皮膚科セミナー
2023年05月19日
こんにちは!獣医師の市川です!
今回は「多汗症、白い毛が生える疾患、血行障害」をテーマに皮膚科セミナーを受講しました。
それぞれが違うテーマになりますが、特に興味深いお話が多汗症に関してのセミナーでした。
人の肌はCMでお馴染みの通り、弱酸性に保たれることにより細菌の感染から身を守っています。
一方で犬の肌は弱アルカリ性に保たれています。
細菌はアルカリ性の環境下で増殖しやすくなるため、犬の肌トラブルとしては膿皮症という感染症の問題が多くなるということになります。
また汗の成分も人ではエックリン腺と呼ばれる体温調整に関わる汗腺が主体となりますが、犬ではアポクリン腺とよばれる汗腺が主体となります。
これは人では脇に比較的多く存在するもので、皮膚常在菌が分解すると強い臭気に変わります。
合わせて皮膚をより強いアルカリ性に傾けるので、より皮膚感染が起こるのです。
治療としてはエチダンという皮膚環境を酸性に傾けるシャンプーやノルバサンサージカルスクラブという抗菌シャンプー、またステロイドの内服が有効になりますので、強い臭いが体から出ているわんちゃんはご相談いただければと思います。