こんにちは、獣医師のあさぬまです。
寒暖差が激しいですが、日中暑い日でも、風に秋を感じるようになりましたね!
先日、大阪で行われた外科のセミナーに参加してきました。
定期的に参加しているセミナーですが、
今回のテーマは『副腎、膵臓、甲状腺、上皮小体』でした。
馴染み深い臓器として、①副腎、②膵臓を紹介します。
①副腎:
腎臓のそばに左右存在する臓器です。
主にホルモン分泌をつかさどる臓器で、血糖値をコントロールしたり、体のミネラルバランスを調整したり、血圧に関するホルモンを分泌する、
とても重要な臓器です。
副腎は非常に小さく、4mm程度しかないのですが、その機能は計り知れません…。
手術が必要になる場合は、副腎が腫瘍になってしまっていることがほとんどです。
副腎の腫瘍は、ホルモン分泌性の有無で分けられますが、普通の検査ではそのホルモン量を知ることはできないため、
採血や尿検査でホルモン測定を行うことで、診断します。
内科治療を実施されることも多いですが、病気の種類によっては、早急に対応する必要があります。
副腎は非常に血管に近い部分に存在する臓器なので、進行すると、
腫瘍が血管の壁を破って、血管の中にまで進行することがあります。
ホルモン分泌していない腫瘍は、症状がないので、定期的に健康診断をしてあげましょう!
②膵臓:
消化酵素を分泌する外分泌機能と、ホルモン分泌をする内分泌の2種類の機能を持つ臓器です。
犬や猫で膵臓の手術が必要なことは少ないですが、主に癌で摘出することがあります。
しかし、膵臓癌は非常に転移しやすく、診断時に転移が存在することがほとんどです。
また、膵臓は身体にとって重要で替えが利かない臓器を囲んでいますので、
積極的に治療する場合は合併症の心配もしなくてはいけません。
症状は原因にもよりますが、下痢や嘔吐などの症状のほかに、発作が起こることもあります。
これはインスリノーマといわれる血糖値を下げるインスリンが大量に分泌される腫瘍の影響です。
いずれも難易度の高い手術ですが、適切な治療が寿命や元気な期間を延ばすことにつながるので、
定期健診と、何かあればすぐご相談ください!