こんにちは、獣医師のあさぬまです。
突然ですが、我が家は今の時期、基本常にエアコンがついています。
うさぎがいるので、夏はうさぎのために24時間冷房がついています。
4月ころからずっとつけっぱなしなのですが、最近涼しいので、とうとう脱エアコンを始めています。
エアコンを消すようになると秋を感じます…。
例年は特に支障はないのですが、今年はそういえば窓をあけるようになってから、やたら涙と鼻水に悩まされています💦
ついに、花粉症になってしまったのかもしれません( ノД`)
秋は過ごしやすくて好きな季節でしたが、思いもよらないところで妨害を受けています…。
さて、先日院内で行われた循環器セミナーに参加してきました。
今回のテーマは「僧帽弁閉鎖不全症」。
新人向けの内容も含まれていますが、基本的な部分も再確認を込めてしっかり受講しました。
僧帽弁閉鎖不全症は、犬、特に高齢の小型犬で多い心臓病です。
病院に来院される犬の心臓病の多くを占める病気で、聴診ではっきりとした心雑音が聴取されるため、
診断は比較的容易で、ワクチン接種などの際に偶発的に発見されることも少なくありません。
初期には症状を示さず、だんだん進行。
疲れやすい、咳、体重減少などの症状を引き起こし、悪化すると肺水腫、胸水、失神などの心不全症状により緊急来院されることもあります。
僧帽弁閉鎖不全症の診断は、聴診をきっかけに行われることが多いですが、
その他に、レントゲン検査、心エコー検査、心電図検査、血圧検査なども行われます。
診断に重要な検査は、レントゲン検査、心エコー検査ですが、
心エコー検査には熟練した技術が必要で、苦手とする獣医師は少なくないため、レントゲン検査のみで診断されることもあります。
しかし、レントゲン検査では心臓の大きさの変化はわかるものの、内部構造はもちろんわかりません。
また、一般的な心臓の大きさの基準値は決まっているのですが、実は動物種によっても大きさの基準値は変化します。
ミニチュアダックスや短頭種は大きく写りますし、イタグレやピンシャーでは小さく写ります。
レントゲン検査で心臓が大きいといわれた。とよく相談されますが、多くの場合で正常であることが多く、
精密検査には心エコー検査が必須です。
また、治療を開始した場合にも、よくなっているのか、進行はないのか、投薬が効いているのか?の判断には
心エコー検査が必要です。
僧帽弁閉鎖不全症をはじめ、心臓病は治せないことが多いです。
しかし、近年は手術成績の向上や診断技術の向上により、治ることも少なくないようになりました。
また、内科治療を続けていく場合も、しっかりとした治療により、生活の質を損なわずに治療ができるようになってきました。
私自身、獣医循環器学会認定医として、よりよい心臓病治療のお手伝いができたらいいなと思っています。
若齢で心臓病といわれた
レントゲン検査のみで投薬をはじめた
投薬しているのに症状の改善がない
など、心臓病にまつわる心配事があればいつでもお気軽にご連絡ください✨