こんにちは、獣医師のあさぬまです。
最近は、朝晩も暖かくなってきて春めいてきめますね!
過ごしやすい季節になったな。と思いますが、
昨年の今頃の写真を見てみると、今よりも薄着で、今年はまだまだ寒いんだな。
と感じています。
三寒四温ですが、体調に気を付けて皆さんお過ごしください!
さて、先日循環器のセミナーが開催されました。
今回のテーマは、「肺高血圧症」です。
肺高血圧症と聞くと、ピンと来ない方も多いのではないでしょうか?
ただの高血圧症はどうですか?耳なじみのある方が多いのではないでしょうか?
体にはそれぞれの場所に応じた血圧があります。
体全体の血圧が高くなるものが、高血圧。
肺に向かう血液の圧力が高くなるのが、肺高血圧です。
通常、肺に向かう血液の圧力は、25mmHg程度です。
しかし、それが上昇し、40mmHgを超えるようになると、肺高血圧と診断します。
肺の血液の流れが悪くなるため、うまく酸素を取り込むことができず、
疲れやすい、息苦しいなどの症状や、失神を起こすことが多いです。
診断は心臓エコー検査で行います。
肺高血圧にはいくつかの原因があり、それに応じて治療法が少し異なります。
犬フィラリア症や、肺血栓症、肺炎、僧帽弁閉鎖不全症なども原因になることがあります。
しかし、動物の場合、本当の原因を特定することが難しいことも多いので、治療反応などを見ながら判断することもあります。
治療方法として、一般的なものは、内服治療です。
肺高血圧の薬剤は数種類ありますが、どの内服薬も比較的高価です。
治療することで比較的長生きできる子もいますが、
多くの子は短命で、早いと数か月、一般的には1~2年で症状が強くなってしまったり、亡くなってしまうことが一般的です。
少し診断が難しく、診断されないこともありますが、
最近は認知度も上昇し、適切な治療が行われていることが多いです。
治らない失神などの症状は、脳の病気ではなく、心臓の病気の可能性もあるので、
気になる場合は、ご相談下さい✨