こんにちは、獣医師のあさぬまです。
先日、大阪で開催されている外科のセミナーに参加してきました。
不定期ですが数年単位で参加しているセミナーで、外国の講師の先生が来日され、
様々な分野について外科治療の観点から教えてくれます。
今回のテーマは「整形外科」です。
前肢や後肢の主に、骨折や脱臼についての治療法を学んできました。
日本で遭遇する骨折、脱臼の疾患のうち、ダントツで多い疾患は
橈尺骨の骨折です。
橈骨と尺骨とは、犬や猫のいわゆる前足の骨で、前腕ともいわれます。
周囲に筋肉が少なく、また着地の際に大きく力を受ける骨であるため、
ジャンプや落下などの外傷に伴って骨折することが非常に多い骨です。
ギプスなどで固定できる人間の場合と違い、
安静にできないこと、骨の周りに筋肉が少ないこと、骨の周りに血流が少ないことなどから
金属プレートなどを用いた手術での固定が一般的です。
しかし、特に最近多いトイ犬種と言われる体重5kg以下の動物では、
癒合不全(骨折が治らない)が生じることもあります。
少しでも癒合不全を減らすためには、
骨折治療の原則に基づいた治療
なるべく筋肉や血管を温存した丁寧な手術
手術前のしっかりとした計画
が必要不可欠です。
当院でもすでに骨折治療を行っていますが、より適切な治療が行えるように。
また遭遇頻度の少ない、その他の骨折の治療も的確に行うことができるように、
日々勉強していきたいと思います!!
とはいえ、骨折しないに越したことはないですね💦
猫の場合は、脱走や外出による事故。
犬の場合は、落下による外傷での骨折が原因としては一番多いです。
戸締りや、抱っこの際には座るなどの工夫で防げることもあるため、
今一度ご確認をお願い致します。