管間質性疾患に当たります。尿細管間質性疾患は、ほとんどが原因不明の特発性、また下部尿路での問題で起きる尿路閉塞・腎盂腎炎が原因だと言われています。慢性腎臓病は進行すると腎不全に陥ってしまいます。
慢性腎臓病の診断方法は、採血によるBUN・Cre・SDMA測定、尿検査による尿比重・尿蛋白・UPCの測定などがあります。腎機能の低下は糸球体濾過量によって分かるのですが、糸球体濾過量が33%の時に尿比重が低下、25%の時に高窒素血症(BUN・Creの増加)、10%の時に高リン血症が起こってきます。
糸球体濾過量がかなり低下した時にしか、診断ができないのです。腎機能が2/3失われた時に、多飲多尿の症状が出てくるので、すごくお水を飲んで、薄いおしっこがたくさん出る場合はなるべく早めに病院に連れてきてあげてくださいね。
治療は慢性腎臓病の進行抑制と生活の質を改善することを目的とします。進行抑制にベストなのは、やはり食事療法が挙げられます。リンの制限、低蛋白食、オメガ3脂肪酸の添加、塩分制限がよいと言われています。
療法食を食べてくれるのであればそれが一番よいですが、食べないから療法食をやめるというのは避けた方がいいです。おいしいと感じるご飯は高蛋白食が多いため、より慢性腎臓病を悪化させてしまうことになるのです。選り好みをしてしまう子には、蛋白とリンが多くないご飯を試してあげてみてください。一般食でも比較するとより蛋白とリンが少ないご飯が売ってあるので、食べてくれる物を探してみてあげてくださいね!
またリン吸着剤もいいと言われているので、リンが少ないご飯を選ぶのと同時にリン吸着剤のサプリメントを使用するのもいいですよ。生活の質を向上させるためには脱水の管理が必要となるため、水飲み場を増やしたり、ウェットフードを利用したり、皮下補液をする必要があります。
慢性腎臓病の診断・治療は、上記に挙げた物以外にもいくつかあります。その子の体調に合わせたベストな診断方法・治療ができるよう、精進して参りたいと思います。
今回は猫ちゃんテーマだったのでかなり前になるのですが、気になっていたカフェに行ってきました。猫好きな人にはぜひ行ってもらいたいです。
なんと3D猫ちゃんアートのドリンクを作ってくれるんです。かわいすぎて飲むのをためらっちゃいました。
お店の至るところに猫ちゃんデザインの装飾がありました。
押上猫庫(おしあげにゃんこ)。
猫好きの方はぜひ行ってみてくださいね