こんにちは、獣医師のあさぬまです。
最近涼しくなってきて、秋の訪れを感じますね。
先日の中秋の名月はご覧になりましたか?
ちょうどいい天気だったので、キレイな月がみえました!
帰宅した後、お団子まで食べて満足です🍡
先日、院内で皮膚科のセミナーに参加しました。
今回のテーマは、「食事で皮膚を治す」
皮膚のかゆみやフケのトラブルは、犬のトラブルとしては非常に多く、当院でもたくさんの方にご質問いただきます。
皮膚のかゆみの治療は、かゆみ止めの内服や外用薬、シャンプーなどのスキンケア、食事やサプリメントなど、
いくつかの方法を組み合わせて行われることが多いです。
かゆみの原因にもよりますが、皮膚の雑菌や、カビ、ダニなどの感染症を除くと、
多くの原因が“皮膚炎”と呼ばれ、犬アトピー性皮膚炎や食物アレルギー、ノミアレルギーなどがそれにあたります。
特徴は、顔やわきの下、内股、指の間などに左右対称にかゆみを生じ、時に皮膚が赤くなったり腫れたりする点です。
特に犬アトピー性皮膚炎は、柴犬やトイプードル、ウエスティ、フレンチブルドッグなどでよく認められますが、
どの犬種でも発症する可能性があります。
これら皮膚炎のうち、食事だけで完治する可能性がある病気は、
“食物アレルギー”です!
人間の食物アレルギーというと、蕎麦や落花生のように、食べたらアナフィラキシーショックを起こしてしまうような
ものをイメージするかもしれません。
しかし、犬の食物アレルギーは、慢性的なもので、食べて突然アナフィラキシーを起こすより、
日常的に摂取することで、下痢や嘔吐、かゆみを起こす病気です。
人で行われるような血液でのアレルギー検査の有効性は低く、精度は60%程度と言われるため、
当院では、積極的な血液検査よりは、除去食試験と言って、いままで食べたことの内容な食事を与えて、
かゆみの変化を見る検査を行うことが多いです。
食物アレルギーの特徴として、
①年齢に関係ないかゆみ(犬アトピー性皮膚炎の多くが、1~5歳程度で発症します。しかし、食物アレルギーは1歳以内の発症が多いといわれています。)
②季節性のないかゆみ(犬アトピー性皮膚炎は夏にかゆみが強くなる病気です。しかし、食物アレルギーは食べているものを変更しない限り、年中かゆみが続きます。)
③消化器症状(軟便、下痢、便回数の増加、放屁などの症状が同時に認められることがあります。)
と以上のようなものが挙げられます。
こういった症状がある場合は、食事変更により完治させてあげることができるかもしれません✨
一方、犬アトピー性皮膚炎では、食事変更で完治させることは難しいです…💦
しかし、犬アトピー性皮膚炎では、敏感肌であることが多く、皮膚の環境が悪化していることがかゆみにつながります。
そのため、たんぱく質や必須脂肪酸などが豊富な食事に変更することで、皮膚の環境を改善し、かゆみの低減に役立ちます。
特に必須脂肪酸は単独でもかゆみや炎症を抑える効果があり、非常に効果的です。
皮膚症状のすべてが食事で解決するわけではありません。
しかし、皮膚は全身を映す鏡ともいわれ、食べるものと皮膚の状態は密接に関連しています。
人でも、良いものを食べていると肌艶がいいですよね?😊
当院では現在、皮膚病用の療法食に力を入れており、通常よりもお得に食事療法を開始することができます。
興味がある方は、ぜひスタッフまでお気軽にお申しつけくださいね🍚