セミナー参加報告

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循環器セミナー(猫の肥大型心筋症)

2024年07月13日

こんにちは。獣医師の山﨑です。

 

今日は循環器セミナーで猫ちゃんの肥大型心筋症について学びました。

 

肥大型心筋症は遺伝的要因や高血圧、末端肥大症、甲状腺機能亢進症、心筋炎、還流障害などの2次的な要因で心臓の筋肉に負担がかかると肥大していき、心不全へと進行することのある病気です。

 

また肥大し血液の流れが悪くなると、肺や胸腔に水がたまり急性の呼吸不全に陥ることがあります。

 

心臓の超音波検査や必要に応じて種々の検査を行い早期発見をし、状態に合わせた治療で進行を遅らせることが大切です。

リハビリセミナー🏃‍♂️

2024年07月12日

こんにちは、看護師の泉山です!

先日リハビリセミナーを受け、今回は筋肉の強化について学びました。
手術後のリハビリは、まず痛みが無くなってから使っていなかった筋量の増加、そのための運動を行います。

運動をする際、以下のことを考えながら行っていきます。

 

①どの部位の筋量が減っているのか

②運動の機能と日常生活の動作を関連づける

③その筋肉を標的とした動作を取り入れた運動を行う

 

運動には何種類かあり、負荷が大きいものはジャンプ(階段の上り下りなど)、引っ張り、歩服前進があります。負荷が軽いものはバランスディスク、ジョギング、ガバレディレール(障害物)などで、これらの運動を組み合わせながらリハビリは行います。

 

次に運動の効果について、負荷が大きければ大きいほど良いというものではなく、低い負荷でも回数を多く行うことで効果は強くなります。また、運動のスピードは早いほうが多くの筋肉を使うので、大きな運動効果が期待できます。(水中ドレッドの速度を早くするなど…)

 

最後に今回のセミナーで1番印象的だったのは、運動前のストレッチはいい事ばかりではないということです。
ケガの防止になりますが、筋トレの効果を下げてしまう可能性があります。筋肉の粘りが低下や筋肉内の血流が乏しくなり、疲労物質を除去できずに疲れやすくなります。
運動前にストレッチをする場合、1つの筋肉に対して30秒以内と短い時間で行うのがベストです!(これは人も一緒!🏃)

今回学んだことを意識して、リハビリの活動に活かしていこうと思います。

画像診断セミナー

2024年07月11日

こんばんは、Dr.スゴウです。

今夜、画像診断セミナーが院内でありました。

今回は膀胱の超音波について学びました。

膀胱は袋状の臓器ですが、エリアにより尖部、体部、三角部に分けることができ、それぞれの部位で起こりやすい病気が違います。

また、発症年齢によっても疑う疾患は変わってきます。

一般的には若齢の子では先天的な異常に伴う病気が多く、中高齢の子では腫瘍が増えてきます。

また、腫瘍に関しては膀胱の腫瘍がどこまで浸潤しているか(腫瘍の進行度合い、ステージ)の評価も行うことができます。

どの臓器にも言えることですがポイントを押さえて細かく観察することが大切です。

胸部外科セミナー

2024年07月07日

こんにちは、獣医師のあさぬまです。

最近ムシムシしてきましたね。特に夜がどんどん寝苦しくなります💦

皆さんもしっかりエアコンを活用して快適な日々を過ごしてください。

 

さて、先日、大阪で行われた外科のセミナーに参加してきました。

今回のテーマは『胸部外科』です。

胸部外科は主に、胸部に存在する臓器を扱う手術です。

胸部には、心臓や肺が存在しますが、心臓の手術は非常に特殊なので、

今回は、肺や胸膜、心膜の手術を学んできました。

 

今回の手術は

①肺の病気(腫瘍、捻転など)

②乳び胸

③胸腺腫

などの時に実施することが多い手術です。

胸部の手術は、心肺機能に直結する臓器を扱う手術なので、適切な知識を学ぶことが重要です。

肺には空気を通す気管と、肺に血液を送る動脈、静脈があります。

特に血管は心臓から直結しているため、不適切な手技で手術を行うと、命の危険もあります。

 

初日は、肋骨の間を切開して、肺を切除する手術を学びました。

2日目は、胸骨を切開して胸部を大きく探索可能な術式を学びました。

非常に大きな肺の腫瘍や、胸腺腫を切除するときに使用する方法です。

 

胸部の手術は決してよく遭遇するものではないですが、

いずれの手術方法もいざというときに備えて、十分に習得しておく必要があるものです。

今回のセミナーで学んだことを活かし、今後の治療に役立てたいと思います。

もし、胸部の病気でお悩みのことがあれば、遠慮なくお申し付けください!

リハビリセミナー

2024年06月29日

こんにちは、看護師の石井です🐱

リハビリ専門医の小笠原先生のセミナーを受講しました。

今回は前回に引き続き、術後の管理や注意点を学びました。

整形疾患の手術で筋肉、骨を切っているので術後すぐは痛みが強くでるのでリハビリをする時は注意が必要で、痛みが取れてきたら筋力強化・姿勢改善・筋肉再教育などリハビリしていきます。

また術後3~4日間は炎症が強く起こっているのでアイシングが大切になります。20分ほど行うとアイシングの効果が最も発揮されます。ただ、長時間のアイシングは低温やけどを引き起こす事もあるので一概に長くやるのがいいとは限りません。

アイシングの効果として血管の収縮、血行減少、鎮痛、浮腫の予防と軽減などがあります。

術後10~20日で回復期となり、適切な負荷をかけていく段階になります。この時期から水中で浮力を用いて歩く練習などを行って行きます。

今回アイシングの意味や何を目的に行っているのかを明確にすることが出来たので、術後からリハビリまでを見ることができる経過や術後の注意点などを考えながら行って行きたいと思います。

 

麻酔学校

2024年06月25日

こんにちは!看護スタッフの榎澤です🍀
先日石塚先生によるペピイ麻酔セミナーに参加させていただきました💉

全身麻酔をかける際のリスクとして、最初にくるのが誤嚥です。同意書注意事項に記載のある『朝ごはんを抜きましょう』が大切になります。
反射が消失するため嚥下ができなくなります。胃の中に食べ物があると抑える力がなくなり誤嚥に繋がるのと気道閉塞を起こし呼吸停止に繋がります。術前のレントゲンは気道、肺の確認と胃の内容物のチェックをしています🩻
なので手術当日は愛犬を守るためにも必ずご飯を抜きましょう💡

麻酔中の深度の確認
①意識の消失(眼瞼反射、眼球位置、音の反応)
②鎮痛(心拍、血圧増加)
③筋弛緩(顎の緊張)
に分かれます。

モニターに異常が起きたときどれが関わっているかを瞬時に確認しそれに合った麻酔薬を使うように心がけたいと思います。
確認のポイントも教わったので麻酔管理に入る際実践したいと思いました。

手術後〜覚醒(移行期)での痛みが最小限になるように考えるのも大事なことなので、どの薬がどれくらいから効果が出てくるのか残りのセミナーで詳しく覚えていきたいです!

眼科セミナー

2024年06月24日

こんにちは、獣医師の今井です🐇
先日、眼科セミナーを受講させていただきました。
今回のテーマは眼科検査で、様々な眼科器具の使い方や正確に検査を行うためのテクニックを学びました。

眼の状態を評価する際には眼内圧の測定や眼底の観察を行いますが、これは保定のやり方次第で結果が大きく変わってしまうということが印象深かったです。保定する時は動物の肩や顎のあたり、場合によってはおでこを押さえて、検査中に動物に動かないようにしてもらいます。しかし、目や首の周りに圧が加わると神経や血管の走行を邪魔するため、眼内圧が実際より高く出てしまったり、あるはずの血流が途絶えて見えなくなるため慎重に保定する必要があります👁️

私たち1年目の獣医師が眼の疾患を診察するのはまだ先のことになるとは思いますが、まずは正しく検査を行えるように保定の練習や器具の扱いに慣れることから頑張って勉強していこうと思います!

TPLOセミナー

2024年06月21日

こんにちは、獣医師の江木です。

 

2日間、脛骨高平部水平化骨切り術(TPLO)セミナーに参加してきました。

 

TPLOは、膝にある前十字靱帯の断裂に対する手術方法です。

前十字靱帯は靭帯が完全に切れる完全断裂と、靭帯の一部分のみが裂けて切れ部分断裂を起こすことがあります。

部分断裂は、触診やレントゲン検査のみでは断裂の程度によっては診断が難しいことがあり、補助的に超音波検査が用いられたり、関節鏡で確定診断する必要があります。

部分断裂は進行すると完全断裂となるため、早期発見と早期のTPLOにより膝の不安定性をなくすことが理想ですが、なかなか診断が難しいこともあり、そのようなケースも含め的確に診断をする方法と、必要な外科手技、合併症、予後について学びました。

 

実習では、アプリにレントゲン画像を取り込み、術前計画を立てることを実践しました。

また、骨模型を使用し通常の前十字靱帯のみの症例に対するversivという当院でも使用しているプレートでのTPLOと、膝蓋骨内包脱臼も併発する症例に対するnew generationという新しいプレートでのTPLOを実践しました。

 

今後も今回のセミナーで習得したことを生かし、早期診断とより正確なインフォームをし、手術適応の場合は的確に術前計画を練れるように精進していきたいと思います。

 

インプルーブ外科セミナー

2024年06月20日

こんにちは、獣医師のあさぬまです。

最近暑い日が多くなってきましたね☀

昔は、25℃で暑い暑い言っていたような気がしますが、最近は25℃は涼しいのでは??

と思うようになってきています🎐

 

さて、先日大阪で行われた、外科のセミナーに参加してきました。

前回のセミナーは海外のセミナーに参加していたので、欠席することになってしまい、

少し久しぶりの参加です。

 

今回のテーマは「生殖器」、「腹膜炎」、「血管異常」です。

生殖器の分野では、主に膣の疾患を学びました。

近年では予防的な避妊手術が行われるようになったので、子宮や卵巣の病気は非常に少なくなりました。

膣の病気も多くがホルモンの影響を受ける病気なので、最近は珍しい病気になりました。

珍しいですが、無くなったわけではないですし、

珍しいからこそ、手術経験が多くない病気としてきちんと学ぶ必要があります。

また帝王切開のことも学んできました。

自宅で繁殖される方は多くないかもしれないですが、犬の場合、短頭種を除くと、難産の発生率は16%です。

犬は安産の象徴でもあるはずなので、もう少し低いかと思っていましたが意外です💦

一方で短頭種は80%以上で難産が生じるともされており、非常にリスクが高いです。

いずれにしても、人間の産科検診と同じで、妊娠したらきちんと定期検診を受けてあげてくださいね!

 

また血管異常では、主に肝臓の血管異常を学びました。

肝臓の血管異常として有名なものは、「門脈シャント」という病気です。

肝臓に血液を送る門脈という血管の一部が、誤ってほかの血管(後大静脈)につながってしまう生まれつきの血管の異常です。

多くの子が、成長不良、発作(けいれんなど)などの症状で気づかれますが、

最近は、

・元気だけれども血液検査で異常を指摘された

・ほかの病気でCT検査をしたら見つかった

など偶然見つかる子も増えてきています。

診断には血液検査のほかに、エコー検査やCT検査が必要です。

早期に見つかれば手術で完治できるかもしれない病気の一つです。

当院でも手術して元気になってくれた子がいます✨

しかし、肝臓の血管は非常に複雑で、健康な子でもたくさんのバリエーションがあります。

しっかりと、実習や経験を積むことで、より安全に手術が迎えられるようになります。

今回のセミナーではそういったバリエーションや、正常な血管の状態をしっかりと学ぶことができました!

 

日頃の診療に活かせるようにしっかり復習していきたいと思います!

エキゾセミナー🐔

2024年06月19日

こんにちは、獣医師のあさぬまです。

先日は雨がすごかったですね☔💦

梅雨に入りじめじめしたお天気が続くかもしれませんが、皆さんも体調を崩さないように気をつけてください!

先日、月に1度のエキゾチック動物専門医診療がありました。

その前に、エキゾチック動物の知識を深めるためのセミナーに参加しました。

今回からしばらくテーマは「鳥」です。

鳥といっても、鳥類には様々なグループがあります。

飛べない鳥の、ダチョウもペンギンも鳥です。

卵で有名な、ニワトリ、ウズラ、烏骨鶏も鳥ですね。

猛禽類である、ワシ、タカ、フクロウも鳥ですし、

よく町で見かけるスズメと、ペットとしてよく飼育されている文鳥は同じグループの鳥です。

動物病院によく受診する、セキセイインコやオカメインコももちろん同じグループの鳥です。

一言で鳥ですが、実に多様なグループだとわかっていただけますか?

 

ですが、多くの鳥に共通する特徴もあります。

それは「飛ぶための体」ということです。

鳥は、哺乳類に比べ、空を飛ぶために適した体を持っています。

今回のセミナーでは、そういった鳥の基礎的な部分を中心に学びました。

いくつか代表的な特徴を紹介しましょう!

①骨が少ない

鳥は体を軽量化するために、多くの骨が癒合(くっつく)し、骨の数を減らしています。

特に背骨は多くの骨がくっついていて、癒合骨を形成しています。

 

②呼吸の方法が独特

鳥は飛ぶために非常にたくさんの酸素を必要とします。

そのため、効率よく呼吸ができるように『気嚢(きのう)』という構造があります。

『ふいご』のように気嚢が動くことで、吸っても吐いても効率よく呼吸することができます。

そしてなんと、鳥は骨の中にも『気嚢』を持っているのです。

 

③排泄の方法が独特

鳥は尿を貯めません。尿という水分が体にあると重くなるため、尿酸という白っぽい塊で排尿をします。

そのため、人間と同じように痛風になります(というか、哺乳類なのに痛風になる人間のほうが実は特殊な動物です…)。

そして、尿も便も(、メスは卵も)同じ部分から排泄されるため、総排泄腔と呼ばれています。

 

このように鳥は、効率よく飛ぶために、非常に独特な体をしています。

次回以降は、そんな体の作りから、かかりやすい病気や、飼育時に注意すべき項目などを学んでいく予定です!