こんにちは。
獣医師の足立です。
最近は急に冷え込んできましたね。
みなさん、風邪をひかないように気をつけてくださいね。
先日、歯科セミナーに参加させていただきました!今回は月一回の歯科セミナーの第3回目と、オーラベット発売記念セミナーの2つのセミナーに参加してきました。
月一の歯科セミナーでは、『歯周炎の病態発生・診断・治療・予防』というテーマの講義内容でした!
わんちゃんの口臭って、なにが原因だと思いますか?口臭の原因は、歯の表面についた細菌が作るガスが原因だそうです。2歳以上の犬や猫の70%以上が歯周炎になっていると言われています。犬や猫のすべての病気の中で、最も多い病気になります。歯周炎になる原因は、口臭の原因となるガスを産生するプラーク中の細菌です。歯周炎になると、歯自体が悪くなるのではなく、歯根の周りにある顎の骨が溶けてしまいます。考えるだけでも恐ろしいですよね。
そこで大切となるのが、歯みがきです。
歯垢中の細菌が粘膜と接触することで、細菌感染が起こってしまいます。それを防ぐためには歯みがきや水でゆすぐ必要があります。今現時点で歯石が付いていても、その上から歯みがきをすることで進行を防ぐことができます。一番大事な部位は、歯肉と歯の境界部になります。プラークを取るのを意識しながら、歯ブラシを小刻みに動かしてあげてください。歯垢から歯石に1日で変わってしまうため、1日1回歯みがきをすることが大切だそうです、プラークを取り除くことが目的なので、歯みがきをしたらご褒美としてご飯をあげてもいいそうです!とにかくわんちゃんがイヤな思いをするのを軽減させてあげて、毎日歯みがきをしてあげることが大切です。
歯周炎、歯肉炎は、全身性の細菌感染を引き起こします!口臭がする、歯肉が赤い、明らかに歯石が付いていると思う時は、ぜひ診察にきてくださいね。
オーラベット発売記念セミナーでは、アメリカの先生が来てくださり『口腔疾患の最新情報』という内容で講義をしていただきました!
スケーリング(歯石除去)の操作の仕方をムービーで流していただき、解説してくださいました。スケーリングの意味としては、歯石・歯垢の除去が主ですが、施行前より歯石がつきにくいようにすることも大切だとのことです。超音波スケーラーで施行していくのですが、力は一切加えず、超音波の作用だけで歯石・歯垢を除去していきます。超音波で除去できない歯石は、エクスプローラー、キュレットと言われるハンドスケーラーで取り除いていきます。歯を削っての作業となるため、より滑らかになるようにしていきます!
両セミナーで強く言われたことが、『麻酔をかけてしっかり歯科処置を!』とのことでした。無麻酔で歯石除去はできないのか?と思われるかもしれないですが、まず起きている時に歯科処置をすると、イヤなのに口を開けられた、イヤなのに痛いことをされた、とわんちゃんにとってすごくイヤな思い、恐い思いをさせてしまうことになります。口を開けること自体がイヤになってしまうと、大切な歯みがきもさせてくれなくなってしまいます。
麻酔をかけて歯科処置をする理由は、
①不安・恐怖心・苦痛を与えない
②水、歯石、プラークの誤嚥を防ぐ
③丁寧に歯垢・歯石を取り除く
④より安全に処置を行える
などの理由がちゃんとあります。アメリカやヨーロッパでは、「無麻酔下での歯科処置はありえない。」とも言われてるそうです。麻酔って恐いなって思うかもしれないですが、今の麻酔薬は安全性の高い物を使っています!事前にしっかり検査を行い、健康上問題ないのであれば、ほぼ麻酔のリスクはないと考えて大丈夫です!しっかり歯の状態を良くして、より健康に、より元気に過ごしてもらいましょうね。
先日、両親が愛犬を連れてうちに遊びに来てくれました。

ジャックラッセルテリアのクリスとルナです。

パジャマを着たクリスさん。
歯みがきガムのオーラベットを美味しく食べてくれました!

パジャマを着たルナさん。
テンションMaxだったので、ぶれ写真。
美味しくオーラベットを食べてくれました!