セミナー参加報告

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内科セミナー

2025年04月17日

こんにちは、獣医師の久米です🐱

先日、院内セミナーで内科学セミナーを受講しました。

 

今回のテーマは犬の内分泌でした。

犬の内分泌疾患はたくさんありますが、今回は遭遇頻度の高く、疾患同士の関連度の高い、糖尿病、クッシング症候群について学びました。

 

犬の糖尿病の診断は空腹時血糖が高血糖であること、あるいは透過タンパク質の高値であることが条件となります。

糖尿病の診断後は、飼い主様と症例のQOLを相談しながらタイトコントロール(血糖値を細かく管理していく)、またはルースコントロール(臨床症状の改善)を目標に管理していきます。

2つのコントロール方法にはそれぞれメリットデメリットがありますが、症例の性格や飼い主様のライフスタイルに応じて、提案できる治療を増やすことが大切であることを改めて学びました。

 

糖尿病の併発疾患として多いのがクッシング症候群です。

併発しており、コントロール不良の場合はそれぞれ単体で発症している症例と比べ予後が悪いとされています。

クッシング症候群では多飲多尿や多食、皮膚の菲薄化のような症状を示すことが多いです。

病気自体が直接的な死因になることは少ないですが、治療介入しない場合は健康な犬と比べて生存期間が短いことがわかっています。

診断には合致する臨床症状、血液検査、尿検査、画像診断、ホルモン検査などの各種検査を用いて行いますが、疑うべきものがない状態で検査を実施すれば過剰診断になってしまう可能性があるため検査の実施奨励には注意が必要です。

 

内分泌疾患は治療を始めると基本的に生涯続けなければいけないものが多いので、診断や検査をしっかり見極め必要な治療を実施する必要があることを再認識しました。

これからの診断治療に活かしていくべきことをたくさん聞かせていただいたので、実践していきたいと思います!

SUBシステムセミナー

2025年04月13日

こんにちは、獣医師の森本です!

先日、SUBシステムのセミナーに参加させていただきました。

SUBシステムとは腎臓と膀胱を繋ぐインプラント装置で、主に尿管結石などによって損傷した尿管の代わりに使用される医療器具です。

今回はその装置の最新版が出たとのことで、その装置のアップデートした部分の勉強と設置するため手技を学ぶ実習を行いました。

最新版は従来のものと比較して、設置後の合併症が起こりづらい工夫がされていることや設置後の定期的なメンテナンスをすることで、合併症を未然に防ぐ方法などを学びました。

また、設置の手技を経験豊富な先生から学ぶことで、作業時間を減らして動物達の負担を減らせるようにするコツも学びました、

医療器具も日々進歩しているので、それに負けないように自分の知識や技術もアップデートしていかないと感じました💪

リハビリセミナー

2025年04月11日

こんにちは、看護師の泉山です!
今回はダイエットに関連のある「GI値」についてお話します。

 

皆さんは、「GI値」という言葉をご存知ですか?
「GI値」とは、食後血糖値の上昇を示す指数のことです。この値が高ければ、短時間で血糖値が上がり、低ければゆっくりと血糖値が上がります。
また、血糖値が上がるとインスリンも一緒に分泌されます。インスリンには脂肪の分解を阻害する働きがあるため、GI値が高いとその分インスリンの分泌も多くなりダイエットには不向きなのです。

そこで身の回りにある炭水化物でGI値を見てみましょう!!

①白米   76                   高い
②玄米   62                    |
③うどん   62                |
④パスタ   58                |
⑤オートミール   55     |
⑥そば   46                  低い

 

思っているよりも白米はGI値が高く、そばが1番低いです。

そばに関しては低脂質でビタミンB1、食物繊維、マグネシウム、鉄、銅など栄養が豊富に含まれています。ダイエットとしてさらに効果あるのは小麦の入っていない「十割そば」が1番ベストです✨️

 

今回は栄養をきちんと摂取しながら「GI値」の低い食材を選ぶことで、ダイエットを効率よく健康的に行えることを学びました。

口腔外科セミナー

2025年04月08日

こんにちは、獣医師のサクマです!

今回のテーマも「抜歯」についてでした。実習では、講師の先生による実際の抜歯手技の動画を見せていただきながら、指導を受けました。

局所麻酔の手技やエレベーターの使用方法といった基本的な内容から、丁寧に教えていただきました。今回は特に、動物にとって重要な犬歯および第4前臼歯の抜歯について、歯肉を切開しフラップを作成する方法を学びました。

切開の際には、隣接する歯の歯肉は切開せず、遊離歯肉を残して切開を行い、歯槽骨を確認します。歯槽骨が確認できたら掘削を行い、歯を露出させます。その後、エレベーターを使用して歯を動揺させ、抜歯を行いました。

また、フラップを形成する際には、骨膜をしっかりと剥離し、テンションのかからないフラップを作成することが重要であると学びました。特に第4前臼歯の抜歯では、唾液腺や下顎腺の位置に注意する必要があります。

今回のセミナーを通じて、正確な抜歯手技や解剖学的な注意点について理解することができました。今後の診療にしっかりと活かしていきたいと思います。

整形外科セミナー

2025年03月31日

こんにちは、Dr.スゴウです。
先日整形外科のセミナーに参加しました。
今回のテーマは中手骨、中足骨骨折でした。
どこの骨かと言いますと人で言う手の甲、足の甲の骨です。
それぞれ第一から第五まで(親指から小指まで)それぞれの前肢、後肢に左右5本ずつあります。

日本では小型犬が多いので飼い主さんが間違えて足を踏んでしまったり落としてしまうことで骨折が起こることが多いです。
猫は後肢側に体重をかけるので中足骨の骨折が多いを言われています。

歩く時には負重指(趾)と言って体重をかける指が決まっています。基本的に前後とも中心である3,4番目の指に体重をかけて歩きます。
骨折が起こった時、治療はギブスなどで足を動かさないようにして自然に治るのを待つ内科治療と骨折した骨同士をプレートとスクリューで固定するプレーティングもしくは骨片同士を鋼鉄製のピン(先が尖っていて骨の中に入れて使う)を用いてつなげるピンニングなどの外科治療に分かれます。
一般的に内科治療の適応は
・負重指の骨折がない
・1指のみの骨折
・骨折した骨の変位(ズレ)が少ない
などです。
ただこれに当てはまる場合も痛みが続いたり肢をつかないなど症状が改善しない場合は手術が適応になります。
以前はプレートのサイズに小さいものがなかったためピンを入れる方法しか選択ができず、体の小さい子だとピンを入れるスペースすらない子がいて治療が困難でした。
最近はより小型のプレートが使えるようになったため以前に比べると手術の選択肢がふえ、治せる子が増えてきました。

骨折に限らず、足を挙げる、震えて元気がない、段差を嫌がるなど体の痛みのサインがある場合は当院スタッフまでご相談ください。

画像診断セミナー

2025年03月31日

こんにちは、獣医師の今井です。
先日画像診断セミナーを受講しました。今回のテーマは消化管(空腸、結腸)でした。

消化管のスクリーニングを行う際には
・層構造(消化管は5層構造!肥厚している層がないか?構造の消失は認めないか?)
・病変の分布(全周性、偏心性、全周かつ偏心性)
・病変の増殖方向(求心性、遠心性)
・病変の長さ(例えば…腸腺癌は短く、リンパ腫は長めの傾向)
・病変の局在(孤立性、多発性、びまん性)
・消化管拡張の有無

これらのポイントを押さえながら観察することが重要になります。
また、消化管のスキャンを行う際は
①上部:胃〜十二指腸
②下部:結腸〜盲端、回盲部付近を下から上に追う
③その他:①②でスキャンしていない部位
この3箇所に分けて観察することで病変の見落とし防止や効率的なスキャンができることを学びました。

自分の技術を磨けるよう経験を積んでいきたいです!

CTセミナー

2025年03月30日

こんにちは、獣医師の今井です。
先日CTの実習研修を受講しました。今回は2回目の受講で、撮影の基礎を座学で学んだ後、実際に機器を使って撮影を行いました。

 

CTを撮影する際には
・動物の正確なポジショニング
・検査目的に合わせた撮影方向の決定
・呼吸による体動で画像がブレないよう、適切なタイミングでの息止め
・金属によるアーチファクトを防止するためのモニターの付け外し

 

など、正確に撮影画像を評価するために気をつけるべきポイントが沢山あります。
パソコン操作で覚えることも多く慣れるまで時間がかかりそうですが、実践と復習で習得できるように頑張ります!

循環器セミナー

2025年03月30日

こんにちは。獣医師の山崎です。

 

今回は循環器セミナーで不整脈誘発性心筋症について学びました。

 

主に猫ちゃんでみられる病気で頻脈性の不整脈やリズムの不整によって左室の機能不全を呈する心筋症です。

 

症状としては突然落ち着きがなくなる、突然じっと動かず元気がないなどわかりにくい事が多く、症状や心臓の超音波検査、心電図検査により診断していきます。

 

治療としては心臓の脈のレートコントロールとリズムコントロールに分かれ、主に抗不整脈薬を使用して治療をおこないます。頻脈がある場合はその治療をすることで心臓の機能は回復しますが、一部は再発を繰り返すことが知られています。

 

もしお家で猫ちゃんが普段しないような行動や動きを繰り返し、突然じっと動かなくなるなどがあれば動画でとって頂き、当院にご相談ください。

 

歯科セミナー🦷

2025年03月28日

こんにちは!獣医師の山野です!

今回はタイで抜歯の実習に行かせてもらいました!

日本ではなかなか出来ない、生体を使った実習でした。1日目は犬で2日目は猫で行いました。

犬も猫も3種類の歯があります。1番手前にある小さい歯を切歯、牙を犬歯、犬歯より奥の歯は臼歯といいます。

犬は切歯が12本、犬歯が4本、臼歯が26本と歯の数が多いです。ちなみに人間は本です。

切歯と犬歯は根っこが1本である単根歯、臼歯は2根歯と3根歯にわかれます(猫は単根歯もあります)。特に抜歯が難しいのは歯根が深い犬歯と3根歯の臼歯です。

犬歯の歯根はすごく深く、見えている部分より、歯肉の中に隠れている部分の方が2倍くらい長いです。

そのためまずは犬歯周囲を覆っている歯肉を剥がし、歯が埋まっている歯槽骨(顎の骨)の1部を削ります。歯槽骨を削ると歯根が見えてくるので、その状態で歯槽骨から犬歯を剥がして抜歯します。

抜歯後はぽっかり穴が空いた状態になるので、周囲の歯肉同士を縫って穴を防ぎます。

難しいポイントは歯槽骨をどのくらい削るかどうかの判断です🤔

歯槽骨を削れば削るほど抜きやすくはなるのですが、顎の骨をすり減らすことになり、顎骨折のリスクがあがります🦴この塩梅がすごく難しかったです😌

臼歯は2根歯、または3根歯であることが多いので、まずは機械を使って歯を割ります。

2根歯であれば1分割、3根歯であれば2分割して、単根歯にしてから抜歯します。

歯根はハの字に生えているのでそのままでは引っかかってしまい抜歯できないからです。

難しいポイントは特に猫は歯が小さく脆く、適切に切って、歯根が生えてる方向に沿って抜歯しないと、すぐ割れてしまうことです。出来るだけ割れないように綺麗に抜くことがポイントです😌

専門の先生に実際の抜歯してるところを指導してもらい、すごく勉強になりました!

明日から診察で生かせていきたいです✨️✨️

歯科セミナー in バンコク

2025年03月24日

こんにちは、獣医師の森本です!

先日、タイのバンコクで開催された口腔外科実習のセミナーに参加させていただきました🇹🇭

今回の実習では犬と猫の抜歯についての手技を学びました🦷

実習内容は犬と猫の検体を使用し、自分達が実際に抜歯を行っているところを講師の先生に見てもらいながら指導をしていただくといった形式でした。

抜歯に関しては普段の診療でも多く行っている手技でしたが、今回指導していただいた講師の方の手技と自身の手技を比べると、まだまだ技術的に足らない箇所や綺麗に抜歯するための細かなポイントがあるのだなと痛感しました。

今回の実習で様々な抜歯の技術や考え方を身につけることが出来たので、今後の日々の診療にも活かしていきたいと思います✨

写真は実習の会場として使用させていただいた大学の受付にいた猫ちゃんです!

毎日、違ったコスプレでお出迎えしてくれました❗️