セミナー参加報告

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外科セミナー

2025年08月06日

こんにちは、獣医師のあさぬまです。

先日、大阪で行われた「外科スキルアップラボ」に参加してきました!

 

今回は、2日間で、基本的な腹部軟部外科をマスターしよう!という試みの元、

肝臓、胆嚢、消化管(胃、十二指腸、空腸、大腸)、副腎と幅広い内容の手術を基本的なものから、発展的なものまで網羅的に学んできました✨

消化管の手術に関しては比較的実施することも多く、慣れた手技が多い一方で、

副腎の手術は手術例も多くなく、また手術リスクも高いものであるため、

こういったラボでの学習が、手術手技のスキルアップには欠かせないものなので、参加できてよかったです!

 

今回はその中でも、肝臓、胆嚢に関して少しお話します。

肝臓は、体の中で最も大きい腺構造といわれ、非常に多くの機能を有しています。

再生能力も高く、70%以上を切除しても生活には支障ない。とされています。

しかし、その分、多くの血管が肝臓には張り巡らされており、少しの手術手技の誤りであっという間に大出血を起こしてしまう。

そんな怖い臓器です。

また、血管にはある程度個体差があり、全く同じ構造ではありません。

そのため、当院ではCT検査を事前に行い、血管の状態や走行を事前に把握して手術に臨む。ということを行っています。

肝臓には多くの腫瘍が発生しますが、その中でも最も多いものが、肝細胞癌(いわゆる肝臓がん)です。

人と異なり、犬の肝細胞癌は比較的完治が望める腫瘍とされており、

多くが巨大な一つの腫瘤を形成する腫瘍です。

その腫瘍を摘出することができれば、再発率、転移率ともに高いものではないので、完治が見込める。というわけです。

犬の場合、肝臓は6つの葉に分かれていますが、それぞれを、左肝区域、中央肝区域、右肝区域に分けて手術で取り扱うことが多いです。

左肝区域が一般的には最も簡単とされていますが、

解剖学的構造をきちんと理解すれば、中央、右の肝区域でも安全に手術が可能です。

今回のラボでは、そういった肝臓の血管構造をしっかり理解することに努めました。

 

また、肝臓には胆嚢という消化酵素を貯めておく構造があります。

胆嚢からは胆管といわれる管が十二指腸まで伸びており、そこから胆汁を分泌しています。

しかし、この胆管が何かの原因で閉塞してしまうことがあります。

原因は様々ですが、なかでも腫瘍や胆石で閉塞してしまうと、内科治療での改善が困難となり、治療が難しいです。

そんな時は外科的に改善してあげる必要がありますが、その状態の動物は体調が非常に悪いことが多く、

麻酔をかけた治療も困難なことがあります。

そのため、以下に的確に素早く手術が行えるのか?が大切です。

今回のラボでは、そういった胆管に対する手術も学ぶことができました。

 

肝臓の数値が高い。黄疸がある。といった肝臓関連の症状は、

診断も治療も難しいものが多く、また、体調も急激に悪化していくケースがあるため、

もしお困りの際は、お早めにご相談ください!!

野崎さんセミナー

2025年08月01日

こんにちは!看護師の山口です🐕

先日新人として新人教育のセミナーを受けてきました。

今回のセミナーでは自分たちが教える立場になった時に教え甲斐がある人、教えたくなくなってしまう人などを実際に考えて書き出して交流をしました。

そうすることで今の自分たちがそうなっていないかなどを客観的に把握ができた気がします!

新人として3〜4ヶ月経っていますが今からでも治せるところがあれば治していこうと決意しました!

新人は覚えることたくさんあり、初めてのことが多いです。だからこそ、言葉に出すセリフは[疲れたー]、[めんどくさい]などのマイナス発言をすればその分マイナスの方に行ってしまうため、新人全員で《できる、大丈夫、余裕余裕》×3を唱えあって日々精進していく所存です!

応援よろしくお願いします!

画像診断セミナー

2025年07月29日

こんにちは!獣医師の山野です!

今日は胸部のX線検査を学びました😎

 

X線検査とはX線という放射線を使って体内の構造を画像として映し出す検査方法です。

X線は、体を通過する性質を持ちますが、骨などの硬い組織では通過しにくく、白く写ります。一方、空気や柔らかい組織(筋肉・脂肪など)は通過しやすく、黒っぽく写ります。

金属、骨、筋肉、脂肪、ガスの順で白→黒になっていきます。

胸部のX線検査では、肋骨や胸椎などが最も白く、心臓や胸周囲の筋肉、心臓からの血管や肺血管、ガスを含む肺野や気管の順で、白→黒になっていきます。

 

X線で写る心臓はあくまで筋肉の塊として写っているので、心臓の中がどうなっているかまでは分かりません。ただ、心臓に問題があると、心臓が大きくなる傾向があるので、どこの場所が大きくなっているかで心不全の兆候を予測することができます。

X線で写る心臓は丸型をしているので、時計の文字盤を使って、心臓の構造がどこに位置しているかを表します。

真正面から見た時、1-2時は肺動脈、2-3時は左心耳、3-6時は左心室、6-10時は右心室、10-11時は右心房、11-1時は大動脈、真ん中に左心房があります。

左心不全と右心不全があった場合は、2-3時と6-10時の心臓が少し尖って見えるので、丸型から逆三角形の形に変化します。また、動脈管開存症の場合は11-1時が尖るので細長く変化します。左心不全が強いときは真ん中の左心房がはっきり見えてくるので丸が重なってみえることもあります(ダブルオパシティサインといいます)。

このように心臓だけでもよくよく見ると色んなことが分かります✨️

 

今回は胸部X線検査を学びました!

明日からしっかり診断に活かして生きたいです💪

CTセミナー

2025年07月27日

こんにちは、獣医師の今井です。

先日、CTセミナーを受講しました。今回のテーマは脾臓、膵臓、副腎でした。

◯脾臓

脾臓は麻酔下では薬の影響で大きくなるため、サイズの評価はCT検査ではなく超音波検査で行うことが多いです。CT検査では脾臓の形に変形はないか、腫瘤はないかを主に評価します。脾臓に発生する腫瘤性病変には血腫、結節性過形成、悪性リンパ腫、転移性腫瘍、血管肉腫、骨髄脂肪腫、組織性肉腫、髄外造血などがあります。このうち、良性の病変である過形成、血腫、髄外造血は類似のCT所見を呈するためこれら3つの鑑別は困難です。

◯膵臓

膵臓のCT読影時には、膵臓の形や大きさの評価、膵管拡張の有無、腫瘤の有無を確認します。主膵管が拡張する原因としては、膵臓の萎縮、加齢性変化、慢性膵炎などがあります。

◯副腎

副腎のCT読影では、副腎腫瘤の良悪性を鑑別するポイントとして周囲臓器への浸潤の有無、辺縁不整の有無、内部CT値が均一であるかを評価します。

 

座学の後に画像データを使った実習を受講しましたが、膵臓の視認が難しく手間取ってしまったので、時間をかけずに評価できるようにしていきたいです💦

リハビリセミナー

2025年07月25日

こんにちは、看護師の泉山です。
先日、リハビリセミナーでは「大腿四頭筋」という筋肉がメインの内容でした。

大腿四頭筋は主に膝の伸展に関わる筋肉の集まりです。これは小型犬によく見られる「パテラ(膝蓋骨脱臼)」とも関係していて、手術後にもリハビリとしてほぐすと効果があります。また、パテラの手術後固くなりやすい筋肉として「縫工筋」があり、ここもほぐす必要があります。
リハビリで筋肉をほぐす際は、プラスで近赤外線(ビーム)を当てることで筋肉を温め、ほぐしやすくなります。
今回学んだことで更にリハビリに関する理解を深めることが出来ました!

角先生セミナー

2025年07月20日

こんにちは看護師の菅野です
今年も歯科コンサルタントで歯科医の角先生のセミナーを受講させていただきました。
角先生のユニークなお話しを聞きながら、ミズノ動物クリニックでスタッフがそれぞれ当たり前にしている飼い主様への行動やミズノ動物クリニック「らしさ」など普段なかなか共有できないことや、自分自身の向き合い方など大切な事を再確認できました。
いい医療やいい治療を行うにはスタッフのメンタルもとても重要だと感じました。
角先生のおっしゃっていたスタッフ同士で行動の「良い出し」をしてモチベーションを上げて行きたいと思います!

石塚先生の麻酔学校

2025年07月19日

こんにちは、看護師の泉山です。
先日、石塚先生の麻酔に関するセミナーを受けました。今回は全身麻酔の流れを理解するところから始まりました。
まず全身に麻酔がかかるまでにいくつか準備があります。

麻酔中、身体の機能が低下しないためには「ATP」が必要です。ATPはグルコース+酸素によって作られ、グルコースが十分にあるのかは術前検査で分かります。
麻酔導入は、意識低下・筋弛緩をさせてから気管挿管で呼吸、麻酔の維持を行います。
気管挿管することでチューブから確実に体内に酸素を送ることができ、身体の機能が保たれます。

更に、麻酔中は血圧の維持が大切です。肺→心臓→体内の臓器にグルコースや酸素を送り、ATPの産生と共に出た二酸化炭素を心臓→肺に送るためには血圧がないと全身を巡ることができません。

このように麻酔をかける前にも準備が必要な理由は、麻酔中の身体の機能を維持するために重要なことだと改めて理解しました。

しつけセミナー

2025年07月18日

こんにちは。看護師の難波です🐶

先日しつけセミナーに参加しました。今回は子犬のニーズということで学びました。

・甘咬み
・吠え
・いたずら  
など多くのご相談をいただきますが、行動修正の前にニーズは満たせているかというのを考える必要があります。

子犬のニーズとは
・食事、お水
・快適な生活環境
・エネルギーの発散、本能を満足させる遊び   です。

例えば、ごはんをガツガツ食べる子は量が適正かというのを確認する必要があります。子犬の時期には多くのエネルギー摂取が必要になります。心配であれば病院で体格は適正かを見てもらいましょう!
またエネルギーの発散では知育トイ、お散歩、一緒にあそぶ、ガムなどを使用して心・体・口・頭を疲れさせる!というのを意識しましょう。子犬のパワフルなエネルギーが発散されなければ、いたずらなど別の行動として現れます。

甘咬みの1つの対策としては
おもちゃに紐をつけることです。
一緒におもちゃで遊ぶ時、子犬は手とおもちゃの距離が短いと噛んではいけないところと噛んでいいところの区別がつきません。
手を咬ませることは甘咬みを助長させてしまいます。
手から距離が取れるおもちゃを使用しましょう!

飼い主さんに適正なアドバイスができるよう、勉強したいと思います!

循環器セミナー

2025年07月16日

こんにちは、獣医師の今井です。
先日院内で行われた循環器セミナーを受講しました。今回のテーマは僧帽弁閉鎖不全症の診断についてです。

犬と猫では発症の機序が異なり、犬では
①僧帽弁の粘液腫様変性
②僧帽弁の逸脱、腱索断裂
③僧帽弁逆流
1→2→3の流れで発症することが多いです。

診断には心エコー検査が有用で、僧帽弁そのものの形態や血液の逆流(左心房-左心室を通る血流に色をのせて描出)を評価するだけでなく、左心室の内径や、左心室に入ってくる血液の流速を測定し評価します。

僧帽弁閉鎖不全症にはステージ分類があり、ステージB2以上の子は治療介入の必要があります。

病気の早期発見のために、若齢の子は1年に1回、シニアの子は半年に1回の頻度で健康診断で心エコー検査を受けることをおすすめします!