皮膚科セミナー
2024年09月22日
こんにちは、獣医師の今井です。
先日、第3回目の皮膚科セミナーを受講しました。今回のテーマは皮膚炎(湿疹)でした。
皮膚炎は「かゆみ」を主訴に来院される動物が多いです。疾患ごとにかゆみが出やすい場所は変わりますが、共通して急性期には紅斑(皮膚の赤み)、そして慢性化すると苔癬化(皮膚が厚く硬くなり表面のしわや溝がくっきり見える状態)が見られます。
皮膚炎に分類されるメジャーな疾患としては、アレルギー性皮膚炎(主なアレルゲン:ノミ、疥癬、食べもの)、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎が挙げられます。
〇アレルギー性皮膚炎:
アレルゲンに暴露されることで発症し、原因を取り除かない限り症状は徐々に悪化してしまいます…(※症状の進行スピードや好発部位はアレルゲンによって異なります)
〇アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎:
犬種や個体ごとの体質を原因とするため、症状の良化と悪化を繰り返すことが特徴的です。耳や目の周り、四肢の先端、脇、鼡径部など外からの刺激や皮膚同士の擦れが起こりやすい場所に好発します。
まだ暑さの続く今の時期は蒸れやすく、皮膚のかゆみで来院されるワンちゃんも多いです。また、皮膚炎の中には前述したように体質を原因とするものもあるため、季節を問わずかゆみと上手く付き合っていく必要のあるワンちゃんもいます。
診察室では緊張して普段の様子(かゆがる仕草など)を見せない動物がほとんどなので、ご家族の方からおうちでの様子を詳しくお話いただけると大変ありがたいです!気になる症状があればお気軽にご相談ください。
セミナーで得た知識をもっと磨いて診察に役立てられるよう精進します!