セミナー参加報告

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救急セミナー🚑💦

2025年10月26日

こんにちは!獣医師の山野です。

先日救急セミナーを受講しました。今日のテーマはショック治療の基本についてでした。

 

ショックとは血液が十分に回らず、生命維持に必要な臓器(脳・心臓・腎臓など)がうまく働かなくなる危険な状態を指します。

 

ショック状態になると、わんちゃんや猫ちゃんでは、口の中が真っ白で乾燥したり、ぐったりして動けなくなったり、足先が冷たくなったり、呼吸が早くなったりします。もしこれら1つでも当てはまるのであれば、原因究明より先にショック状態から脱する処置をしなければなりません。

 

そのためにも、まずはショックを知って、気づくことが大事です。

ショックは主に4つに分類されます。①循環血液量減少性ショック、②血液分布異常性ショック、③心原性ショック、④閉塞性ショックの4つです。

 

①循環血液量減少性ショックは、血液量の絶対的に減少することで起こります。例えば、出血や嘔吐下痢でかなり脱水した場合などが当てはまります。

②血液分布異常性ショックは、血液量が相対的に減少することで起こります。敗血症や重度の炎症性疾患で血管が拡張し、血管内にある液体が漏れ出てしまうことが原因です。

③心原性ショックは心機能の低下などにより血液を送り出すポンプの異常が起きることでなります。

④閉塞性ショックは胃拡張捻転症候群や気胸など、臓器などが閉塞することで血液が左心まで還ってこないことでなります。

 

いずれにせよ、ショックでは組織(身体中の細胞)への血液量が落ちているので、まずは組織血液量をあげることがショックの治療に繋がります。

 

ショックで1番大事になってくる指標は血圧です。血圧は心拍出量と血管抵抗性のどちらもあって初めてしっかりした値が出るので、血圧が低い時は心臓か血管かどちらかに問題があることになります。ショック状態の子はほとんど血圧が低いので、まずは血圧をあげる点滴などを流して、ショックの原因を探ることになります。

 

ショックを治療することはかなり難しいことが多いです。血圧を上げる点滴を流しても血圧が上がらないことなんて頻繁にあります。

 

飼い主様にお伝えしたいことは、やばいかな?と思うような様子があったらすぐにご相談していただきたい、ということです💡

獣医師より日頃よくみてる飼い主様の方がより早くに気づくことは多いです。何か不安なことがあればぜひご相談ください✨️

内科セミナー

2025年10月26日

こんにちは!獣医師の伊藤です!

内科の金子先生にセミナーを開いていただきました!

今回のテーマは内分泌つまりホルモンのお話になります。

代表して甲状腺機能低下症についてお話しします!

血液健康診断で甲状腺ホルモンも検査しておきましょうという言葉をよく耳にすると思います。悪いことではないです。実際に甲状腺ホルモンの値が低い場合に、どのくらいの確率で真に甲状腺機能低下症に罹患してると思いますか?実は0.5 %と言われています。驚きですよね。さらに甲状腺ホルモンの感度、特異度はどちらも90%近くと診断精度はかなり良いのです。なんでかというと、実際に甲状腺機能低下症の発生率が0.1%と低いのです。

ではどうやって正確に診断していくのかという疑問が湧いてくると思います。

甲状腺機能低下症を疑うような症状が出ている場合、診断精度は95.2%と言われています。

つまり甲状腺機能低下症の症状があるのかないのかが大事になっていきます。

症状として、活動性低下、運動不耐性、脱毛、徐脈、低体温、神経症状、換気不全による呼吸不全があります。

お家で気をつけることはこういう症状が出ていないかよく見てあげることだと思います。

もしこのような症状があればいつでもご相談ください!

新人職員研修

2025年10月25日

こんにちは看護師のいとうです。

先日、院内にて新人職員研修を受けさせていただきました。

春の研修では新社会人1年目としてミズノ動物クリニックの1年目として、言葉遣いや電話応対の基本、正確な業務の進め方などを学びました。その際にはそれぞれが目標を設定しましたのでそちらの結果や改善点を出して、今回はさらに10年後の理想像を見据えての目標を設定、それに向かって今自分にはどんな学びが必要で具体的にはどんな行動をしていくのかを考えました。目標に向かって行動を起こしていく意欲を維持・高める為に何をしたらいいのかもグループで話し合いました。

身だしなみを気をつけること、コミュニケーションのとれた職場作りなど、慣れてきた日々の業務のなかで忘れがちな部分を再度学び直し、飼い主様に良質なチーム医療を提供できるように心がけていきたいとおもいます。

リハビリセミナー

2025年10月24日

こんにちは。看護師の田村です!

先日行われたリハビリセミナーについてお伝えします。
今回は、「鎖骨頭筋」「鎖骨上腕筋」についてでした。
鎖骨頭筋:首の後ろから上腕骨のつけねにかけてある筋肉です。
鎖骨上腕筋:鎖骨の上部から上腕にかけてある筋肉です。
この筋肉は前肢の動きに関わる筋肉です。マッサージを行うことにより歩幅が改善されます。
今回もルカちゃんに協力してもらいマッサージの実践です。
まずは筋肉の状態チェックです。
首の向きを左右に動かして、前肢が一緒についてこないかを確認します。一緒についてくるときは筋肉が固まってしまっているのでマッサージでほぐしていきます。
ルカちゃんはしっかり左右を向けていたので大丈夫そうですね。
マッサージの実践です。
肩関節の前部分を押さえ、縦方向にさすっていきます。実際に触ってみると、思っていたより分かりやすくマッサージもしやすかったです。
マッサージをしているととても気持ち良さそうなルカちゃんでした。

軟部外科実習

2025年10月21日

こんにちは。獣医師の山﨑です。

 

今回は宮崎大学でおこなわれた外科実習に2日間参加してきました。

 

内容としては

動脈留置のための皮膚のカットダウン、胃切開、腸管吻合、脾臓摘出、膀胱切開、腎臓摘出を行いました。

上記の手術は血圧管理、腫瘍や結石、異物での閉塞などで必要になる手術になります。

 

縫合、血管の剥離、結紮など基礎的な事から実際に手術で気をつけている事を直接大学の先生に教わりながら実践することで、より自分の技術として身についていくことを実感しました。

今回身に付けた技術を何度も反復することで実際に手術をする際に、より安全に丁寧に素早く行うことで負担の少ない手術を心がけていきたいと思います。

 

麻酔セミナー🏫✨

2025年10月17日

こんにちは、看護師の泉山です。

本日麻酔セミナーを受け、今回は人工呼吸管理に関しての内容でした。とても内容の濃いセミナーだったので一部を紹介します。

自発は陰圧呼吸(注射器を引く時と同じ圧)、
人工呼吸は陽圧呼吸(風船を膨らませるときの圧)となっています。麻酔を使うことによって、呼吸は止まってる状態になるため、気管チューブを設置することで直接肺にガスを送ることが必要になります。しかし、膨らませすぎるとダメージが大きくなるため、肺にダメージを与えすぎないように呼吸仕事量を穏やかにし呼吸筋力を疲れさせないようにサポートすることが重要です。

麻酔モニターだけを見るのではなく、呼吸様式を見逃さないようにしなければならないのです。モニター上は、自発呼吸が出ていないように見えても、体重や犬種、麻酔のかかり具合いによっては浅い自発呼吸が出ている場合もあるため患者が呼吸しているか実際に見て確認することも必要だと学びました。
呼吸仕事量が増えると呼吸筋が疲れてくるため、そのままだと心停止してしまう可能性もあります。そのため、人工呼吸で呼吸仕事量を減らし、疲れないようにすることで麻酔中も穏やかな呼吸を促すことができます。

 

今回、人工呼吸とは患者の負担を減らすためのサポートという考えを学ぶことが出来たので、今後の麻酔でも見方を変えながら管理をしていきたいと思います。

軟部外科実習

2025年10月17日

先日、宮崎で行われた軟部外科実習に参加してきました。今回は屠体を用いた実習で、実際の臓器・組織を扱いながら基本手技を学ぶ貴重な機会となりました。

 

 

実習では以下の手技を行いました。

・動脈留置のための皮膚カットダウン

・腸切開

・腸端々吻合

・膀胱切開

・脾臓摘出

・胆嚢摘出

これらの手技を通して、各臓器の位置関係や解剖学的特徴、操作時の注意点を実際に確認することができました。

 

 

また、基本的な針や器具の持ち方、糸の掛け方、組織剥離の方法など、外科の基礎動作についても丁寧にご指導いただきました。特に、丁寧な剥離や正確な縫合操作が術後の腫れや合併症を軽減させることを学び、基本手技の重要性を改めて実感しました。

さらに、多くの先生方から実践的なアドバイスをいただき、それぞれの工夫や考え方を知ることができました。今回の経験を今後の手術・処置の際に活かし、より確実な手技を身につけていきたいと思います。

 

 

その日の宮崎は気温30度近くあり別世界でした😳

子犬子猫教育セミナー

2025年10月11日

こんにちは。看護師の難波です。

先日、子犬子猫教育セミナーに参加しました。

 

ビデオ検討や犬に教えることに対して細分化をしての実践などを行いました。

 

教える・慣らすことに対しての細分化を頭の中でできるようになることで、どんな子にも対応できるようになります。

 

例えばドライヤーに慣らそうと考えた時に、まずは嫌がる理由から考えます。音・風や熱気・過去の体験が挙げられます。
そして電源をつけずに床に置くだけ、数秒だけ電源をつけるなどと徐々にレベルを上げていきます。

段階的に視覚的・聴覚的・距離・完全な慣化というように刺激を調整しアプローチしていきます。

 

基本とされて使われることが多いのが脱感作(恐怖刺激の強度を調整して反応を示さないレベルから提示して徐々に段階をあげる)と拮抗条件づけ(恐怖刺激と正の強化子を同時に提示することで不快を快情動に置き換える)です。

 

 

普段から実践することでしっかり身につけたいと思います。

リハビリセミナー

2025年10月11日

こんにちは!看護師の前寺です!

 

今回のリハビリセミナーは前回に引き続きマッサージについて座学と実習で学びました!

 

今回は「胸筋」がテーマです。

胸筋は、胸骨から上腕骨小結節についている筋肉です。

深部(深胸筋)とより小さな浅部(浅胸筋)に分けられます。。前肢を後方に引いたり、肩甲骨を伸展させる作用があります。この筋肉が硬くなると、前肢がピンと真っ直ぐになってしまいます。

 

マッサージを行う際、深胸筋は触ることが難しいので浅胸筋をメインにほぐしていきます。今回も病院犬のルカちゃんに協力してもらい、実践しました✊🏻✨

浅胸筋をかるくつまみ、20〜30回ほど揺らしながら移動していきます。筋肉を見つけるのが難しかったです😅

 

今回学んだことを自分が担当しているリハビリの子にも活かしていけたらと思います。

JBVP

2025年10月07日

こんにちは、獣医師の佐久間です。

先日、日本臨床獣医学フォーラム(JBVP)の年次大会に参加してきました!

今大会は様々な分野のセミナーを受けることができ、内分泌・腎泌尿器・循環器・画像診断のセミナーを受けました。

その中で画像診断の講義を紹介します。

 

今回の講義では、腹腔内の血管走行について解説があり、その中で門脈体循環シャント(Portosystemic Shunt:PSS)が紹介されました。PSSとは、本来肝臓に流入して代謝・解毒されるはずの門脈血が、肝臓を経由せずに全身(体循環)へ流れてしまう異常な短絡血管のことを指します。肝臓への血流不足による小肝症、毒素(アンモニアなど)の全身循環による高アンモニア血症、および総胆汁酸(TBA)の高値などが認められます。

 

 

日本で報告されているPSSのシャントタイプの約7割は、従来脾静脈からの短絡と考えられてきました。近年の報告ではそれより末梢の左胃静脈からの短絡が主である可能性が示唆されています。

2024年に発表された1082例の大規模研究では、短絡血管の約95%が左胃静脈起始であったと報告されています。外科手術を行う際に「どの静脈から短絡しているか」を正確に把握することの重要性を改めて示しています。

 

 

PSSは日常的に遭遇する疾患ではありませんが、腹腔内血管の解剖を正確に理解しておくことは診断や手術計画において極めて重要です。今回の講義を通じて、血管解剖の理解が臨床判断の基盤となることを再確認しました。